表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2章、追い込まれた国に休む余裕は無い
15/294

重大任務、開始

姫様の振りをして、王家の方々を守る任を与えられたわけだが…

断った方がよかったかも知れない。

何で、何で俺がドレスなんて着せられてるんだよ! 

いや! 姫様の真似をするなら当然だが!


「リオさん! 最高に可愛いです!」

「よせ! 止めろ! 止めてくれぇ!」

「いやぁ、美しい! 本当に、似合っています! 最高! 

 それに普段はスカートなんか着ないから、ものすごくレアで興奮します! 

 こ、これは! 私の記憶の中に永遠に!」

「止めろ! もう何も言うなぁ! 言うんじゃ無い!」


畜生! 何でこんな事に! あぁ、俺が浅はかだった!

ちょっと考えれば分かってたことじゃないか! 

何で気が付かなかったんだよ!

姫様の身代わりになるって事は身なりも姫様に似せるんだからさ!

畜生! レギンス軍団長の言葉だけで決めてしまって後悔だ!


「何もそこまで嫌がらなくともよいではありませぬか

 私の正装なのですよ? 

 本来はあなたのような薄汚い子供が着れる代物ではありませんわよ」

「あー、そうですね」

「それにしても、やはりあなたの服は汚らしいですわね

 高貴な私が着る様な服装ではありませんわ

 なぜ男子のような服装なのでしょうか?

 どんな精神をしているのですの?

 全く女子が男の格好をする等とは、女子である事にプライドを持ちなさい」

「いえ、女子のままでは国を守れませんので

 男になるために男の服を着ているのです」


何かこいつの高飛車な言葉を聞いていて

どうしても反論したくなり言った言葉だった。

何でこんな反論をしたのかよく分からないが、そこそこ効果があったようだ。


「な、何と、子供の身でありながら、そこまでの精神を

 ですが男になる等と女子が言うのではありませんわ

 国の為に捧げるのは、命だけで良いですのよ?」

「いえ、命を捧げるくらいなら女である事を捧げます、はい」


こう、何かズレている事を言うな

命を捧げるくらいならプライドを捧げるっての。


「しかしですね、女子である事を捧げるとは、プライドはありませんの?」

「いえ、その服を纏うことがプライドです、はい」


うん、男であると言う事を忘れないためにも、衣服はしっかりしないとな。

まぁ、忘れるわけもないが。


「全く可愛らしくもない子ですわ、そもそもですの

 普通の女子は私の衣服を纏えば飛んで喜びますわよ?」

「それでは姫様になりきれないので、えっと、その喜びを隠しています」


本当は喜びなんて粉微塵も感じていないんだがな。

一応こういう風に言っておこう

無駄に反論して面倒くさいことにならないためにも。


「なる程、そう言う事でしたの、では、よろしいでわ

 しっかりとお父様とお母様とお兄様と

 お姉様達をお守りくださいまし、1人も死なせないでくださいませ! 

 約束ですわよ!」


姫様が今までにないくらいの剣幕で俺にそう怒鳴り散らしてきた。

もしかして姫様って家族思い? いや、疑問に思う事は無いよな。

誰であれ自分の家族は大切だろうし、守って欲しいと思うだろう。


「分かりました、お任せください!

 この男リオ! 王家の方々を守るため尽力いたします」


うん! 言えたぁ! 言ってみたかったんだよね、こんな台詞!

いやぁ、たまにアニメとかゲームで騎士っぽいキャラが言ってる台詞!

1度でも良いから言ってみたかったんだよなぁ! うん、気分が良い!


「お、男ですの? 女では?」

「リオさんは精神は男の子ですからね、格好いいし!

