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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2章、追い込まれた国に休む余裕は無い
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魔道兵器

何だと!? この世界にロボット!? 銃火器は無いのにそんな兵器はあるって言うのか!?

それにしても、なんてデザインだ、なんで耳が生えてる? よくよく見ると

あのロボットは、尻尾のような物も生えている、それに、顔も犬顔だ。


「な、何だ? あの妙に可愛らしいデザインの機械は」

「可愛らしいのは見た目だけですよ、あの魔道兵器は」

「魔道兵器? なんだ? それは」

「魔法で作られた兵器です、恐らく、相手側に魔道兵を作り出す魔法を扱える人物がいます!」


そうか、考えてみれば相手側にも魔法を扱える敵はいるんだよな。

で、あの無駄に可愛らしいデザインの兵器は、その産物?

とりあえず、俺は狙撃銃をバレットM95に変化させた。

もしも、何か変な動きがあれば、いつでも攻撃出来るように対物にして

ん? な、何だ? あの機械兵、口を開けて。


「がぐがあぁああ!」

「な、何!?」


あの犬の機械が口を開けたと思うと、今度はとんでもない光が放たれた。

その光は、周囲の地面を抉り取りながら味方軍を吹き飛ばしている!


「な、何だ!? あれはよ!」

「あの魔道兵器の攻撃手段の1つです、詳しくは不明なのですが、恐らくあの機械に入っている

 魔力を集中させての放出攻撃・・・・」

「なんで、お前はそんなに詳しいんだ?」

「私達ミストラル王国を決定的に追い込んだ兵器ですから」


ミストラル王国を追い込んだ兵器? つまりこの国はあの魔道兵器とやらにやられたのか?


「どんな兵器なんだ!? 詳しく言え! 弱点は? 殲滅力は? 硬度は!?」

「弱点は不明、殲滅力は先ほどご覧になったとおりです、硬度は刃物が一切通りません」

「最悪じゃ無いか! 前はどうやって勝ったんだ!?」

「ミストラル王国最高戦力が動きました、その時は20はいましたよ」


クリークともう1人か・・・・もう1人の事はよく分からないが

僅か20で国を追い込むほどの兵器で有効手段は不明か。


「どうやったら倒せる?」

「強力な一撃をたたき込めれば、基準とすれば、超が付くほどの身体強化魔法の使い手なら

 撃破することは可能です、後はクリークさんなどの規格外ですね」


超が付くほどの身体強化魔法の使い手なら勝てると、ならフレイなら倒せるのか。

だが、あそこにいるのはトラだ、トラが扱える魔法では、撃破は難しい気がする。

いや、連携次第なら勝てるだろうが、あいつに合わせられそうな奴はそういない。


「どうするのですの!? あんなのが出て来ては、勝てませんわ!」

「あ、諦めないで、勝つ方法を考えるんだよ、死ぬわけにはいかない!」

「ですが、あの一撃で前線部隊の半数は撃破されましたわ!」

「こ、後方部隊の援護があれば」


しかし後方部隊は撤退を始めている! あいつ! 生き残りを見捨てる気か!?

どうなんだ? もしかしたら、何か手を考えてたりするのか?

俺は少しだけ後方部隊にスコープを合わせた。


「見捨てろ! 前衛部隊は放棄だ!」

「しかし! 見捨てれば前衛部隊は全滅!」

「黙れ!」


あの男は、撤退の指示に反論してきた兵士を斬った。

あいつ、あいつ! あいつ!


「撤退しろ! 以上だ! 下がれ!」

「で、ですが!」

「貴様も死にたいか!?」

「く、くぅ!」


男の脅しで、反論をしようとしていた兵士達は全員黙った。

あんな様を目の前で見せられては、黙り込むしか無いよな。

クソ! あの男がどうしてこの国の指揮官なんだよ!

確実に、確実にクズだ! せめて、撤退の支援くらい指示すれば良いのに!

だぁ! もう! こいつらの動向を見ている場合じゃ無い!

急いであの機械兵の方を狙わないと!


「ぎぎ!」

「この!」


機械兵の方に照準を合わせて見ると、丁度トラとシルバーが交戦していた。

しかし、攻撃が当たっても、あの機械兵にはダメージは無い。

それに、力も強いようで、2人の攻撃はあの機械兵に全く有効打を与えられていない。


「ぎがぁ!」


あ、ヤバい! シルバーが!


