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いのちの詩(仮題)

籠り詩(こもりうた)

作者: 浮き雲




傷つきたくなくて


傷つけたくなくて


閉じこもった、この部屋の中



生まれることが


ひとりで生きることだと知って


生まれてきたくなかったと思い


子宮のような、この部屋に閉じこもったあの日



ただ、守ってほしかった


ただ、認めて欲しかった


あるがままの、わたしを


誰に


誰に・・・あなたに



海に流された蛭子(ひるこ)


群れを追われた醜い子


神様にも、白鳥にもなれないわたし


もう、還れる場所がないことなんて、とっくに知っていた


知っていたから籠っていた


認めたくはなかった


新しい世界を


あるべき「わたし」を



あなたに受け入れられたくて


あるがままのわたしよりも、ずっと、駄目になってみた


甘えて


傷ついて


諦めた



もう誰も、子守歌なんか歌ってはくれないから


わたしは、ひとり「籠り詩」を口ずさむ



  わたしであることに


  精いっぱいだから


  今は、何も聞かないで


  今は、何も言わないで


  あなたが、守り続けてくれたいのちを


  今も、そう信じているいのちを


  消さないでいられるように


  ただ、ひとつだけ願いを聞いて


  わたしに、わたしの時間を使わせてください


  無駄に


  無意味に、ただ、消費させてください


  それが駄目なら


  新しい世界を


  あるべき「わたし」をください


  消えてしまう前に


  消してしまう前に






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