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いいことしてあなたを殺し隊  作者: オッパオマン
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皆さん殺人したいですか

15年前、母が殺された。私の目の前で、めった刺しで。美しく、近所でも評判だった母のその顔面は果肉たっぷりのイチゴジャムのようになっていた。男は愛しそうに、母の血を舐め回し、顔や全身に塗りたくっていた。ふと、インターホンが鳴り、物静かにゆったりと警察がやってきた。

警察は「終わったか」と男に確認を取ると、男は「はい、ありがとうございました」と会釈程度の軽いお辞儀をした。警察は笑顔で「よかったな。また何かあったら頑張れよ」と、男に激励の言葉を送った。

当時、5歳の私には全てを理解できなかったが、母が惨たらしい家畜のような最期を迎えてしまったことと、その後の男と警察のやり取りの異常さだけは感じることができた。やがて小学生になり、社会科の授業の中で、この国の狂った制度を学ぶことができた。善悪等価交換制、である。

国が定める善行をすれば、それと同等の悪行をしても良い、という制度である。

善行はポイント制となっているため、善行をすればするほど大きな悪行をすることができる。

十分な善行をした人間ならば、例え、それが殺人でも、国の公認の下で行うことができる。この制度が何故作られ、受け入れられているのかは分からない。ただ、あの日、母はこの制度により、清く正しく殺された。

ただただ憎んだ。母を殺した男、笑顔の警察、制度を作った国を。

私はこれらを全て殺害し、復讐をする決意をした。

母を殺した制度を使って、堂々と、そいつらを惨めに、殺す。


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