【心の剣】
「……」
ヒロユキの装備の所々は破壊され身体はボロボロだ。
『キャハッ♪途中肝を冷やされたけど、この私にたった一人でよく耐えた方ね♪』
星に迫り来る大小様々な隕石と世界を滅ぼすピリオドの腕はヒロユキの魔眼により止められている。
「……」
『身体に合っていない魔眼を使ってみんなを守り、さらには私からの攻撃も凌いで見せた……ほんと、規格外の男ね、ほれちゃうじゃない♡』
「……」
『だけど、後一歩、届かなかったわね』
「……!?」
ピリオドがそう言うとヒロユキの持っている日本刀が折れた。
『キャハッ♪武器の方が持たなかったみたいねぇ』
「……」
折れた刃先は重力のない宇宙で浮いている。
『ねぇ、これが最後のお誘いよ?』
ピリオドの身体の前から巨大な魔法陣が展開され中央にパワーが凝縮されていく……
『私の世界に来なさい』
「…………」
ヒロユキは折れて使い物にならなくなった日本刀を横に投げ答える。
「死んでも断る!」
『あっそ、なら消滅しなさい』
魔法陣から放たれ真っ直ぐとヒロユキに向かって行く。
『こんな攻撃、今のアナタなら避けれるでしょうけど、後ろのみんなはどうなるかなー?』
「……」
『帰る場所もなく、この世界の宇宙でただ彷徨って孤独死しなさい、さようなら』
「……だれが、避けると言った」
ヒロユキは動かない。
『ふーん?避けないの?まぁそうよね?どうせ死ぬんなら他の人達と一緒に死んだ方がマシよね』
「……俺は死ぬつもりもない」
『何言ってるの、もうアナタの武器もない防具だってボロボロで宇宙に居るのを維持するのでやっとでしょう?』
「……」
『言っとくけどこれだけ耐えても誰も来ないわよ?地上のみんなはそれどころじゃないし宇宙にすら来れない、頼みの勇者2人は運命力で来たかもしれないけど少し前から私の世界に封じているしね』
絶望的な状況にヒロユキは
「……フッ」
笑った。
『ちゃんと聞いてた?それとも最後は笑って終わろうって訳?』
「……そこに居るんだな」
『は?』
「……お前の世界に二人とも居る、それが分かれば何も問題ない!】
そう言うと何も持っていない状態で構えを取る。
『まさか……いや、そんな、あり得ない!』
【これが……俺の剣だ】
そしてそのまま腕を振ると__
『!?』
魔法陣ごと巨大なピリオドの身体を斜めに斬り裂いた。
そして__
【……さぁ来い】
斬り口から1人の勇者が現れた。