「シルバー!」


しかし、危うくシルバーに攻撃が当たりそうになった時、トラが周辺に落ちていた

敵、味方の武器を浮遊させ、機械の腕に攻撃を当てた。

その攻撃の威力はかなりあったようで、あの機械兵の腕ははじき返された。

だが、その腕の装甲に大した傷はない。


「た、助かりましたわ、ありがとうございます、しかし、全くダメージを与えられていませんわね」

「こ、後方の支援も期待できないし・・・・私達で何とかするしか無い、でも、勝つのは難しい

 こうなったら、シルバー、味方軍の撤退まで時間を稼ぐしか無いよ」

「ですが、味方軍の大半は先ほどの攻撃で重傷、時間が掛りますわ

 それに、敵軍もまだ沢山いますわよ! 魔道兵だけでなく兵士も!」

「・・・・手段はある、もう一度あの機械兵があの攻撃をしてくれば」


トラがそう言って、少しして、あの機械兵はもう一度大きく口を開けた。

あいつの作戦がなんなのかは分からないが、ここは、信じて攻撃はしない方が良いか。


「チャンス! さぁ行くよ!」


あいつはその様子を見てすぐに走り出した、なんで自分から回避を困難にしてるんだ!?

あの隙に何をしようって言うんだ!? いや、信じろ! あいつを信じるんだ

あいつは考え無しに突っ込むような奴じゃ無い筈だ!


「トラさん!? な、何を!」

「ぎぎが!」

「私の魔法を、侮るなぁ!」


トラが大声で叫ぶと、あの機械兵が1回転を始めた。

そして、口の方は敵軍が下がっている所を狙った!

それと同時に敵兵達は全員一斉に顔を背けた。


「掛った!」


その様子を見て、トラはにっこりと笑った。

そしてすぐに何をしたのか理解できた、あの魔道兵器の口が閉まっている。


「まさか! あいつ!」


機械兵の口が、激しい轟音と共に爆発したのだ。

どうやら、あの機械兵の口を閉じてもあの攻撃は止まっていなかったらしい。

エネルギーを放出しようとした直後に出口が止まり体内に戻ったんだろう。

そのエネルギーが体内に戻った勢いで爆発か、あんな短期間でこんな事を思いつくとは頭が良い。


「そのまま! こうだ!」


更にはバラバラになった機械兵の部品を操り、後方で目を瞑っていた兵士達にぶつけた。

勢いは十分だったようで、その攻撃を受けた敵兵士達は一撃で意識が飛んだ様だ。


「そ、そんな手段を!?」

「フレイと喧嘩したときに私が重たい物を浮かせていたのを思い出して

 思いついたんだよ、上手く行った、やっぱり私の魔法ならあの兵器も動かせるらしいね」


全くあいつの奇策には驚いたぜ、マジに子供か? 発想がとんでもないぞ? 

それにまだ精度も低く、確証も無いのにやったのか。

かなり無謀と言えるが、結果オーライかな。


「流石はトラさん、子供とは思えませ・・・・あ、れは・・・・」

「どうし、あ、うそ・・・・でしょ」


・・・・さっき撃破したはずの敵の兵器が、後方から3体同時に来ているのに気が付いた。

さっきの奇策は1体以上は厳しいだろう・・・・なんせ接近しないといけないから。

1体以上だと、接近したときに他の機械兵の攻撃を受けやられるだろう。

ここは、俺の出番と言う事だな。


「ぎがが」


機械兵達はトラ達に狙いを定めたようだった。

だが、同時にチャージは行なわず、真ん中の一体だけが口を大きく開けた。

距離からして、今からトラが接近しても間に合うわけが無い。

そして、普通なら今から狙撃を行なっても間に合わないだろう、距離的に、だが。


「リオさん! 間に合いません!」

「間に合うさ! 十分!」


俺は対物のモードのままで、機械兵の口に照準を合わせ引き金を引いた。


「ぎ!」


俺の弾丸を口の中の射出口に受けた機械兵は、一気に爆発した。

どうやら射出口の中は脆いらしい、ついでに爆発で周りも巻き込めるかと思ったが

多少は距離を取っていたのと、魔法の機械だからなのか爆発がショボく、巻き込めなかった。


「次!」


俺は素早く次のターゲットに狙いを定めることにした。

しっかし、バレットM95の弾丸はかなりでかいな、格好いいぜ!

