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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2部、第8章、大都市での諜報活動
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歴戦の騎士

階段を何段も何段も上り、ようやく最上階層に到着した。

周囲は慌ただしい雰囲気の中で厳重警戒をしてある。

これは分かってたことだが、敵の位置が死角が多い。

でもまぁ、そこは問題が無いんだよな。


「リオちゃん、ヤバいよ、マルちゃんの魔法で見た感じ」

「あぁ、分かってる、まぁ、見てろ」


俺はサイレンサーが付いた狙撃銃を構えて、引き金を引いた。

俺が放った弾丸は壁に2回ほど跳弾し、死角の敵兵を撃ち抜く。


「おぉ!」

「ま、余裕だ」


そのまま最上階に侵入、死角にいる敵は跳弾で仕留めつつ進んでいった。

この跳弾技術は何だかんだで何度も俺を助けてくれている。

やっぱり跳弾の練習をしていて正解だったな。


「よし」

「順調だね」

「あぁ、で、次は」


そのまま周囲の見張りを撃破していき、ゆっくりと

敵の総司令が居るであろう場所まで移動した。

しかし、やっぱりケビンは下の方で迎撃に当たっている感じだな。

まぁ、その方が俺としてはやりやすい、容易に潜入できるんだから。


「しかし、問題はこの奥だな…」


総司令が居ると思われる場所の中には3人のポイント見えている。

1人は総司令だとして、他2人は何だ?

総司令室の中にいると言うことは、相当な手練れなんだろうな。

それもたった3人、こう言うのが1番怖いよな。

ひとまず対物で中身を1人撃ち抜いて…いや、駄目だな。

対物ライフルでは人を撃てない、残酷な絵になるのは間違いないからな。

それにだ、中身を撃ち抜いて、それが総司令だった場合はどうする?

基本的にこう言う場面では、総司令を拘束して敗北したと言う事を

敵全てに掲示しないといけない、首でも良いのかも知れないが。

何か、それはキツい…と言うか、下手すりゃ上半身吹っ飛びそうだし。

だから、ここは対物での先制攻撃は無いな、だったら。

ひとまず壁際に居るスポットの方に動いてっと。


「フレイ…ここの壁、蹴破れ」

「任せて、おりゃぁあ!」


フレイの強力な一撃で、総司令の壁を粉砕した。

この攻撃で1人は撃破することが出来ただろう。


「…こりゃあ、大分派手な登場したな」

「ひ、ひぃ!」

「そのビビってる奴が総司令だな」

「まぁ、そう慌てるな、カワイ子ちゃん、このヘタレをやるのは

 この俺、クラインドを倒してからにしなよ」

「…クラインドだと? お前がか?」

「あぁ、そうだ、しかしまぁ、ケビンの読みが当たって良かったぜ

 本当は嫌だったんだが

 こうして可愛い子供を4人も捕まえることが出来たんだ、感謝しねーと」

「お前は馬鹿か? 壁を蹴破る程の実力を持ってる奴が居るのに

 お前、もうすでに俺達を捕まえた気取りなのか?」

「そうだ、お前ら4人まとめて捕まえて、俺のコレクションにしてやるよ

 考えただけで気分が良いぜ、4人も可愛い女の子達を捕まえられるんだ

 しかも4人とも超可愛い、あぁ、最高だ、どうしてやろうか考えるだけで心が躍る」


そう言って、クラインドは舌なめずりをした…何かキモいな。

目線も何か品定めをするような感じで気色悪い。


「リオちゃん、何だかこの人怖い…」

「お、良いね、その怯えた表情、はは、マジで可愛い」

「キモいんだよ! 何だテメェ! こちとらガキだぞ?」

「ガキだから良いんじゃないか、まだまだ染まってない純粋な子供

 そいつを自分色に染め上げるのは気分が良いもんだぜ?

 で、お前みたいな男口調の小さい子もまた良いよなぁ

 ゆっくりとせめ上げて、調教して、屈服させて

 反抗的な態度が取れないようにするのも良いよなぁ

 お前みたいなガキは貴重だから、最高にそそるぜ」

「マジで気色悪いな、何だ? リ・アース国は変態大国なのか?」

「そうかも知れねぇな、ま、俺がそうしたんだしよ」


……クソ、面倒な奴が出て来た感じがするな。

何か、このままだと貞操の危機を感じるぞ。


「ま、頂くとするかな!」

「やらせないよ!」


フランが特に何も考えないで俺達の前に出て来た。

だが、こいつは腐っても歴戦の騎士だろう、フレイの格闘技術だと

かなり分が悪い気がする!


