生き方について決める
結婚相手にするならルーカスが良いと思う理由が実はもうひとつある。
彼こそが、私が最後に攻略しようとした大本命の人なのだ。
なんと言っても、ただひたすらに顔がいい。
そもそもあのゲームを選んだのも、パッケージに描かれた彼の顔に一目惚れしたからだ。
ライラの相手に良いと思ったのも勿論本心だけれど、私としても、結婚するならルーカスが良い。
本当に。
ここまで来ればもうこれからの方針は決まったようなものだ。
ゲームの舞台はこの国にある貴族たちの集う高校。
一流の教育を受けられる唯一の高校であるために、隣国の王子であるルーカスも入学する。
勿論エードラムや、私もそこに入学することになる。
そして主人公も。
つまりは、エードラムとは婚約しないまま学園に入学し、
エードラムは主人公を結ばれてもらって、私自身は何とかしてルーカスと結ばれれば、
ライラは(私は)ルーカスとのラブラブライフが送れて幸せ。
主人公とエードラムも愛を知れて幸せ。
最高の結末だ。
よし。これで行こう。
今後の方針が無事決まったことで私はなんだかようやく方の力が抜けた気がした。
上手くいかなかったって別にいい。
どうせもともと死のうとしていたわけだし、ゲームのシナリオ通り進んで死ぬことになったところで、死ぬタイミングが少し変わるだけ。
ライラもそれが運命だっただけ。
ただ、それだけだ。
窓を開けて外の景色を見る。
そんなに時間をかけたとは思っていなかったけれど、結構な時間をかけて考え込んでいたようで、外はもう綺麗な夕焼け空だった。
別に望んで無かった転生だけど、少しだけ、ほんのちょっとくらいは楽しみだと思ってあげなくもないかな、と思ったところで、
なんだかクソ神が空で微笑んでる気がしてパタンと窓を閉めた。




