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2年ぶりの温泉へ

お、温泉…何だかんだで2年ぶりだ。

今考えてみれば、温泉はアルルの桃源郷であると同時に

俺の桃源郷でもある! 女湯覗きは男の憧れ!

普段は絶対に出来ないけど、今は堂々と出来るはず!

待ってろよ、あの時のリベンジだ、今度こそ!


「さーて、温泉楽しみですね」

「そうだな」

「おや? リオさん、何だかテンション高いですね!

 まさか、温泉で私とイチャイチャ出来る事が嬉しいとか!」

「誰がお前みたいな変態女に反応するかよ」

「相変わらず手厳しい…」


アルルは普通は割と良い感じなんだけどな

どうしてもこいつに対して反応は出来ないんだよな。

普段のこいつからして、反応できる要素は何処にも無いし。

…でも、シルバー、メルト、マナには反応してしまう気がする。

シルバーに至っては最初成り行きで風呂に入ったときに

鼻血噴きだした記憶あるし、まぁ、流石にそろそろ慣れてきてるけど。


「それじゃ、行くか」


俺達はそそくさと風呂に入る準備を整え、風呂場に向う事にしな。


「うし」

「…リオさん、何故あなたは今回も下だけ?」

「んぁ? 普通だろう?」

「いや! やっぱり小さな女の子のお風呂場での格好と言えば

 フレイさんみたいにフルでしょ!? フル!」

「うん、私もそう思う、速く裸になって」

「こら! バスタオル引っ張るなよフラン! と言うかよ!

 お前だってちゃんとバスタオル巻いてるだろうが!

 だったら、俺がこの状態でも何の問題も無いだろうが!」

「駄目、リオは駄目、いや、リオだけじゃ無い

 他の子達も駄目、だから、まずはリオが全裸になって

 周りの子達に示す、フレイみたいに」

「うっさい! 誰がするか誰が!」

「後、前も言いましたけど、どうせするならお胸も隠してくださいよ

 何で下半身だけ? それじゃあ、男のようでお色気も何もありません!」

「小さなガキにお色気もクソもあるかよ!」


うぐぐぅ、何か今日は前よりも面倒くさい気がする。

多分フランのせいだな、こいつ容赦なく行動してくるし

あの時居なかったし…うぅ、嫌すぎる。


「その小さく少しだけ育ってきてるお胸を拝めるのは良いのですが

 やはりそう言うよりもお色気です! ほらほら、お胸を隠さないのなら

 下も脱いじゃって、開放的になってくださいよ」

「誰がするか誰が!」

「絶対に脱がす」

「だから引っ張るなよ! マジで脱げたらどうするんだ!?」

「むふふ、さぁ、フランさん! リオさんの布きれを取ってください」

「言われるまでも無く脱がす」

「止めろやぁ! 離れろ馬鹿!」


や、ヤバい! そろそろ力負けする! 俺はあまり力無いんだよ!

このままじゃぁ、クソ! 2年前よりも大変だぞこれ!


「フラン、そんな事してる暇があったら温泉入ろう」

「あ、メル……メルはバスタオルしてないんだ」

「しない方が良いんじゃ無いの? リオのバスタオルも

 無理矢理剥がそうとしてたから、必要ないのかなって」

「……付けた方が良い、バスタオルをしないと馬鹿っぽく見える」

「ん?」


フランの言葉に何故かフレイが反応した、実際バスタオルしてないと

どことなく馬鹿っぽく見える気はするな…多分フレイのせいで。


「ふーん、じゃあ、バスタオルしてこようかな」

「うん」


俺はメルとフランが会話をしている間にフランの手から逃げだし

シルバーの近くに寄った、こいつの近くなら比較的安全だ。


「リオさん、大分嫌だったようですわね」

「誰だって嫌がる、お前もバスタオル無理矢理剥がされそうになったら

 絶対嫌だろ? 特にあんな変態女の前では」

「くぅ! あ、あと少しだったのに! くそぅ、くそぅ」

「全くですわね、特に狙われている立場だとすればよっぽどでしょう」


はぁ、メルのお陰で助かった、あれが無かったら大変な事になっていた。


「しかし、リオさん」

「何だ?」

「下を隠すなら、やはり上も隠した方が良いと思いますわよ?

 お胸は女の子が隠さねばならぬ場所

 今のうちに癖を付けた方が良いのでは?」

「やだよ、胸隠すの面倒だし何か女々しくて嫌だ」

「リオさんは女の子でしょう? 女々しくて良いじゃ無いですか」

「えー…」

「そう言う癖は小さい内から付けておいた方が後々良いんです

 前はお胸がどうこう言ってましたが、今は少し膨らんできていますし

 やはりちゃんと隠すことをお勧めしますわ」

「……はぁ、分かったよ、お前がそこまでいうなら隠すよ」


シルバーにここまで言われたら仕方ない、悪意とかは全く感じられないし

大人しく従おう、それにアルルの発言から

流石に隠さないと不味いと言う事も分かったし。


「おぉ、リオさんがついに! しかし、リオさん…

 何故私の言う事は聞いてくれないのにシルバーさんの言う事は大人しく!?

