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1対1の銃撃戦

真剣勝負だ、1対1の真剣勝負、FPSをやってる間は

そんな事態になる事は非常に少ない、チーデスはチーム戦だし

フリーは1対1では無く、1体複数だからな。

だから、タイマンでの銃撃戦はそうそう起こりえない。

でも、INWはフレンドと1対1で戦うゲームがある。

あれは楽しみだった、どうやって勝とうか、どう動こうかとか

考えるのは本当に楽しかった。

フレンドは実力が互角だったし、手に汗握る感じで本当に楽しかった。


「リオ! あんたを始末させて貰う! リ・アース国の為に!」

「こっちは負けるつもりなんぞ毛頭無いんだ、馬鹿共のためにも

 そう簡単に死ねるか」


彼女が最初に召喚したのはベレッタM92だった。


「っと!」


やっぱり召喚からターゲットを合わせる速度がかなり速いな。

接近戦は正直そこまで得意じゃ無いから、この距離だと不利っぽいな。

そもそもこっちの銃はM21

今回みたいな距離だと非常に不利だ、取り回しがハンドガンと比べて悪い。

向こうは射撃速度も狙いもかなり物もだし、出来れば顔を出したくは無いな。


「出て来なさいよ!」


何発もの弾丸が木に当る音が聞える、どうやら全発撃ちきるつもりらしい。

で、恐らくあと少ししたら。


「ち、弾切れ」


弾が切れる、このタイミングに姿を現して一気に攻撃…なんてしないんだよな。

どう考えてもこの行動は演技臭い、あれだけの実力者なら

弾切れが致命的なのは分かっているはず、それなのにわざわざ全弾放った。

そんで彼女の能力は推測として俺と同じ召喚魔法。

で、さっきのベレッタの召喚速度なら、弾切れ後、速攻武器切り替えは容易なはず。

つまり、奴は俺が出てくるのを新しい銃を構えて待っている。

だから、俺が次に取る行動は1つだな。

俺はM21のマガジンから薬莢を1つ取りだし

隣の草むらにちょいっとなげた。


「そこ!」


彼女は薬莢が隣の草むらに落下した音を確認後、速攻で銃を放つ。

それと同時に俺は反対方向に飛びだした。


「ちぃ!」


彼女はすぐに俺の動きを察知、すぐに左手のベレッタを向けてきた。

だが、これも想定の範囲内だ、俺はもうすでにそこに狙いを定めている。


「予想通りだな」


周囲に響いたM21の銃声、その力強い銃声と同時に

彼女の左肩からは血が噴き出し、痛みでベレッタを離した。


「く…」


やはり弾丸を受けたのはかなり痛かったらしく

彼女は左肩を強く押さえ、苦痛の表情を浮かべている。

だが、その目から戦意は消えていなかった。


「はぁ、はぁ、あんた…馬鹿にしてる? 何で肩を撃った!?

 その角度なら私の左肩を撃ち抜く方が胴体を狙うより難しいはず!

 なのに、なんで肩なんか撃ってんのよ!」

「勝利というのは何も相手を殺すだけじゃ無いんだ

 無力化すれば勝利、その無力化にはいくつかの種類がある

 殺傷、気絶、降伏、何でも良い、戦う力を奪えば良いんだから」

「はん! 殺すのが1番楽で! 1番確実よ!」


今度はUZIか、まぁ、片手が使えない状況なら

召喚できる武器はSMGだけだろうしな。


「何でも召喚できるのは本当に羨ましいよ!」

「逃げんなぁ!」

「お前は目の前に血が付いた包丁を持った殺人鬼が来てるのに

 逃げずに大人しく殺されるのか? だとすりゃ、かなりの馬鹿だな!」


俺は木に隠れて移動しながら、M21をバレットM99を召喚した。

マガジン無しの単発式対物ライフル。

どうせ今回使うのは1発だけなんだからこいつで十分!


