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1-5 双子ループ


夏生なつき。早いよ、早すぎるよ。まだ二十歳なのに。」


「そ、んな、に・・・・・・。泣く、な、よ。」


「泣くわ! 双子はね、ずっと一緒なの。なのにぃぃ。」



田中夏生、享年二十。悪性リンパ腫に、完敗しました。朝萱あさがやの物件は、夏美との共有財産。動産も少し、移しておいた。






「夏生、戻れ。」


「お爺様も?」


「私も居ますよ。」


「お婆様?」



危篤の知らせを受け、病院へ向かう途中。事故に巻き込まれて、即死ですか。同日同時刻に、旅立つなんて。




「田中夏生さん、三番窓口へどうぞ。」


「はい。じゃぁ、また。」


「夏生、戻れるなら。」


「お爺様、行ってきます。」


「夏生。」


「お婆様、お元気で。」


「ありがとう。」








「えっ、転生ですか?」


「はい。」



確かに、寄付しました。夏美に残した財産以外は、大学に。経済的な理由で厳しい、優秀な学生のために使ってほしくて。


給付型にして、八割『優』。なんて条件、付けましたけど。それが、評価されたのですか?



お爺様から、投資の才能を受け継いだ。隔世遺伝、なのかな? 良く分からないが、小一からコツコツ稼いだ。その額、ざっと二億円。我ながら、良く貯めたなぁ。


ゴッソリ国に取られて、残りの半分を両親。残った半分を、兄妹で四等分だっけ? 相続税、高すぎ! だから、寄付するコトにした。



居眠りしてヤジ飛ばすしか能のナイ、働かない政治屋にオイシイ思い、させません。ボク、性格悪い?






「不勉強で、異世界転生については。」


「違います。同じ世界に、生まれ変わる方です。」


「あっ・・・・・・。」


ハズカシイ。



寄付金で設立されたのが、『夏生奨学金』。分かりやすくて、イイんじゃない? で数年後、夏生奨学金を受けた学生が、医学分野で、優れた業績をあげると。


数年後、他の学生が。その数年後に、他の学生がって、本当ですか? 日本の教育レベルって、そんなに高くなかったような。


海外の院に進んで、結果を残す。そりゃ、そうだ。はい、理解しました。ありがとうございます。




「ではリセット、お願いします。」


「田中夏美さま、夏生さま。お二人の前世が残した特典により、残された双子が死ぬ瞬間まで、守護霊として残る。という手続きが、完了して居ります。」


「・・・・・・はい?」




知らなかったよ。前世でもボクたち、双子だったんだ。その前世でも、双子。そのまた前世でも、双子。恐るべき双子ループ。


昔は双子ってダケで、忌み嫌われた。男女の双子は、特に。


心中した男女の生まれ変わりだ、とか何とか。で直ぐ殺された女の子が、残された男の子が死ぬまで、守り続けたと。


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