 リオさんの教育担当は私なんですよ!?」

「お前よりもシルバーの方が信用できるからだ変態女!

 お前は今までの自分の行動を見返してから口を開け間抜け!」

「ありがたきお言葉! 最高の褒め言葉です!」

「クソかったるいなお前! 反省しろやボケが!」


…は、はぁ、温泉に入る前からこんなにも疲れるとは。

と、とにかくさっさと温泉に入ろう。

確かここは引き戸だよな、もう間違わないぞ。


「うふふ~」

「おいアルル! 何笑ってんだ!?」

「いえ~、何でもありませんよ~」

「言っておくがもう間違わないぞ! あの時みたいなヘマをするか!」


よし、引き戸だろ? 引き戸だよな? 押しドア? 押しドアだっけ?

いや、引き戸だ、自信を持て、前はアルル1人だけだったが

今回は全員居るし、ここで失敗したら恥ずかしいぞ。

よし…大丈夫だ、流石に2回も間違うわけが無い、よし。


「ひ、引いて…お、開いたぞ! どうだアルル!」

「リオちゃん、扉を開けただけで何で嬉しそうにしてるの?」

「そ、それは…」

「あ! リオちゃん顔真っ赤! まだお風呂入ってないのに!」

「う、うるさい!」


全員から笑い声が聞えてくる…は、恥ずかしい…

結局成功しても恥ずかしい思いをしてしまうとは…

い、いや、それは良い、それよりも俺の桃源郷を。


「……うぅ」


扉の奥に待っていたのは桃源郷では無かった

若い女の人など1人もおらず、そもそも人が居ない。

一応は居るんだけど、幼い子だけ…何で小さな子だけ?


「何で殆ど誰も居ないんだよ…」

「人が少ない時間帯ですし、城の温泉ですからね

 あまり普通のお客さんは来ませんよ、と言うか、来られませんね」

「それじゃあ、温泉じゃ無いじゃん、デカいだけの風呂じゃん」


うぅ、こんな温泉に何の意味があるというのだろうか。

これなら、家の風呂で良いじゃ無いか…選択肢が多いのは

確かに良いかも知れないけどさ。


「リオさん、何がっかりしてるんですか?」

「……何でも無い」

「よーし! 温泉入るよ温泉!」

「フレイ! その前に体洗え! 泥だらけなんだよ! 俺達は!」

「え? その泥を流すために温泉に」

「他の人に迷惑だろう? ちゃんとマナーは守れ」

「はーい、あ、じゃあさ、洗いっこしよう! 洗いっこ!」

「え? うぉ!」


かなり嬉しそうにしているフレイに腕を引かれ洗面所に移動した。

まぁ、洗いっこか、ま、別にこいつの背中を洗うくらいなら問題無い。


「私もお姉ちゃんと洗いっこしたい!」

「じゃあ、リオちゃんを真ん中にして洗いっこしよう!」

「うん!」

「あ、あの、私も参加したいんですけど」

「私も」

「お前ら2人はお前ら2人でやれ、精々多くて3人だろ」

「うぅ、は、早い者勝ちに負けました!」

「うぅ、リオの背中も前も洗いたい」

「同じくです! 上の方も下の方もまんべんなく洗いたいです!」

「あ、普通は前も洗うんだ、じゃあ、私達もそうしよう」

「いや、前は自分で」

「それが普通ならそうした方が良いよね!」

「だから、前は」

「うん! そうしよう!」


だ、駄目だぁ、ぜ、全然話を聞いてくれねぇ!


「ね! やろうよ!」

「……はぁ、わ、分かったよ」

「やったー!」

「くぅ! 羨ましいシチュエーション! もし私があの中に居たら!」

「ぐぬぬぅ…」


何かアルルとフランから強烈すぎるほどの嫉妬の念を感じる。

と言うか、あいつらが居たら、俺は前を洗おうとか

間違っても言わねぇよ。


「で、最初はどっちだ? 前か? 後ろか?」

「背中からやろう!」

「はいはい、分かったよ、じゃ、フレイ、背中見せろ」

「はーい!」

「じゃあ、私はその間にお姉ちゃんの背中を洗うよ」

「ん、頼むぞ」


よし、やるかな…でも、力加減とかどうすれば良いんだろう。

力一杯……あ、わ、忘れてた! 俺の背中、フレイにも洗われるんだ!

