表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2部、第8章、大都市での諜報活動
130/294

奴隷商

奴隷商が行なわれている地下深くまで俺達は足を進めた。

その場所は薄暗く、蝋燭の光りが僅かに周囲を照らしている。

商品にだけは、妙に光が当てられていてよく目立つ。

だが、その光に負け、蝋燭の光りは弱く

周りに居る人物達の顔はあまりハッキリとは見えない。

やっぱりお互いの顔が割れるのは不味いからだろう。

ここら辺に居るのは、多分結構な有権者ばかりだろう。

何人かは顔を覆って隠しているし、見られたら不味い立場なんだろうな。


「ふーん」


アルルが商品に並べられている奴隷の服を手に取った。

しかしだな、最初に手に取ったのが透けてるメイド服とか馬鹿なの?

と言うか、よくよく見てみると、この奴隷の服、ろくなのが無いぞ!


「……」


フランが手に取ったのは股間の辺りが切れてるスク水のような服だった。

…明らかにヤバい奴だ、この奴隷服、ろくな物が無いぞ!

何かきわどいどころかこれ、着たら絶対見えるだろうと言いたくなるような

超ヤバいバニーガールの服も置いてあるし、何かうにょうにょ動いてる

気色の悪い服もある、これ、ヤバいだろ、危険物資しか置いてないぞ。


「奴隷の服をお求めですか?」

「あぁ、そうよ」

「奴隷はこちらのボロボロの服を着た娘ですか?」

「そうよ」

「ほう、これほどの娘をご購入となると、相当な金が発生したでしょう」

「そこそこ高かったわね、調教も満足にされてない小娘だというのに

 まぁ、だから買ったんだけどね、私の力で屈服させるために」

「……」

「ほう、では、こちらはいかがですか?」


奴隷商のおっさんがアルルに勧めてきたのは服では無く、注射器だった。


「注射をどう着せろと?」

「これは薬ですよ、1本だけで狂うほどのね」

「狂ったら意味が無いでしょ? 屈服させたいのだから」

「安心ください、1本一気に使わねば狂いはしませんよ

 本当に少しだけ注射するだけで良いのです

 そうすれば、屈服させる作業も大分楽になりますよ?」


ど、どんな薬が入ってるんだよ! どう考えてもヤバい奴だろあれ!

買わないよな? 流石にアルルも買わないよな!? 買わないでくれ!

どうなるか知りはしないが、ろくな事にならないのは分る!

死ぬだろ!? あれ刺されたら、俺死ぬだろ!?


「…残念だけど、私はじっくりと屈服させたくてね

 そういう道具は良いから、服よ、服、可愛い服を頂戴

 この子が満足するくらいに可愛い服を」


アルルはフランの頭を軽く撫でながらそう呟く。

奴隷商のおっさんは少しだけ不機嫌な表情をした後に

色々な服を俺達の前に出してくれた。

しかし、まぁ…アルルが躱してくれて良かった。

あんなの買われたりしたら俺がヤバいって。


「衣服は取りそろってますよ? 可愛い物も、それ以外も」


しかし、出された服はかなりあざとい服ばかりだな。

女の子の可愛さを前面に出した感じの服が多い。

その中に殆ど服が残ってないダメージジーンズ見たいな服もあるし

ボロボロすぎて最悪見えるぞ? と言う感じのピンクの服もある。

他には犬の耳と尻尾、尻尾の反対、根元の方には細い棒がついてる。

これ、どうやって付けるんだ? 付けようが無いじゃないか。


「これが良い」


フランが手に取ったのはピンクで

胸元にデカいハートのマークがある服だったが

そのハートのマーク、よく見たら後から軽く付けられてるみたいだった。


「ほう、これですか、因みにこの服、こうすると」


おっさんがハートの部分を軽く押さえると、ハートがペリペリと剥がれ

布があった場所が露見した、その服を着ていれば

ハートが剥がれた場所から胸が見えるだろう、どんな服だよ。


「面白いギミックね、いくら?」

「6300です」

「はい」


ただの服にしては妙に高いような気がする、ゲームのソフトが買えるぞ?