「よせ! フレイ!」

「もう遅いぜ!」


フレイの攻撃をグラインドはさも当たり前の様に回避した。


「え?」

「おら!」

「うぐ!」


攻撃を回避した直後にあいつはすぐにフレイに反撃の蹴りを入れた。


「この!」


俺もすぐに銃器を構えたは良いが、距離が近すぎる!

引き金を引く方が早いか? それとも、向こうの攻撃が先か!?


「そら!」

「な!」


クソ! やっぱりこの距離だと不味い! 俺の狙撃魔法じゃヤバいぞ!


「は!」

「させない!」


俺に攻撃が飛んでくる直前、側面から石が飛んできて

グラインドを狙った、しかし、あいつはすぐにそれに反応。

2歩ほど下がり、トラへ向けて足下にあるゴミ箱を蹴った。


「あぅ!」


蹴った力はかなり物もだったのだろう、トラは回避することが出来ず

ゴミ箱が頭部を直撃、頭から血を流して気絶した。


「トラちゃん! う、うわぁあ!」


ヤバいぞ! 追い込まれたせいでウィングが無茶を!


「止めろウィング!」

「やぁ!」

「は、動きがモロに素人だぜ?」


縦に振り下ろされた剣は、あっさりと回避されてしまった。


「あぐ!」


そのまますぐに腹部を強く蹴られ、ウィングが壁に叩き付けられた。


「ウィング! クソ!」

「はは、これで後はテメェ1人だな、そのなりはあれだろ?

 ミストラル王国の見えない死神リオ…まぁ、フレイだとか

 叫んでたし、確定だよな、こりゃ、マジで上物だぜ

 二重の意味でな、これで俺は功績を貰えて、お前ら4人も手に入る」

「…ち、マジで歴戦の騎士だって分かったよ」

「はは! ま、姿さえ見えてなけりゃ、俺はお前には勝てないかも知れねぇが

 この距離じゃ、お前に勝機って奴は無いよな!」


まさにその通りだ、この状況…最悪である事は間違いない。

逃げればフレイ達がこいつの毒牙に掛かることになるだろう。

かといって、戦うとしてもこの距離じゃ、まともにやり合えない。

まさかグラインドがこっちに居るとは…そして、ここまで強いとは予想外だ。


「さぁ、どうする? 後ろのガキが立つまで粘るか?

 それともこいつらを置いて逃げていくかい?」


フレイ…トラ…ウィング…逃げるわけには…行かない!


「お? 戦う気になったか? 勝ち目が無いのに?」

「俺に…逃げるという選択肢は無い!」


すぐに狙撃銃を召喚、しかし、同時に奴は一気に間合いを詰めてくる。


「そら!」

「なぐ!」


よ、横腹を蹴られて壁に激突か…超痛いな。

せめて俺の距離に持っていくことが出来れば…


「はぁ、はぁ」

「ほう、一撃で意識を失わねぇのか? 他のガキ共より頑丈だな」

「性格上…怪我はしょっちゅう何でね」

「またそれか? 無駄なんだよ!」


奴はすぐに俺近寄って蹴りでウィンチェスターを弾こうとしてきた。

だが、それは予想通り! 何度も同じヘマはしない!


「あだ!」


俺はその蹴りでウィンチェスターを弾かれないように回避した後

銃口の方を持ち、グラインドの足をすれ違い様に強く殴った。

弁慶の泣き所だ、あまり力が強くなくてもこれは痛いだろ!


「そのまま!」

「は!」


俺があいつに照準を合わせて引き金を引こうとすると

あいつは自分の足下に倒れていたフレイの頭を掴み、俺の前に出してきた。


「くぅ!」

「こいつは撃てねぇだろ!?」

「フレイ!」


更にフレイをこちらに投げてきた、勢い的に放置してたら窓を突き破るぞ!

クソ、受け止めるしか選択肢は無い! だが、そうなると!


「く!」

「貰った!」


俺はフレイをキャッチして、すぐにこいつを庇うように動いた。

そのせいで強烈な蹴りが再び横腹に入る!