やっぱり超火力と大きいは男のロマンってね! 体は女だが。


「ぎがぁ!」


OK、どうやら射出口を狙わないでも対物ライフルなら貫通できるらしい。

だが、あんな風に貫通するんだな、ポッカリと大穴が空いてるぞ。

こんなに破壊力があるのか? 弾丸よりも大きい穴って、ヤバいな。

やっぱり人間には使えないな、もし使ったら・・・・想像もしたくない。


「最後だ!」

「ぎがぐがぁ!」


3体目の機械兵も撃破っと・・・・しかし、あれだな、4発ほど対物で撃っただけなのに疲労が凄い。

どうやら火力が高ければ高いほど魔力の消費量は大きいのか。

いや、今はそんな分析は良いか、とりあえず2人の動向を確認するとしよう。


「どうなって!?」

「分からない、でも、きっとリオだ、リオの援護だと思う!」

「リオさんですの? しかし、何処にも姿が見えませんわ」

「そうだけど、あれだけの威力の魔法を使えるのは、多分リオくらいだから」

「信じられませんが、とにかく撤退のチャンスですわ

 おや? どうやら、私たちは撤退する必要は無いようですわね」


敵の攻撃部隊はあの機械兵3機を撃破されたことにより撤退を開始している。

流石に自軍の優秀な機械兵が倒されたんだし動揺もするよな。


「はぁ、ふぅ、よし、4時方向クリアだ、10時方向は?」

「え? ど、どういう意味ですか?」

「あーっと、トラたちの方は何とかなった、フレイ達の方角は?」

「あ、そう言う事ですか、えっとですね、フレイさん達がいる方向にも魔道兵が1体来ましたが

 単体のみだったのでフレイさん達は無事に撃破しました」

「誰がやった?」

「フレイさんです、流石は強力な身体強化魔法ですね、暴走さえしなければかなり強いです」


そうだよな、あいつは暴走さえしなければかなり強いんだよな。

単純に単体としての能力は相当だし。

すぐに突進して孤立するのが難点だが、そこさえ無ければかなり強力だろう。


「ふぅ、じゃあウィングの方は?」

「無事に負傷者を全員救助し、撤退していますね、クリークさんに付いていった部隊は

 死角になり、見えません・・・・恐らく全滅になるかと」


俺はその報告を聞きクリークの方を見てみた、かなりの最前線だ。

しかし、兵士達の姿は見えない、敵兵が吹き飛んでる様子くらいしか分からない。

恐らくクリークが暴れているんだろう、付いていった味方はどうなったかは分からないが。

だが、あんな最前線に突っ込んでるんだから全滅の可能性が非常に高いか。


「ふぅ・・・・どうやら、一部を除いて状況はこっち側に流れたようだな」

「はい、恐らく魔道兵器で一気に攻め落とすつもりだったのでしょうね」

「そうだろうな、ま、何とかなって良かった・・・・う、くぅ」

「リオさん? どうしたのですか?」

「いや、ちょっとめまいがしただけだ、問題は無い、このまま戦闘も続けて」

「じゃあ続けましょうか、でも、意識を失ったら私がリオさんを襲っちゃいますね」

「うぐ!」


強力な脅しだな、これは・・・・だが、こいつなりに心配してくれているんだろうな。

なんせ、こんなにハッキリ言う事なんて今まで無かったし。


「はぁ、分かったよ、心配してくれてありがとうな」

「はい、理解してくれて良かったです、リオさんは無茶をしすぎですので」

「そうだな、でも、偵察はするぞ、場合によっては攻撃もする、何かあったら困るし」

「はい、それは止めませんよ」


俺は自分の狙撃銃をウィンチェスターに戻しモードを対人に変化させ、偵察を再開した。

しかし、その後は戦況に変化はなく、俺がそれ以上引き金を引く必要は無かった。

フレイ達の方は本当に何も無く、無事に防衛、ウィング達は撤退も完全に完了させ

クリークが敵軍を殲滅、付いていったメンバーはやはり全滅していた、予想通りだな。

トラ達の方は敵軍が完全撤退して前線の部隊に被害は増えなかった。

しかし後衛部隊は戻ってくることは無かった、完全に見捨てた状況だな。


「偵察の必要は無かったな、もう決着か」

「はい、完全クリアです、味方の皆様も撤退していますし私達も戻りましょう」

「そうだな、全員の撤退を見守ったら戻るか」


その後、少しして味方部隊は無事に撤退が完了、俺達も高台から戻ることにした。

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