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行こう

ここは山奥にある村

村の名前はカラス村

なんでも、昔からカラスが多かったことが由来だそうだ。

なんて安直な、なんてことを昔から思っていた。


それぐらいこの村にはカラスがそこら中にいる

だからといって悪さをするわけではない。むしろ村の人と協力しながら生きている。

ここの村人には1人1羽、カラスの相棒がいる。

絶対相棒がいないとダメとかいう話ではない

ただ暮らしていると自然に仲の良いカラスが1羽できるだけだ

もちろん、4羽や5羽と仲の良い人間もいるがそれは極稀だ。多くの人は1羽だけ。自然と名前もつけている。そんな平和な村だ。


かくいう私にも相棒のカラスがいる

名を『マヴロス』という

由来は忘れた。確かどっかの言語で黒とかいう意味だった気もするしカラスという意味だた気もする


「おはようマヴロス」


私がそう言うとマヴロスは返事をするかのように一声鳴いた。カラスに人間の言葉が理解できているかは不明だがそんなことはどうでもいい


「さてと、今日はいよいよ出発の日だね。やっと世界を見て回れるんだ!この足で」


そう、今日は私の18歳の誕生日

この村では18を迎えたものは旅にでてもいいという習わしがあるのだ

旅の支度は昨日のうちに済ましておいたのでもう出ようと思う

いつまでもここに残っていたら別れの決心がつかない

服を着替え、軽くご飯を食べて外へ出る

すると待っていたように村の人がいた


「お!おはよう!今日はいよいよ旅立ちの日か」

「うん」

「さみしくなるねぇ忘れ物はないかい?」

「大丈夫。もう何回も確認したよ」

「お姉ちゃん!これ私が作ったミサンガなの…何があっても怪我しないようにと思って!」

「ありがとう。大切にするね」

「マヴロス、この子を頼んだよ」


ここの村の人は温かい

家族を失って近くの森に捨てられていた私を今日まで育ててくれた

胸を張って誇れるような私の故郷だ


「じゃあみんな、そろそろ行くね」


泣くものも誇らしそうに見るものも反応は多種多様だ

空では数十匹のカラスがマヴロスに向かって鳴いている


「行ってきます」


さぁここから始まるんだ私の冒険は

いつかこの村に返ってくるときに沢山の土産話を聞かせられるようにしなければ


「いくよ、マヴロス」


相棒を肩に乗せて歩いていく

振り返ってはいけない

マヴロスが怒るだろうから

まだかすかに聞こえるみんなの声を胸に私は今日旅にでた

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