「あぐぁ!」

「は! お前の判断力にはちと驚かされたぜ

 マジで子供か? 単調な動きしか出来ない子供とは思えなかったな

 たいてい、ガキは自分の能力に絶対の自信を持ってる物だ。

 だから、普段使ってる方法以外は、あまり試さないもんだ。

 だって言うのに、お前はさっき、普段とは違う使い方をしたな?」

「んだ? この道具の使い方、知ってんのか?」

「俺を誰だと思ってる? 並の兵士じゃねぇんだ

 ミロルのガキが使ってるのをよく見てるさ

 あのガキも良い娘なんだが、何しろ国王のお気に入りだ

 俺が手出しできる相手じゃ無くてね、まぁ、今はお前の方が気に入った

 生半可じゃ無い精神力と判断力、そしてそのタフさと力強さ、最高だな」

「俺は最悪だ、お前みたいな変態野郎に気に入られるんだからな

 全く、なんで俺は変な奴ばかりに好かれるかねぇ

 まぁ、お前ほど気に入られて嫌だとは感じねぇが!

 テメェは生きてるだけで気に入らねぇ! 意識のねぇフレイを利用しやがって!」

「じゃあ、何だ? 殺してみるか? 殺せるのか? お前に」

「やってやるさ、そのキモい顔面! ぶち抜いてやる!」


絶対に負けられない! こいつにだけは負ける訳にはいかない!

例えボロボロになろうとも! こいつは絶対に殺す!


「出来るもんならやってみろよ!」


今度は足下に倒れていたトラを投げてきやがった!

あいつ! ふざけやがって! ふざけやがって!


「トラ!」

「言ったろ!? お前の弱点は仲間だって!」

「じゃあ、これはどうだ!?」


あいつが俺に攻撃を仕掛けようとしたタイミングに

あいつの足下から血しぶきが飛び出してきた。


「何!?」


俺はトラをキャッチしたと同時くらいに、ウィンチェスターを召喚。

わざと体勢を低くして、トラを影にして、あいつの足を撃ち抜いた。

この攻撃で俺に必ず隙が出来ると勘違いして、警戒もしないで向ってきた

こいつには予想も出来ないし、対策も取れねぇ。

完全なる奇襲、油断しやがったな! クソ野郎!


「まさか!」

「油断したな! このゲス野郎が!」

「く!」

「死ね!」

「へ」


俺が引き金を引こうとした直後だった、あいつは左手に

小さな針を持って、トラに向って攻撃を仕掛けた!


「トラ!」


俺はすぐに引き金を引くのを止め、トラを庇うために

その針がトラに当たる前に、手の甲でそれを受け止めた。


「く!」

「言ったろ! お前の弱点は! 仲間だ!」

「がふ!」


あ、く…ち、小さな針だから…まだ、大丈夫だが…これは、キツい。

まさか刺されるとは…でも、トラが無事で良かった。


「はぁ、はぁ」

「結構キツいだろ? 別に薬は塗ってねぇが、腹を刺されたんだからよ」

「こ、この…クソ野郎…が」

「マジでお前は恐ろしいぜ、乱暴そうに見えて

 正確に的確に相手の虚を突く繊細な攻撃を繰り出しやがる。

 まさか、お前とサシで2回もしてやられるとは思わなかったぜ。

 でもよ、お前の仲間という弱点がある限り、テメェには勝機は無い。

 2回ともその弱点のせいで失敗した、そうだろ? さっきだって

 仲間を見捨てて俺を撃ってりゃあ、勝てただろ?

 その代わり、そのガキは死ぬがな、くはは!」

「……クソ」

「でもよ、そのガキを1人見捨てりゃあ、他のガキは救えた。

 そのガキは死ぬが、他のガキは救われ、お前も助かった

 だが、そのガキを選んだせいで、お前は何も守れないんだ

 俺に負けて、他のガキ共も失って、自分の失う

 仲間を大事にするのは結構なことだが、少しは状況を見なよ」

「…ごもっとも、確かにお前の言うとおり、こいつを見捨てりゃ

 他の奴は救うことが出来た! だが! そんな選択じゃ!

 結局誰も救えねぇだろうが! あいつらの命は助ける事が出来ても!

 あいつらの心は救えない! そこを救わなきゃ意味が無いだろうが!

 だから、俺があいつらの為に取れる最善の手は!

 誰1人死なせず! お前を殺す事なんだよ!」

「くく、くくく、くははは! 最高の作戦じゃねぇかよ!

 だがよ! 理想だけじゃ! 不可能を可能には出来ないんだぜ!」

「俺は理想だけを語ったりはしない、可能だから言ったんだ!」

「じゃあ、やってみろよ!」

「言われるまでもねぇ!」


やってやる! 絶対に倒す! 絶対に殺す! あいつらの為にもしくじれない!

今! この状況で戦えるのは俺だけだ!

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