 でも、可愛いところもあるんですよ」

「知りませんわ、そんな事

 とにかく男のような精神で約束してくれたと言う事ですわね

 そう言えばお兄様が言ってましたわ

 男に二言はないと、そう言う意味ですわね」

「え、あ、はい、そう言う精神で言いました、はい」


本当はここだ! と思って思いつきで言っただけなんだけど

そう解釈してくれてよかった。

だが、あれだな、これでもう失敗は許されないな、元々許されない任務だけど。

なんせ超VIPの護衛だし、失敗したら俺と軍団長の首が飛ぶ、物理的な意味で。


「では、任せましたわ、本当にお願いしますわよ」

「分かっています」

「では、アルル、姫様を君達の部隊部屋に」

「はい、分かりました、姫様、こちらです」

「分かりましたわ、それでは、今から私はリオですわね、えー、おほん

 それでは、行ってきま…行ってくる」

「わ、分かりました、お気を付けて」


姫様はアルルに連れられ、軍団長の部屋から出ていった。

大丈夫かな姫様、アルルに襲われないか? いや、流石にそれはないだろう。


「それでは、俺も」

「今、君は姫様だ、俺などと言う乱暴な口は慎むんだ」

「あ、はい、分かりましたわ」

「うむ、それで良い、それではしばらくしてから君を部屋に案内しよう

 それと、今回の入れ替わりの件は国王様のみに話を通しているのだ

 つまり、君の入れ替わりを知っているのは、王家の方々の中では国王様のみだ

 故に他の姫君や、殿下にバレぬよう、しっかりと演技をするのだ

 もしも殿下や姫君にバレてしまった場合

 入れ替わりを悟られる可能性があるからな」

「分かりました、それじゃあ、細心の注意をしながら接します」

「うむ、それで良い、では、そろそろだな、部屋までは私が護衛しよう」

「あ、ありがとうございます」


俺は軍団長に護衛されながら王家の部屋まで移動した。

そこには明らかに偉そうな王様や王女様に、

鎧っぽい黒めの服に三角形が2つ重なった紋章を

胸にデカデカと付けているレイ王子

俺の服装の色違いで、オレンジ色のドレスを着ている姫様がリサ姫

同じ服装で、緑色のドレスを着ているシャル姫か。


「ただいま戻りましたわ」

「あぁ、帰ってきたか、メア」

「全く、こんな大変なときに何処ほっつき歩いてたの? 

 殺されたらどうするつもりだったの!?」

「いえ、その点は大丈夫ですわ、リサお姉様、レギンスが付いていましたので」

「そう、でも今は危ないのよ? いくらレギンスが付いていたとしても

 もしもの場合があるの! 

 だから、あなたはここにいて、もう部屋から出たら駄目よ? 

 お姉ちゃんとの約束だよ?」

「なんでお姉様とお約束しないといけないのですか? 

 何をしようと、私の自由ですわ!」

「相変わらず、そうやって! もう!

 何で私の気持ちが分からないの!? メアの馬鹿!」


う、うーん、教わったとおりの性格を演じ

怒鳴ったわけだが、大丈夫だったのかな?

でも、リサ姫は俺の言動を気にしていないようだし

演技としては上出来だったはずだ。


「こらこら、2人とも止めなさい、喧嘩をしている場合じゃないわよ」


俺とリサ姫が軽く口喧嘩をしていると、奥の方で座っていたシャル姫が立ち上がり

俺達の間に入ってきて喧嘩を制止してくれた。


「だって! メアが悪いのよ! 私の気持ちを分からないから!」

「駄目よリサちゃん、そうやってすぐに自分の事を押し付けちゃ

 メアはあなたの操り人形じゃないのよ? そろそろ妹離れしなさい」

「しゃ、シャルお姉様の言うとおりですわ! 

 私はお姉様の操り人形じゃありませんの!」


俺はそう言い、その、シャル姫に抱きついた

うぐぅ、え、演技ってのは難しい。

こ、こう言うときに、恥ずかしそうな表情をすることが出来ないとは。

うぐぐ、だが、我慢だ、堪えろ!


