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交渉

後ちょっと前置きというかプロローグの範囲です

前置き長くてすいません

少年は目の前の男を睨みつける

今、どう動いても少年に勝機が無いことくらい簡単なこと

それでも逃げ出すわけにも、隠れてやり過ごす訳にもいかない


あいつは俺をまだ信じ切れてない

悲しいけど、まぁ当たり前だよな

二回しか会ってないんだから

でも、そんな俺にアイツは願ったんだ

叶えたいんだ

俺を、アイツが俺を初めて認めた人間だから

大丈夫だ

死んでも守ってやる

こんなに小せェ体でも、役にたつからさ

お前のためなら惜しくねェんだ

俺は多分、お前に会うために生きてきたんだ

だからさ、惜しくねェから、そこに居ろよ。マリーローズお嬢さま


意思は消えねえな

炎見てえな目だ

意志そのものってか?

おもしれえ


男は口元を手で被って隠して笑う

少年の様な子供はなかなかいない

大人でも少年の瞳のような強さを持たない

だからこそ欲しいし、恐ろしい


「彼女になにをした?」

「おいおい、質問したのは俺だぜ?」

「煩い!教えろ!…それにこれは話し合いだろう?なら選択する俺に情報を渡すのは当然のはずだ。何故、彼女が喋れないのかお前は知らないのか?」


男の脳裏の天秤が欲しいに傾く

同時に危ういと察する

何処で仕入れたか少年が使うには釣り合わない言葉の使い方

どこかで見た見よう見まねだと答えを結論づけるまで時間はいらない

この状況で交渉しよう、情報を引きだそう、戦おうと闘志を燃やし知恵を絞り機転を利かす

男には十分魅力的だった


「それとも知らされない下っ端が勧誘するのか?ならこの話は」

「法術だ」

「…法術」


法術

人が使えるまじない

その活用法は幅広く、呪う等の代表的なことも勿論、逆に治癒や日常生活と多機にわたる

少年も生きていれば知っている存在だ

使い方は知らないが存在を知ると同時にどんな活用法があるかも基本は知っているのだ


男は表情には出さないが早めにカードを切ってしまったことを悔いる

カードを出さなければ少年が断って来るは目に見えている

手段はいくらでもあるが出来ることなら平和的に、かつ、自主的が好ましい

だが、カードを切ったなら交渉術も変わる


「これ以上は言えねえぞ。大事な手札だからなぁ」


少年は奥歯をギリッと噛んで男を睨みつける


「元に戻す方法はあるのか?」

「オイオイ、聞いてなかったのか?これ以上は……なぁ?わかるんじゃねえか?」


間の意味

解る

分かってしまう

自分が仲間になるなら教える、もしくは元に戻す


男のにやけた顔に苛立ちが募る

言うことなど聞きたくない

だが、迫られた選択しは一つしか無い


「俺が了承して彼女の身は返してくれるのか?」

「考えてやってもいい。なんせ、大事な人質だ。丁重にもてなすぜ」

「とてもそんな言葉が似合うような扱いはされてなかったと思うけど」

「…っアハハ、よく見てやがる!だがな、俺達の中じゃ上等な方さ。普通ならお前にはまだ早いってやり方で歓迎してるさ。嬢チャンも小さなわりに顔は十分魅力的になってるからな、それがまたいいって奴もいるんだ」


男は機嫌よく、豪快に笑っていう

少年にも、ソファーの下にいるマリーローズも背筋に冷たいものがはしる

男がいうまだ早い行為というものは勿論わからない

だが、良くないことというのは嫌でも分かる


「…断ったら俺はどうなる?」

「断らせないが答えだが、そうだな、それなりに扱って後は俺の機嫌次第ってのはどうだ?」


つまり最悪は死だと男はいう

少年はそれには動じない

いつだって死は隣にいた

数日の飢えも、盗んで捕まれば酷い暴行を受けてることも日常だ

死因が日常から離れただけに過ぎない


しかし、それではマリーローズは助からない

自分が死んだ後解放される保障が無い

男がそういう奴だということを少年は理解した

もう少し頭の回転が速ければそういう男だから誘拐など企て、実行したと理解できたがそこまで成熟はしていない


「デ、答えは?」


男はいう

品のない笑みを浮かべて


少年は黙る

このままいいなりなど少年の矜持が許さない

僅かでもプライドはある

生きるために盗みはした

そうしないと生きれないから

だが、目の前の男は違う

己の欲のために盗む

人の日常を

いくら選択肢が一つしか無くとも選びたくない

この選択肢は今まで突きつけられたモノとは違う

だからこそ少年は黙ることしか出来ない


言え、俺!

仲間になって時期を見て抜ければいいんだ

だから、言え!

じゃないと守れないだろ!

……違う

クソッ

なんで、なんで俺には力が無いんだ

俺にもっと力があったら

俺の手が汚れるのはいいんだ

もうとっくに薄汚いんだから

悪い、ゴメン、俺、お前は綺麗って言ってくれたけど、汚いし、もっと汚くなるわ

この目ももっと汚くなる

ゴメン、でも俺、お前に会えて胸の辺りがくすぐったくて暖かくなったんだ

初めて思ったんだ

食べるものが、美味いって

お前と会えたから俺は、俺は……


少年は両手を強くにぎりしめた

伸びた爪が食い込み痛みを生む


「…おれは……」


バーン


仲間になると言いかけた言葉は放たれることは無かった

大きな音とともに大勢の足音が三人の部屋にも響いて来る


音の正体に思い当たる付しがある少年は顔を緩ませ、男は盛大な舌打ちをした


マリーローズだけは大きな音に更に恐怖を膨らませ小さく身を丸めながら震えた



ポイントありがとうございます

駄文であり、稚文であると自覚しているので評価が低いことは重々承知

しかし、それを指摘して頂けるのがまた幸せです

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