表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら女になっていました!  作者: しぇいく
最終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

620/644

『はぁ〜い、死ぬの確定♪キャハハハ!』


 「やられ、ましたね……」


 みやの仕込んだ毒は、“一定以上の魔力消費を感知した瞬間に全身へと巡る”というものだった。


 魔力消費だけに特化した特殊毒。

 

 「流石、みやさんですね……1番私に効く毒です」

 

 魔力が無くなるということは死を意味する。


 だが__この状態でも未来視を使わなければ、即死は免れない状況。


 「っ……」


 視界がぐるぐると回り、脳は霞がかかったようにぼやける。


 「魔力回復を__」


 そう言ってピンクの液体が入った小瓶を取り出したが__


 『____』


 「っ!」


 直後、リュウトがユキの手元を狙い、レイピアを突き込む__未来が視えた。


 「ぐ、ぁ……!」


 だが直後、頭を締め付ける激しい痛み。

 毒の作用に耐えながらもリュウトの一撃を避けた。


 それでもなお、“避けた未来の先”が見え、再び回避へと体を動かす。


 『__』


 次に見えたのは、避けた先に飛来するレールガンの閃光。


 「う、ぁっ……!」


 さらに__その次の未来。

 アンナが仕掛けていた罠の魔皮紙が発動し、ユキの体を拘束する。

 そこへ、あーたんの拳が顔面を狙って迫ってきている未来。


 「あぁ……! あああっ!」


 __もう今のユキでは、その未来は回避できない。


 「っ!」


 視た通りに罠が発動。

 咄嗟に剣を手放し、腕を顔の前で交差させてガードの構えを取る。


 『__』


 ……いや、正確には“考える間もなく、その体勢を取ってしまった”。


 「ゴフッ……!」


 それは未来を見てしまったがゆえの過ち。

 ――防御のタイミングが、早すぎたのだ。


 すぐさま、あーたんは気づき、拳の軌道を顔面から腹へと切り替える。

 渾身の一撃が、ユキの腹を直撃した。


 「う__」


 ――バキバキバキ、と。

 脳内で骨の砕ける音が響く。


 その反動で身体はゴムのように撓み、吹き飛ばされ、まともに受け身も取れず壁に叩きつけられる。


 「……っ」


 うつ伏せに倒れ動かない。

 その下には、じわりと血の水溜まりが広がっていった。


 『____』


 勝利を確信したリュウトが、ゆっくりと歩み寄る。

 血まみれのユキの髪を鷲掴みにし、無理やり顔を上げさせた。


 『__』


 リュウトの口はパクパクと動くが、声は聞こえない。


 「………フフ……」


 『__?』


 「“もう終わりだ”……そんな風に、言ってるんで、しょうね」


 掠れた声。震えながらもユキは言葉を吐く。


 「なんと……なく、ですけど、ね……わかり……ますよ」


 『____』


 リュウトは片手でユキを吊り上げ、レイピアを構える。


 「ん……ぐ……ゲホッ!」


 『__!?』


 血を吐き出した勢いで、ユキはその血をリュウトの顔へとかけた。

 ――今、できる精一杯の抵抗。


 「私は……まだ、死ねない……死にたくない……こんな……形で……」


 『____』


 だが、現実は残酷だ。


 『____』


 「あ……」


 血を拭ったリュウトは、迷いなくレイピアを突き立てる。

 その切っ先は、ユキの胸を貫いた。
















 

 『____!?』














 リュウトがユキの胸を貫いた、と、同時に__

 彼の背中を突き破り、真っ白な鎌の刃がリュウトの胸から現れる。


 「…………遅いですよ」


 鎌には黒い鎖が絡みついている。その先にいたのは__


 「何、俺たちのアネキに……手ェ出してんだゴラァララ!」


 怒声と共に現れたジュンパクの姿と――


 「そ、そうです!」


 小さなユキが居た。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー 小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