【ユキ】
ユキが消え、本来のこの世界のユキの中に【力】が湧いてくる。
「……おかしな感覚ですね」
いつの間にかユキは20代の大人の姿になっていた。
「今なら解る、私の言っていたことが」
床にあるもぬけの殻となった装備を胸と腰に巻く。
「やりますよ、私……」
最後に落ちている1枚の白い羽のネックレスを付けサキュバス達を睨みつけた。
「ジュンパクさん……」
全員を引き受けて一歩も譲らないジュンパクを見る。
否
ジュンパクの未来を視る。
「おかぁさんが言っていました、どうせ来る明日の事を考えるなら良い事が来ると考えろって!」
地面に刺さっていた双剣がユキの元へ来て炎を取り戻す。
「だから、私は良い未来を視て現実にする!」
そう言って脚を肩幅に開き双剣を上に突き上げ____
「【目撃・斬】!!!」
思いっきり振り下ろす。
『____!』
『__!』
『__』
「これは!?」
突如リュウト達の身体に2本の線が入り3枚に降ろされる。
『____』
だがサキュバスはいつも通り再生を始める。
「だから何ですか」
ユキは片手で剣を前に突き出すと魔法陣が展開されサキュバス達に照準を合わせた次の瞬間__
「【燃えろ】」
その言葉と共に直径3メートルの魔法陣から圧縮された高熱のビームが発射されジュンパクもろともサキュバス達を飲み込む。
「え!?ちょ__」
だがビームはジュンパクを焼くことは無く、サキュバス達だけを燃やし蒸発させた。
「…………」
「…………」
全てが終わり部屋にはジュンパクと大人になったユキだけ。
「え、えーっと」
「さ、行きましょうジュンパクさん」
「__お、おぅ」
雰囲気の変わりすぎたユキに対して文句もいえなかったジュンパクだった……
「おかぁさん……私……必ず救ってみせるからね」