「行くぞ!」


俺は木の陰から飛び出したと同時に後方に飛び、目の前の木の前面を削いだ。

その時の反動で俺は少し飛ばされ、近場の岩陰に隠れて伏せる。


「な!」


俺の狙いは彼女の近くにある木の前面を削いで、彼女の方に倒すこと。

丁度良い位置にある木をぶち抜くために結構走ったんだ。


「くぅ!」


彼女は何とかその木を前に移動することで回避したが

その瞬間にどう頑張っても隙が出来るというものだ。

それに向こうは恐らくこちらを見失っている。

本来あり得ない移動方法だったからな。


「なんて無茶な! く! あいつ、何処に!」


予想通り俺を見失ってくれたようだな、素直に嬉しいよ。

毎度思うんだが、作戦が成功した時って気分良いよな。


「……何処!? 絶対にここら辺の何処かに…」


あいつが俺を探している間に装備を再びM21に変化させた。

スコープもちょっと弄っておくか、スコープはホロサイトだな。


「…何処に」

「よし」


俺が一気に攻撃を仕掛けようとした瞬間、鳥が飛び立った。


「そこ!」


飛び立った鳥は無事だが、残念ながら俺はちょっと不味いな。

最悪のタイミングで飛び立ちやがって!


「見付けたわ!」

「クソ! 運が悪い!」


さて、どうするかな…どう考えてもこのまま飛び出せば撃たれることだろう。

かといって、伏せて移動なんてしても物音でバレる。

だが、距離が距離だし、取り回しが効かない狙撃銃で相手をすぐに狙っても

向こうの方が速くこちらを撃ってきて蜂の巣…だったら。

狙撃銃以外の銃火器を使うのは結構久々だが、これで行くか。


「さぁ、出て来なさい! あの時私を殺さなかったことを後悔させてやる!」

「……」

「そら!」


…チラッと物陰から顔を見せただけで狙われるか。

だが、さっきので分かったぞ、どういう体勢なのかも距離も高さも。

これなら行けるはずだ、1発は食らうかもしれないが、やってやる。


「おら!」


俺は一か八かの勝負で岩陰から彼女の方を向いて飛びだした。

彼女はすぐにこちらに狙いを定めてきが想定の範囲内だ。

このままただ飛び出して逃げるだけじゃ、間違いなく撃たれるが

わざわざミロルの方を向いて飛び出したのは撃つためだ!


「死になさい!」

「狙える!」


あの敵兵からパクってきたベレッタを使い、俺は彼女のUZIを撃った。

何とかその弾丸を当てることができ、UZIは激しく照準がズレ俺から外れたが

足に1発弾丸を食らってしまった、ま、まぁ、急所じゃ無いだけマシか。


「まさか、あんな無茶を!」


そのまま木の陰から抜け出し、ぶっ倒した木の陰に体を隠した。


「…足撃たれたか…痛ぇな」


さっきはある種の興奮状態だったからあまり痛みを感じず走れたが

今度動くときは痛むだろうな…全く、ついてないな。


「……本当に無茶ばかりする奴、何か懐かしいわ」


向こうは俺が隠れている位置くらい分かってるようだな。

まぁ、血が出てる足で走ったんだ、移動場所くらい分かるか。

全く、まさか勝利を目前にして鳥に邪魔されるとはな。


「俺もだ、意外と懐かしい気分になるもんだな」

「同じ気分なのね、でも残念、あなたとはここでお別れよ

 この状況、あなたにはどうしようも無いでしょう?

