【僕の加護を最初に受け取った者』
「来ました!」
「え?」
ユキがそう言った数秒後に空から一本の矢がアオイの身体に刺さった!
「っ!?」
水玉の中が血で真っ赤に染まり____
「こ、これいいの?お姉ちゃんの心臓に刺さってたみたいだけど?」
「大丈夫です!心臓の一つや二つ、無くなってもお母さんは不滅です!」
「ここまで来たら何も驚かないよ……」
__一気に弾けた!
「うひゃぁ!」
「うわ!?」
あたり一面に血を撒き散らし中から出てきたのは!
【この登場の仕方って悪役じゃない?』
裸の身体に血がべっちょりとついて復活したアオイだった!
「おかぁさん!」
アオイの姿を見て安心したのかユキは子供の姿に戻り抱きついてきた。
【ユキちゃん……』
「おかぁさん!おかぁさん!おかぁさん!!」
涙も鼻水も出しながら強く抱きしめる。
【よしよし』
そんなユキを優しく撫でる姿は本当のお母さんの様だ。
「ユキ……ユキね!強くなったよ!」
【うん♪ちゃんと視てたよ♪流石、僕の娘だ』
「うへへ〜」
「…………」
裸で抱き合う2人を見ないようにね後ろを向いてるジュンパク。
【あー……えと、ほい』
アオイが魔法でお互いの服を着せる。
アオイの服は最後に着ていた青いマント付きの戦闘服。
ユキにも青い魔法使い装備とローブを生産し、落ちていた帽子を被せる。
「わぁ!お揃いです!おかぁさんと!わーい!」
ユキは嬉しくてヒラヒラさせながらぴょんぴょんと跳ねている。
【さて……いいよ、ジュンパクさん』
「お姉ちゃーーーん!」
【うお』
すかさずジュンパクもアオイの胸に飛び込んでくる。
「あぁ!お姉ちゃんお姉ちゃん!すーはーすーはー」
【あはは……裸は見ないように気を遣ってたのにオッパイの匂いはおもっきり嗅ぐんだ……』
「あぁあ!久しぶりのお姉ちゃんの匂いいいぃぃあああ!」
【もはや隠す気ないね、うん』
「すーはーすーはー」
【とりあえず話にならないからもう一人の方に出てきてもらおう』
指を鳴らすとジュンパクの髪が伸び胸が大きくなり背も高くなり女の姿になる。
【……!?】
【やぁ、えと、僕の状態だと初めまして?かな、ツクヨミさん』
驚いたツクヨミはアオイから離れ自分の身体を確認した。
【あれ……どうして、僕は確か……】
【ジュンパクさんに力を全て渡して消滅したんだっけ?そのおかげで夜じゃなくてもジュンパクさんは力を引き出せる、その件はありがとうございました』
【……女神】
【キャハッ、そんな恐い顔しないで?今の僕は女神であってアオイだから……君たちの味方だよ!ジュンパクさんの力を分析して復活させただけ』
【君、それがどんなに人間離れしてるか解ってるのかい……この世界の神を自由に扱えるって事は__】
【それくらい力を付けないと、ピリオドは倒せないから』
【……】
【それに、お決まりでしょ?』
【?】
【異世界転生した人間が最強能力の持ち主って事は♪』
軽い……アオイの口調は軽いが言ってる事はめちゃくちゃな事だ。
【フフッ、その口調はいったいどっちの君なんだろうね】
【さぁ?♪』
【君の聞きたいことは解ってる……いや、君の思惑通り先程、不死鳥は命を手放したよ】
【うん♪ありがと』
そしてアオイとツクヨミはユキを見る。
「……?、おかぁさん?ジュンパク?」
【元々、クリスタルドラゴン、山亀、デスフェニックス、白虎の四聖獣は太古より女神が増えすぎた生物を調整するために作り出した生命体だ……3匹の魂はアオイ__様の元にある】
【そう、だけど不死鳥だけは倒すのに時間が足りなかった、だからツクヨミワールドに託すしかなかった』
【そして、僕は不死鳥を追い込み殺した__だが最後に不死鳥は“女神の加護”を受け取った者に託した……よくある話だ、僕の世界の時間はこことは違う、そして何も無い世界で足掻くのなら“考える”しかない、どんな生物でも不死ならば1億年居たら脳が進化するだろ、最後まで不死鳥は女神に従順だった訳だ】
【ま、略すと5億年ボタンなんだけどね〜、だけど、これについては本当に偶然』
先程ユキ小さくなる際に脱げてしまった装備のポケットが光だす。
【…………久しぶり……ヒロスケ』
不死鳥は“羽が1枚でもあれば復活する”





