筋肉令嬢の婚約迷走記 ~騎士団長ルートを死守せよ!~
私の名前はエレノア・ヴァルティア。
公爵家の令嬢で、筋肉が大好きだ。幼い頃から、鍛え抜かれた騎士たちの体躯に魅了されてきた。特に、王国の騎士団長であるルーカス卿。あの鋼のような筋肉、完璧なプロポーション……ああ、想像するだけで心が躍る。実は、私は彼と結婚する運命にあるはずだった。少なくとも、私の夢の中ではそうだった。
しかし、現実は残酷だ。ある日、突然王家から召喚状が届いた。
「エレノア嬢、王太子候補として教育を受けよ」と。え、王太子候補? 私、女だけど?
しかも、王太子殿下との結婚なんて話、聞いたことないぞ。いや、待てよ……確か、幼い頃に王命……あ、宮廷の噂で、王子との婚約が囁かれていたような気もする。でも、王子殿下の筋肉は……うーん、細身で華奢だよね。
王宮に到着すると、早速教育が始まった。政治学、外交術、舞踏……。
私、ただの筋肉オタク令嬢なのに、なんでこんなことに? 周りの貴族令嬢たちは私をライバル視して、睨みつけてくる。彼女たちは王太子殿下の寵愛を狙っているらしい。ふん、勝手にどうぞ。私は筋肉一筋よ。
教育が始まって数日後、嫌がらせが始まった。
まず、やってきたのはイケメン貴族のアルフレッド卿。
「エレノア嬢、私の心を奪ったね。デートしようか?」
ふざけんな。あんた、隣の侯爵令嬢と付き合ってるでしょ。知ってるよ、心の中で毒づく私。
次は、魔導士のエリック。
「君の瞳に魅了されたよ」
……は? あんた、街の娼館で彼女作ってるよね。続いて、商人の息子、騎士見習い……。
次々と「逆ハーレム要員」が送りつけられてくる。みんなイケメンだけど、筋肉が足りない!
しかも、全員彼女持ちだって知ってるわよ。ライバル令嬢たちの策略ね。私の評判を落として、王太子争いから排除しようって魂胆か。
「エレノア嬢、君は人気者だね」 王太子殿下が笑うけど、私は心の中で叫ぶ。
違うわよ、これは罠よ! 私は騎士団長一筋なんだから!
耐えかねて、王家に問い合わせた。
「私の婚約相手は王子殿下ですか?」
返事は「王太子だ」
王太子? 王子殿下のことよね? でも、翌日、側近がやってきて「婚約は騎士団長ルーカス卿に変更された」。
え、ルーカス卿!? 私の理想の筋肉男! 喜んだのも束の間、次の日には「僧侶のガブリエルだ」って。僧侶? あの人、筋肉ゼロのひょろひょろ男じゃないの!
二転三転する婚約話。
あれ、これおかしいわ。もしかして、私に特定の人と結婚させずに、婚期を潰そうとしてるんじゃないの?
疑心暗鬼になる私。宮廷の陰謀? 王家は私をどうしたいの?
調べを進めるうちに、真相が浮かび上がってきた。王家は、私の家系の魔法適性を狙ってるらしい。
公爵家は代々強い魔法使いを出してるけど、私は筋肉好きで魔法は二の次。
でも、王家は私をシングルマザーにして、子供を産ませて王族の血を混ぜ、使い潰す気満々。結婚なんてさせてくれないわ。子供だけ産ませて、捨てるつもりよ。そんなん許すか!
「ふざけんな、王家!」 心の中で叫びながら、行動を起こす。私、王太子教育で学んだ外交術を活かして、ルーカス卿に接触。騎士団の訓練場に潜入し、彼の筋肉を間近で観察……じゃなくて、相談よ。
「ルーカス卿、私の婚約が二転三転してるんです。あなたとの結婚を目指したいんですけど……」
彼は驚いた顔で、「エレノア嬢、王家は君を道具にしようとしてる。僕もそれに気づいていたよ。一緒に逃げようか?」
え、逃げる?
筋肉卿がそんな大胆な! でも、いいわ。私の理想のルートよ。王家の陰謀を暴き、ライバル令嬢たちの逆ハーレム要員を全員彼女持ちだとバラして、騎士団長と幸せになるんだ!
王宮で大騒動が起き、王家は私を追放しようとするけど、ルーカス卿の筋肉パワーで撃退。
最終的に、私たちは結婚。毎日、彼の筋肉を堪能する生活が待ってるわ。
……って、夢みたいだけど、現実はまだルート分岐の最中。
一体どうなってしまうのかしら…