ヤベぇ、ど、どうしよう…こいつ、加減知らないからな

絶対に背中が赤くなるって…


「うぅ、仕方ない、ウィングの背中を洗う」

「私はここで座ってみてましょう」

「お前はシルバーにでも背中洗って貰えよ」

「いや、ほら、シルバーさんはトラさんの相手で忙しいですし」

「じゃあ、メルトは?」

「メルトさんは今はウィングさんとフランさんの相手です」

「だったら、マナだな」

「マナさんはマルさんとメルさんの相手で忙しいのですよ」

「じゃあ、お前どうするんだ?」

「リオさんに全身を使って洗って貰うとか!」

「殺すよ?」

「ごめんなさい」


速攻で謝るくらいだったらそんな発言をするなよな。


「じゃあ、お前はシルバーとトラに板挟みで洗って貰えよ」

「何故ですか!?」

「丁度割り切れるし、キリも良いだろ? ほら、シルバー」

「はい、お任せください、しっかりと揉んで差し上げますわ」

「揉む!? な、何をですか!? どうせ揉まれるなら私はリオさんに!」

「…おほほ、そういう意味じゃありませんわよ…

 さて、アルルさん、その発言、後悔しないようにご注意を」

「あ、ご、ごめんなさい!」


安定すぎる失言でアルルのお仕置きルートが確定したところで

俺達もそろそろ洗い始めるかな。


「じゃ、洗うぞ」

「うん!」

「痛いところがあったら言えよ? 後、痒いところとか」

「分かった!」


とりあえずいつも通りの力でフレイの背中をさすった。

その間、俺の背中には結構か弱い力でさすられている。

チラリと後ろを見てみると、真剣な表情だが少し笑っているウィンが

かなり頑張ってさすってくれているのが分かる。


「あひゃひゃ! くすぐったーい!」

「何処がだ?」

「よ、横腹、あひゃひゃ! くすぐったいよ!」

「じゃあ、横腹は止めて」

「いや、あの場所でも良いよ、面白い!

 でも、どうしてくすぐったいって思うんだろうね?」

「知らん、脳の錯覚じゃねーの?」

「んー、あ、ひゃひゃ! やっぱりくすぐったい!」

「くすぐったいと楽しいの?」

「楽しいよ? あはは! 面白い!」

「何処がくすぐったいの?」

「横腹とか、腋? だったかな、後、足!」

「……」


ん? 何か背中から感じる感覚が変わったような。


「おい、ウィン、何してるんだ?」

「え? い、いや」

「リオちゃんはくすぐりに少し強いよ?

 でも、腋と足は凄く弱いんだ、面白いよ」

「あ? おい、フレイ、お前何言って」


フレイの言葉の後、腋に強烈な感覚が…!


「くふ、お、おま!」

「反応した!」

「や、止め! くふ、うぐぐぅ…」

「じゃあ、私は足だ!」

「よせや!」

「えいえい!」

「えい、えい」

「あはは! ちょっと待って! まじ、あはは!

 か、勘弁し、くふはは! ストップ! 止めろ!」

「おぉ! 凄い反応! 今までに無い! 面白くなってきたよ!」

「お、面白がる、あはは! はぁ、はぁ、や、止めろ!

 苦しい! 流石に息が苦し、あはは!」

「苦しいって…」

「沢山くすぐられると苦しいかもね、でも、楽しそうだし」

「うん」

「楽しくな! あははは!」

「笑ってるしね」

「こ、この! あふ、くふ、や、やめ、あはは!」


それから両サイドからのくすぐり攻撃はしばらく続いた。

……あぁ、息が、呼吸がぁ…


「うん! 楽しかった!」

「はぁ、はぁ、はぁ…お、お前ら…ほ、本当に…」

「お姉ちゃん、かなり辛そう」

「い、息が出来ないのは…つ、辛いに決まってるだろう」

「そうだね」

「フレイ、お前後で覚えてろよ?」

「え!? な、なんで!?」

「お前が全部悪いからだろうが」

「うぅ、楽しいから何だけどなぁ」


くそう…何でこんな目に、うぅ、くすぐられすぎて力は入らん。


「くぅ…キツい」

「そんなに大変なの?」

「そうだよ…何か力は入らないし」

「じゃあ、この体勢で背中洗っちゃおう」

「耳に水が入るから止めろ」


何とか呼吸を整え、もう一度背中の洗いっこを再開した。

やっぱり普通が1番だ。

しかし、何かウィンの力加減が丁度良いな。

本人は結構力を入れているつもりなんだろうけど、あまり鍛えてないし

対して力を感じない、だけど、それ位の力加減が最適だな。

で、今度は…フレイに背中をさすられるのか、キツそうだ。

出来ればウィンに背中洗って貰ってたほうが良いんだがなぁ。

フレイは手加減知らないから超痛いんだよったく。

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