あんな貧相な作りで、手抜き感半端ないのにこの値段はな。

だが、アルルは一切悩まずにその服を買った。

ここで悩めば怪しまれるのは明白だからな。

金持ち様がその程度の値段で悩むかっての、端金だうし。


「どうも、着せて帰ります?」

「家で着せるわ」

「分りました」


その後、アルルとフランは適当に服を買って、購入総額は30万オーバー

入場料も相当高かったが、これもかなりの値段だな。


「ほら」

「うぅ」


で、俺に持たせるのか、まぁ、中身服ばかりだし、別に持てるけど。


「ついでに奴隷も見てみましょうかね」

「うん、新しいお人形さん欲しい、1人じゃ遊ぶとき困る」

「そうね、ま、2人居る方が面白いか」


アルルとフランは結構ノリノリで演技を続けている、楽しんでないか?

俺は全然楽しくないんだけどな、靴を舐めさせ様としてくるし

荷物も持たされるし、何か貶されるような事も多いし。

でもまぁ、奴隷を確保したいのはあるからな。

奴隷から何か情報を聞き出せる可能性もあるからな。


「これより、オークションを開始致します」


俺達がオークション会場に到着して少しして、そんなナレーションが聞えてきた。


「今回の商品は6歳の女の子です」


そんなナレーションの後に首輪に繋がれた犬の様にリードを引っ張られ

1人の小さな女の子が生気の無い瞳で壇上に連れてこられた。

彼女は真っ白の髪の短髪で黄色の瞳

服装は俺が奴隷の振りをするために着ている服よりもズタズタで

酷く色あせている。

そして、何カ所かは血が滲んでいて、痛々しい。

と言うか、あの子もかなり酷い怪我だ、顔の何カ所も痣があり

ボロボロの服の切れ目から見えてる肌は薄く赤に染まっていた。

まるで鞭で強く叩かれたかのように細く、薄く染まっている。

足もかなり酷い怪我で、あんな足じゃ、走るのも難しいだろう。


「この娘は既に調教していますので主の命には忠実です! 

 それと、ご安心ください、この娘は処女です

 我々は一切手出しをしていません、もしも偽りだった場合は

 賠償金を耳を揃えて払いましょう! では、この娘、300万からどうぞ」


320万、380万、400万と

色んな人が手を上げて彼女を購入しようとしている。

金で人を売り買いすることに何の躊躇いも無い凶人共か。

大量の金があると、人は狂った道に進みやすくなるのかね。


「500万!」

「…1000万!」


アルル! あいつ、なんで1000万も!?

しかも、この1000万で周りが激しく響めいたぞ!


「リオさん…」

「……」


アルルが許可を求めるようにこちらをチラリと見た。

何で言い出した後に許可を求めてるんだか。

あれか? 可哀想な奴隷を見て我慢できずに言っちまった感じか?


