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はじまり?

初投稿です

生暖かく見守って下さい

不定期投稿になりますが、完結は目指します

怖い、私はどうなるの?

お父様、お母様、助けて、怖い

ぺレイン、マークス、スザンナ、誰でもいいの

お願い、助けて


マリーローズは後ろ手に縛られた小さい体を更に小さく丸めて祈る


いつもの放課後

たまに大通りを少し徒歩で歩くことがあった

執事を後ろに付けて

市を見て回るのが好きなマリーローズは時々そうしていた

それが突然何者かに抱えられて執事と引き離されたのだ

誘拐

マリーローズもすぐに理解した

しかし、叫び声さえあげることはできなかった

恐怖で身が固くなりあふれ出そうな涙を必死に我慢することしか出来なかった


マリーローズ・ヴィ・ダルサスーン

大公マグノリアル・ヴィ・ダルサスーンの唯一の子供

マグノリアルが高齢になって授かった唯一の子供として溺愛されている令嬢

まだ

幼等部の六歳児ながら将来が約束された幸運な少女

母親から譲受けた美しい金の髪はストレートで腰まである

父親から授かった海の様に碧い瞳は汚れを今だ知らない


なんで?なんで?私、なにも悪いことしてない

怖いよ

お父様達に逢いたい

恐いよ

誰か助けて…


マリーローズは嗚咽を噛み殺しながら涙を流す

自分をここに連れてきた男たちは今はいない

恐怖が表に出る

幼いマリーローズがここまで堪えられただけでも十分に称賛に値する

初めての誘拐

二度と優しい両親に会えないかもしれないという恐怖

もしかしたら死ぬかもしれないという事


マリーローズは必死に声を殺して助けを祈りながら涙を流す


「おい、泣くな!逃げるぞ!」


突然の声にマリーローズは顔を上げた

目の前にいるのは少年

自分とサホド歳は変わらないほどに幼い少年

マリーローズはその少年に見覚えがあった


「ーーーっ!?」


マリーローズは息をのんだ

声を出そうとした

あなたは?っと

しかしそれは音にならなかった


「ーーっ!ーーーーっ!」

「何しんでんだよ?あいつらが戻る前に早くしないと」


マリーローズは首を振る

叫ぼうとした

けれど声にならなかった

少年はマリーローズを縛るロープを持ってきた小さなナイフで切りながら首を傾げた

そして理解した

縄が解けた瞬間から喉に手を当てて必死に何かを言おうとするマリーローズの姿に


「お前、声…」


マリーローズは少年の言葉にこれは、悪夢ではすら無いと知る

絶望と共に涙が溢れ出す


「クッソ!あいつら…とにかく逃げるぞ!来い!」


少年はマリーローズの手を掴んで自分が入り込んだ隅の壁穴に向かう


「おい!どこに行く!」


そこに怒号が響いた


マリーローズは震えて少年の服を掴む

少年も小さいながらにマリーローズをその背に隠した


「いっちょ前に騎士のつもりかァ?ぼろ服の騎士さんヨオ」


怒号を発した男は片方の口角を上げ、見下し、嘲笑う様に言う

実際に見下してもいる

十もならない子供二人

何が出来るというのか

何より少年は細かった

明らかな栄養不足

大した力があるとは思えない

仮に同年代の子供と戦わせても少年は簡単に負けるようにしか見えない

非力な少年と温室暮らしの少女

侮らない要素はむしろ無い


マリーローズは震えた

このまま二人殺されると思ったからだ


「大丈夫だ」


小さく少年は言う

マリーローズは目を丸くした


「お前だけは守ってやるよ。食いもんの礼だからな、これで貸し借り無しだ」


マリーローズは確信した

目の前の、自分を助けに来た少年は間違いなくあの日の少年だと

名前も知らない、赤い目が印象的な少年だと



いやぁ作品紹介の半分しかわからないですね

んー謎も増やした?

次回はまずは謎のところを是非書いてしまいたいですな

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