 まぁ、恨むなら自分の不運を恨みなさい

 あそこで鳥なんかが飛び立たなきゃ、こんな事にはなってないのだから」


……まぁ、運も実力のうちと言うからな…

だが、そこで諦めるのはちょっと違うと思う。

やっぱり運も実力の内というのは、運を味方に付ける能力

そして、運を自分の力でねじ伏せるだけの力がある奴じゃないと実力じゃない。


「死になさい」


あの子の次の行動は見えないが恐らくRPGを使っての爆撃。

だから、このままここにいれば爆発に巻き込まれて死ぬ。

なら、どうすれば生き残れるか? 単純な答えだ、先制攻撃だ。


「不運の事故を受けて、その事故の後でも勝利を掴む

 それが出来なきゃ、戦場じゃ死ぬだけだ! 戦場で運に頼るなってね!」


俺は伏せた状態のまま狙撃銃をバレットM99に変化させ。

伏せた状態で仰向けになり、銃を構え

彼女がいると思われる方向から若干ずらした位置に狙いを定め

引き金を引いた。


「-!」


俺が放った弾丸は眼前の木をぶち抜き、その奥にいる彼女に飛んでいった。

弾道は彼女からそれなりに離れているが衝撃波でダメージは与えられる距離。

弾丸の方は1回木に当ったことで実物となっているから衝撃波は無事発生する。


「うぐぁ!」


彼女はその衝撃波で横腹と右足から血を流した、致命傷じゃない事を祈るか。


「…ま、まさか…こんな」

「はぁ、風穴が空かなくて良かったな、運が良いよ、お互いに」

「…くぅ、う、運が良い…ですって? この、状態を見て?」

「足も横腹も致命的な怪我じゃ無い、手当てすりゃ治る

 特に俺達魔法を扱える子供は頑丈らしいぞ、俺も何度も体験した」

「……そう、でも、あれよね、あんた無警戒すぎる!」


彼女はボロボロの状態でもベレッタで俺を攻撃しようとしてきた。


「そのなりじゃ無理だろ」


だが、俺の方が先にベレッタを抜き、彼女のベレッタを撃ち、はじき飛ばす。


「く! この距離での早撃ちで…私が!」

「スゲー早撃ちだが、俺もハンドガンの扱いはまぁまぁ慣れてるんだ

 実際扱ったことは無いが、まぁ、実際の方が楽だな

 これでもそれなりに場数は踏んでるしさ」

「……勝利が固い状況でも敗れ、得意分野でも負けた…

 それに、あなたは狙撃銃系統しか使えない見たいだけど

 私は多種多様…それなのに、私は…生身で負けた…

 こんな、こんな屈辱的な敗北は…今までの中で2度目よ!

 許さないわ、1回目は良い、憧れの人に負けたのならそれで!

 でも、今回は違う! あ、あんたみたいな、子供に!

 私の…私のプライドが…ゆるさ、ないわ!」

「お前も子供だろ? 少なくとも今は、まぁ、大人しく捕まれ

 勝者は俺だ、まぁ、自己流の勝利だがな」


彼女を拘束しようと手を伸ばしたとき、正面から銃声が響いた。


「うぐ!」


何だと…弾丸? 彼女か!? いや、でもミロルは動いてない!

それにこいつだってビビってる、つまりこいつじゃ無い!