「ふふ、相変わらず、すぐに私に抱きつくわね」

「くぅ! 何でシャルお姉様にばかり! くぅ、私だって、心配してるのに」

「リサ、そんなに泣かないで良いじゃないの、ほらメア、慰めてあげなさい」

「い、嫌ですわ、リサお姉様を慰めるなんて」

「何でよ、私が何をしたって言うのよ、うぅ」


俺の言葉を聞いたリサ姫はその場にへたれ込み、盛大に泣き始めた。

うぐぅ、こう、なんて言うの? 罪悪感が凄い

でも、どうやらいつものことらしい。

王子とシャル姫、王女様はこの状況でも殆ど動揺の色は見せていない。

むしろまた始まったか、という感じに少しだけため息を吐いているくらいだ。

えっと、確か、メア姫はこうなったときにようやく慰めるんだよな。


「えっと、リサお姉様、すみませんわ、私、そんなつもりじゃ」

「うあぁーん! メアの馬鹿ぁ!」


うわぁ! い、いきなり抱きついてきやがった、う、うーん、驚いたな

まさか抱きついてくるなんて、えっと、匂いとかでバレないよな?


「あ、あれ? メア、少し臭うわよ?」


ヤバい! やっぱりバレたぁ! やっぱり臭う? 

昨日は風呂に入った気が…あぁ!

そうだった! 戦争が終わってすぐに来たんだった! 

風呂に入ってない!

不味い、不味いぞ! このままだとバレてしまう!

えっと、ど、どうする!?


「あ、そ、そうなのですか? 少しだけ急ぎの用事があったので

 きっとその時に汗をかいてしまったのですわね」

「もう、お姫様が走るなんてね、仕方ないわ!

 私が一緒にお風呂に入ってあげましょう!」


マジで!? マジで!? ヤバい! ヤバいぞ! 

俺とメア姫だと体つきが違うぞ!

俺は結構孤児院の頃にあいつらに振り回されていたから

少し鍛えられた体なんだよ!

でも、メア姫は王室のお姫様だ! 

活発な事はしてないだろうし、絶対にバレる!

それに、メア姫はこう言うときは風呂に一緒に入ると聞いたし!

確か軍団長が国王様から少し聞かされた情報! こ、断ったら疑われる!


「あ、え、えっとですわね、流石に私もそろそろ成長しましたの

 いつまでもお姉様とお風呂に入るわけには行きませんわ!」


も、もう、もうこう言うしか無い! 

頼む! 上手く波風が立たないで行ってくれ!


「メア、分かったわ! じゃあ、今日は初めて1人でお風呂に入るんだね!」

「そ、そうですわ! 

 私だって1人でお風呂には入れると言う事を証明して見せますわよ!」

「じゃあ、行ってらっしゃい! 初めてのお風呂!」

「分かりましたわ!」


な、何とか、何とか誤魔化せた! 

と言うか、メア姫って今まで1人で風呂に入ってないのか?

結構甘えん坊だったんだな、とりあえず風呂に入るか。

俺は風呂に移動して、服を脱ぎ…脱ぎ! ……ムズい! ドレス脱ぐのってムズい!

この! この! えっと、どうなってんだ? えっと、このチャックを降ろして。

あ、背中に手が届きそうにない、ぐぬぬ! いけるって! 気持ちの問題だって!

うぐぐぐ、お! 良し! 下ろせた! 