「……」


まぁ、良いだろう、奴隷を手に入れたいのは違いないんだから

俺はアルルの視線に答える為に、小さく頷いた。


「い、1100万!」

「1500万!」


アルルは躊躇いなく奴隷の値段をつり上げていった。

金には結構余裕があるからこそ強気に挑めるんだろう。

そして、俺達は奴隷に詳しいわけじゃ無い。

奴隷ばかり買ってる奴なら気が引けるような値段でも

俺達はその奴隷にそれ以上の価値を付けることが出来る。

そもそも、人間に価値を決めるのは好きじゃ無いからな。


「い、1550万」

「1700万!」

「1750万」

「2000万!」


会場は静まることの無い程の激しい響めきを見せている。

で、最後の1人、最後まで張り合ってた男は

最後のアルルが言った値段2000万に負けて値上げを止めた。


「に、2000万! 他にいませんか!?」


会場は静まりかえり、手を上げる物は1人もいなかった。

そのまま、あの奴隷は俺達が買うことになる。


「では、2000万を」

「はい」


アルルが当たり前の様にアタッシュケースから2000万を差し出した。

いやぁ、買ってて良かったな、アタッシュケース。


「…確かに」


アルルの金を受け取った人物は金を確認した後に少し動揺して奴隷を渡した。


「しかし、こんな役にも立たない小娘に2000万とは、あなたも酔狂ですね」

「こう言う小娘が1番調教しやすく、屈服させ甲斐があるのよ

 それに、こう言う娘は1度屈服すると、もう反乱を起さず

 黙々と働いてくれるわ」

「さようですか」

「それじゃあ、行くわよ、リン、その奴隷を連れてきなさい」


リンって誰だ? とか思ったが、まぁ、俺の方を見ていると言うことは

俺の事を言ってるんだろう、まぁ、この場でリオは不味いか。

それなりに名前は知られてるからな、名前だけは、だけどな。

顔は殆ど見た奴は居ない、見た奴もほんの一部だけだし、潜入はしやすい。

でもまぁ、名前が出たらちょっと不味いけど。


「…こっち」

「……」


俺はアルルの行動に合わせることにして、彼女の手を引いた。

彼女の手はボロボロ、肌が乾燥してるんだろうな。


「…?」


で、俺の手は別にボロボロじゃ無い、一応奴隷という設定ではあるが

俺自身は別に今は何不自由ないからな、ちょっと命を賭けてるだけだ。

そのまま俺達は奴隷商が行なわれている場所から離れた。


「…背後に気配は無し、つけられているという事は無いようですね」

「じゃ、家まで行くか」


俺達は背後を少々警戒しながらも自分達の家に移動した。

そして、家に着いた後、変装を解いた。

その道中は出来る限り人目につかないように移動して居たため

あまり目立ってはいない、道中で変装を解くことが出来れば良かったんだが

極力バレる可能性を下げるために私服は家に置いてきたからな。

何せ、あの場所でその服が入った鞄の中を見られたりしたら

俺達の事がバレてしまうかも知れないからな。


「ふぅ、何とか終わりましたね」

「だな…さて、アルル」

「…あ、あのですね、あれは、バレないようにする為に…」

「靴を舐めさせようとすることは無かったんじゃないか?」

「いやぁ、ほら、その方が頑張って屈服させようとしてるかんが」

「……はぁ、まぁ良い、結果としてバレずに奴隷を1人買えたんだからな」

「でしょ?」

「あ…の…」


奴隷の子が俺達に何かを話したそうにしている。


「何を…すればよいでしょうか…ご主人…様…何でも言ってください」


彼女はまるで生気の無い目をしたまま話しかけてきた。


「お料理も…お掃除も…夜のご奉仕も…ですので…痛いの…だけは…」

「まぁ、あなたは休んでてください、何か一言だけ聞こえてははいけない言葉が

 聞えた気がしますが、そこはスルーで」

「え?」

「…まぁ、腹が減ってるだろ? 饅頭があるぞ

 小腹が空いたら食おうと思った奴だ、とりあえずこれでも食ってろ」


俺は彼女に自分がおやつ用にと買っていた饅頭を渡した。

彼女はかなり戸惑いながらも俺の饅頭を受け取った。


「後、お茶だ、苦いけど饅頭と良く合うぞ? 

 あ、口に合わないかも知れないからあまり飲むなよ? 

 さっきも言ったが苦いからな? 後、少し温いから気を付けてくれ」


で、この家にあった急須の中にある緑茶を彼女に差し出した。

まぁ、そこそこ冷めてるだろうが、ま、子供には丁度良いかもな。


「本当、リオさんは子供なのにかなり渋いですよね、おやつが

 まさかのお饅頭と苦い緑茶、おばあちゃん見たいですよね」

「甘い饅頭と苦いお茶が良いんじゃないか、苦いお茶を飲んだ後に

 甘い饅頭食ったら、スゲー甘くて好きなんだよ

 後、毎日食ってるわけじゃないぞ? 今日は饅頭に気分だったんだ

 普段はりんごとか梨とか食べてるしよ」

「あ、あの…」


彼女が俺に声を掛けてきた。


「い、いん…ですか? 奴隷の…僕に…」

「良いから食えよ、美味いぞ?」

「……ありがとうございます! ありがとう…ございます!」


彼女は涙を流し、俺に何度もお辞儀とお礼をした後に

大量の涙を流して俺が渡した饅頭とお茶に食い付いた。


「苦い、でも、この後に食べるお饅頭…とっても…美味しいでふ!」

「馬鹿、食いながら喋るな、聞こえにくいし食いカスも飛んで

 勿体ないだろ? カスでも大事な食い物なんだからよ」

「ごめんなさい…でも、僕、嬉しくて…」


彼女は美味しそうに俺が渡した饅頭を食べてくれた。

いやぁ、何か良い事した気分になるな。

しかし、自分の事を僕というのか、セレスさんに似てるな。

まぁ、容姿は全然違うけど。

ま、落ち着いたらこの子が知ってることを聞いてみようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