「クソ! 何だってんだよ!」


俺は急いで近場の木陰に隠れたが

そこにはフレイとアルルの2人がいやがった。


「リオさん!」

「お前ら! 何でここにいるんだ!? 下がってろって言っただろうが!」

「すみません…でも、リオさんをほっとけなくて、それと」

「私だって戦えるし!」

「アホか! お前らじゃ足手まといだよ! さっさとトラ達に合流しろ!」

「それが、はぐれちゃってまして」

「何でだよ! どうしてはぐれた!?」

「あの弾丸の中であの場所だけで待機するのはキツかったんです

 何発か弾が飛んできたりして、危うく当るところでした

 ですから、その弾丸から逃げてる間にはぐれちゃって

 私とフレイさんは偶然近くに居たのでここに隠れてたんです」


そうか、あの子が乱射してた弾の何発かが跳弾してフレイ達の方に。

それではぐれたのか…最悪だな、こりゃ、やっぱり運が悪い。

じゃあ、今はシルバー達は全員散らばっている、何処にいるかも分からない。

そんな状態だというのに、新手がやって来ている。


「新手!」

「…数はざっと見50人、最悪100はいるか

 相手が銃を持っていないなら何とかなりそうだが、これは…」


いくら何でもこの数相手に俺達で対応するのは至難の業だ。

まともに戦えるそうなのは俺くらい、フランがワンチャンあるが

洗脳前に発見されてしまえば殺される。

トラでも可能性は無くはないが、射程の問題で勝算は薄い。

ウィングも武器を出せるとは言え、出せるのは接近武器

トラと協力して攻撃は可能だが、トラと同じ理由でほぼ不可能。

マルはスポットだから戦うのは無理だ。

メルなら防御しての突撃は可能かもしれないが

相手がRPGを持ってる可能性を考えると無謀と言える。

フレイは接近特化だから近寄る前に蜂の巣になる

精々倒せても近い1体だけ、だが、それだけじゃ無意味。

ウィンは攻撃出来る能力じゃ無いから無理だ。

アルル達は魔法使いでは無いし、出来るのは接近戦だけだろう。


「リオさん? 顔色がかなり…」

「…ちょっと考えてる、静かにしておけ」


…となると、1番有効的な作戦は逃げること、勝算はほぼ皆無だしな

俺の得意距離ではないし、俺の魔法は殲滅に向かない。

だが、撤退するにも全員がバラバラなこの状況では厳しい。

それに全員に撤退命令を出したとしても

逃げてる間に後ろから攻撃されて間違いなく死人が出る。

最悪な状況、この状況であいつらの被害を出さずに撤退させる方法。

そんな方法…正直言って1つしか無い、誰かが囮になる事だ。

恐らく増援の兵士達は素人、ミロルの様な実力者じゃ無い。

だが、優先順位は分かる筈、だったら最も相手に脅威だと感じさせる人物が

この囮役では必須となるわけだ、で、そんなに向こうに脅威だと思わせる人物

そんな事が出来るのは…この中じゃ、1人しかいない。


「…アルル、フレイ、全員に撤退命令を出す

 全員覚えてくれていれば良いが…銃声の間隔

 後、邪魔な銃声がはいらないことを祈ろう」


ウィンチェスターを召喚し、ここに向う前に確認した

指示をするために、銃を上に向けて3発はなった。

その間に他の銃声などは聞えず、完全に俺の銃声のみが響く。

だが、残念な事にこの銃声で敵にこの位置は割れたことだろう。


「……よし、じゃ、フレイ、アルル……行け」

「え? リオさんは?」

「やることがある、まぁ、多数相手に無双ってのも悪くない」

「無理ですよ! 逃げましょう!」

「馬鹿言え、ここで逃げられるか、最高に楽しそうなのにさ」

「じゃあ、私達だって戦って!」

「足手まといはさっさと消えろ! 邪魔なんだよ!」

「り、リオちゃん…」

「お前らは邪魔なんだよ、俺の楽しみの邪魔だ、無能共が」

「……リオさん、分かり…ました」

「ちょっと! アルル! 何処行くの!? リオちゃんも連れて!」

「邪魔になるだけですよ……私達では」

「待って! リオちゃん絶対危ない事をしようとしてるの! 分かるの!

 ずっと一緒にいた! だから分かる! 駄目だよリオちゃん! 駄目!

 アルル! 待って! 待ってよ!」

「……はぁ」


…とりあえず、俺は両手にM21を召喚した、狙撃銃の2挺なんて

普通じゃあり得ない運用方法だ、だが、今は出来る気がする。

それに、あの数を殲滅するのならこれ位やらなきゃ無理だろう。


「さて……暴れるか!」


俺は木の陰から飛びだし、敵兵士達の正面に姿を見せた。


「子供!?」

「テメェら全員まとめて遊んでやるよ!」

「ガキが何言ってんだ!? 遊びとでも思ってんのか!?」

「あぁ、子供の遊びさ! お前らは子供のおもちゃにされる虫!

 さぁ、遊ぼうや! あまり子供! 舐めんなよ!」


やるしか無いならやるだけだ! それが…俺のやるべき事!

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