だが、下ろせたは良いが、どうやて脱ぐんだ? こう言うときは、あの方法で

俺は左手で右手の袖を引っ張った。

で、袖を通して、服の内側に腕を移し

左肘で服を押し出すようにして無理矢理脱いだ。

で、次は下だな、ここもチャックがあるから

それを降ろせば、良し出来た。


「ふぅ、出来たっと」


かなり苦戦したが何とかドレスを脱ぐことが出来た。

俺はそのまま周囲に誰もいないことを確認して風呂の扉を開けた。

…風呂場を見た直後、俺の思考は一瞬完全に停止した。


「…超でけぇ」


もう、その一言しかない、かなり大きな銭湯のように巨大な風呂場だった。

それに風呂の種類も沢山あり、完全にスーパー銭湯を越えている。

こんな風呂場があればスーパーじゃなくてウルトラ銭湯だろう。

俺はとりあえず湯を掛けて、風呂に入った。


「ジェットがあるとは、あ、気持ちいい」


俺が入った風呂は、泡がめちゃくちゃ出てく風呂だった。

背中が強力な力で押されている、肩がほぐれる気がするぜ。

めちゃめちゃ気持ちいい、他にも大きな薬風呂もある。


「はぅぅ」


薬風呂に入った直後に感じる、この安心感、あぁ、体の力が抜け行く。

リラックスしすぎて、かなり気持ちが良い…うぅ、眠くなってきた。

駄目だ駄目だ、寝たら駄目だ…でも、少しくらい……


「メア! 起きなさい! メア!」


え!? ど、どうしてリサ姫が!? あ! そうだ! 俺、風呂場で眠って!

でも、ここは明らかに風呂場じゃない、ふかふかのベット、寝室だ!

それに服も着てる、ドレスじゃなく、肌触りの良いパジャマのようなものだ。

じゃあ、俺が寝ている間にここに運ばれて、服を着替えさせられた!?

も、もしかして! バレた!? バレた!?


「へ? あ! えっと、リサお姉様!?」


俺はかなり焦りながらもメア姫の真似をしてリサ姫の呼びかけに答えた。


「全く、お風呂で寝ちゃうなんて、やっぱり1人で入るのは速すぎたみたいね」

「え? どういう意味ですの?」

「あら、忘れちゃったの? あなたったら

 お風呂に一緒に入る度に寝てるもの

 お風呂で寝ちゃったら風邪引くよ、

 それにのぼせるし、最悪おぼれちゃうんだから!

 やっぱりしばらくの間は私も一緒に入った方が良いわね!」


どうやらバレているわけでは無いみたいだ、はぁ、安心した。

それにしてもあれだな、メア姫が風呂場で毎日眠気に襲われていて良かった。

もしそうじゃなかったら、確実に疑われていただろうし。


「そ、そうですわね」

「うん! 素直でよろしい! それじゃあ、今日はお休みなさいね」

「え? どういうことですの? まだ寝るような時間では」

「3時間も寝ていたのよ? もう時間も遅いし、このまま寝た方が良いわよ」


え? あれ? もう寝るの? 俺はご飯を食ってないんだけど。

そんな事を思っていると、俺の腹が鳴った。


「あ」

「もう、5時間前にご飯を食べたのに、またお腹が減ったの?」

「ご、5時間前?」

「そうよ、あなたが出て行く直前に食べたじゃないの、全く食いしん坊ね

 でも駄目よ、ご飯はあげないわ、もう深夜ですもの、太るわよ?」

「そ、そうですわね…あれ? 深夜ですの? 

 では、何故お姉様は私を起こして?」

「心配だったのよ、ずっと起きなかったから、だからこんな時間に起きて

 目を覚ますか確認したの、ごめんね」

「あ、そ、そうなのですか、全くこのまま寝かせてくだされば

 空腹に悩まされなかったというのに」

「ごめんね? 心配だったから、でも、起きたから安心したわ、それじゃ」


そう言いながら、リサ姫は凄く自然に俺の布団に入ってこようとした!


「ちょ、ちょっと! お姉様! 何故私のお布団の中に!?」

「メアがもう一度しっかりと眠れる様に一緒に寝てあげるわ」

「良いですわ! 私は子供じゃありませんの! 1人で眠れますわ!」

「そ、そう? 心配だけどそう言うなら…うぅ、起こさなければ良かったわ」

「どういう意味ですの?」

「何でも無いわ!」


そう言って、リサ姫は部屋から出ていった…もしかしてあの人って

メア姫が寝ている間に、添い寝してたりして…いや、まさかな。

だが、あれだなこれは好都合かも知れない、寝ていたお陰で目も覚めてるし

しばらくの間起きて警戒しておくとするかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