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逃走

ブックマーク感謝で決めました!!

自分に発破をかける意味で投稿曜日を決めます!!

週2予定で頑張る

休むときは事前連絡しますが、基本休まず週2くらい頑張れ!と言い聞かせて行く予定

マリーローズは目を反らせなかった

ただ、辞めてほしいと祈りつつも恐怖から瞳さえ動かせない

次は自分ではないと誰が思える

いや、少なくとも、マリーローズには少年のいたぶられる姿はただの見せしめ

小さな口からはカタカタと小さく歯の当たる音が漏れ出るのも仕方がない


男たちにとって少年は恰好の玩具

傷つけることの出来ない人質のマリーローズとは違い、死んでも誰も惜しまなそうな少年を気にする必要は無い

前祝いと飲んだ酒の力も加わり少年を痛め尽くす

品のない笑いと暴力が少年に降り注ぐ


なんで?なんでこんなひどいことが出来るの?

お願い!辞めて!

これ以上傷つけないで!

彼は私に優しくしてくれたの!

だから私も優しくしたかったの、友達になりたかっただけなの、それだけなの

こんなこと…こんなこと、いやっ!

お願い、逃げて、

おねがい…しなないで…

まだ、名前も聞いてないの

おねがい


マリーローズの瞳から涙が溢れる

止める術など無い涙はいくつもマリーローズの頬をつたう


泣いてんじゃねーよ!泣き虫!俺がこんなところで負ける分けないんだ

待ってろ

俺はこんなところ何度だってくり抜けてきたんだ

だてに食い逃げだけで生きてないところを見せてやるよ


男たちは気がつかなかった

少年の唇が不適に吊り上がった事を

マリーローズはわからなかった

確かに少年と視線がぶつかったから

この状況でそんな事が出来るような余裕があるようには見えない

少年は勝ちを核心した

殴られることには慣れていた

慣れたくは無かったが、必然だった

生れつき防御に才能があるのかも知れないと子供ながらに思うほど、痛みに耐えられるようになっている身体

血は流れても、おかげで頭は次の手を考えることが出来るほどだ


少年は作戦を考えるとその時を大人しく身を任せて待つ

痛みはある

しかし、耐えられる

だからもう意識が朦朧となされるままになっている振りをした


そして実行に移るには一瞬だった

マリーローズに一番近い男に突き飛ばされたのを確認すると少年は目の前の男に思いっきり頭突きをくりだした

身長が足らない分をジャンプすることで補い、男の顎に自身の頭を命中させる

頭突きをされた男は不意打ちに急所を攻撃されのうしんとうを起こして倒れる

周りにいた男たちが何が起きたか把握する前に少年はマリーローズを抱える男の股を思いっきり蹴り上げた

同じく、痛みに耐えかね、マリーローズの拘束を解いた男は股間を押さえて腰を突き上げる恰好で目を開けたまま意識を飛ばす少年は素早くマリーローズを己の腕に抱えて次の手に出る

積み上げられた荷物

何が入っているかわからないが目隠しには十分だ

少年はマリーローズを捕まえていない反対の手で荷物を渾身の力で崩す

木の箱を引きずり落とし、布を引きずり落とし、立てかけて有った棒や板を倒せば当たりは粉塵にまみれる

マリーローズは小さな咳を漏らすが声を失っているのでほぼ空気の小さく吐き出される音に近い


男たちは驚愕に混乱を重ね、動けなくなっていた

少年はその隙に男たちが入ってきた扉にマリーローズを抱えるように走って抜け出した

もう、自分が入ってきた穴は荷物に埋もれてしまったと判断したから


マリーローズは背に回された腕に促されるまま必死に走った

埃を吸い込み咳を繰り返す身では走ることも辛い

それでも、今、走らなければいけないことをマリーローズは理解していた

だから、必死に走った


少年は小さく舌打ちをした

マリーローズが誘拐された場所は没落した貴族の屋敷らしくそれなりの広さは有ったがまっすぐに伸びた廊下は迷う必要が無い

すぐに玄関ホールにたどり着いた

しかし、そこはしっかりと鍵が着いていた

内鍵

でも、南京錠

流石に少年の手に余る

だからといって此処で拱いていれば男たちがすぐにやって来る

今度こそ逃げられる算段をつけられないようになる未来くらい少年は知っている

すでに食い逃げでこういう体験をしているのがありがたいのかわからないが、少年は冷静に今できることをするのだ

仮に南京錠を開けることが出来ても手間がかかる

南京錠が付いている時点で次なのだ

少年は近くの部屋に移動して出来るだけ静かに、そして素早く扉を閉める

ホールからはいくつかの扉が見えた

そのうちの一つ

ドアの前に何かを置いておくと効果的だろうがそんなことをすれば此処にいると教えるような物だ

それよりも退路を見つけるか隠れた方が効率的だと少年は経験から判断する

そして、部屋を見渡す

カーテンのかかった窓が一つ

光がしっかりと取り込まれていることから最悪そこから逃げられる

他にも暖炉、埃が着かないように布のかかったテーブルと高そうなソファー

少年はわからないが応接室だった


「こっちだ」

「!」


少年はマリーローズの手を取って身を隠す

マリーローズは【優しくしてくれた綺麗な少年】から【助けに着てくれた小さい英雄】に評価を上げた少年に大人しく従う

二人で息を殺して大人しく、男たちが諦めるなど思ってはいない

マリーローズはそれでも願った

これ以上少年が傷つくことにならないで欲しいと、

己の身よりも少年の事を

少年は祈るように思う

マリーローズが無事に家に帰ることを


お金持ちのお嬢様の事など気にしたことはない

それでも初めて言われた言葉が忘れられない


不吉だと言われた目を、不気味だと蔑まれた髪を綺麗だと言ったマリーローズの言葉を


だから


「俺が守ってやる。だから、大丈夫だ」


守りたいから


己がどういう身か分からないほど少年は愚かではない

本来一生会うことが無かった令嬢、マリーローズ

それでもあの時の一言で十分だ

己の命をかけるだけの意味は


優しい言葉など知らない

だから、命をかける

自分にはそれしか無いから


マリーローズが少年の手を握る

その暖かさだけで少年の中で殴られたことは帳消しにされた

それがうれしいという感情だと少年は、まだ知らない


本命を書き溜める作業が滞ってますが、誰も読みたがって無いだろう作品よりも一人でも応援してくださっている方がいるこっち優先

毎週日・木曜更新予定で頑張ります

もちろん時間は正午予定


それから図々しいおねがいだと思いますが

気が向いたら評価してやってください。

単純なので張り切ります

1pでもテンションアゲアゲで頑張り出します

そんな馬鹿なんです

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