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異世界転生したら女になっていました!  作者: しぇいく
最終章

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601/644

『ふーん』

 「ヒロユキさん……」


 「…………」


 少し間を置いて、ユキが声をかける。

 ヒロユキは涙を拭い、真っ直ぐと彼女を見据えた。


 「あの……」


 「……何も言わなくていい」


 「はい……」


 「どうすれば助けられる? 何をしたらいい?」


 「フフッ……」


 「……なに?」


 「ヒロユキさん、気付いてます? すごく嬉しそうな顔をしてますよ」


 「……フッ……否定はできない」


 「フフ……いい顔です。やることですが、今までと変わりませんよ、ヒロユキさん」


 「……?」


 「未来は無限にあります。でも決めるのはヒロユキさん……いいえ、【勇者】であるあなた達の行動こそが、運命を定めるんです」


 「……」


 「【勇者】とは何か? 異世界から来た力を持つ者でも、魔王を討つ者でもない。

 ――世界の運命を決める者、それが【勇者】なんです!」


 「…………」


 「って、スケールの大きい事言っちゃいましたけど……大丈夫です。ヒロユキさんには私たちが――」


 「――決めてやる」


 「へ?」


 「……俺の存在が、俺の選択が運命を決めるのなら……俺が定める」


 「ヒ、ヒロユキさん?」


 「……行くぞ、こうしてはいられない」


 「ちょ、ちょっと待ってください! 話は最後まで聞いて! 運命を決めるってことは……悪い方向にだって傾くんですよ! それに今回の相手は、その“運命”に関してだけは、他とは比べものにならない強敵なんです!」


 「……女神か?」


 「はい。でも――“本当の敵”は、お母さんの中にいる女神じゃありません」


 「……本当の敵?」


 「そうです。これからヒロユキさんに全て話します」


 ユキは一歩近づき、決意を込めて彼を見上げた。


 「――本当の敵の正体と、私たちの仲間について」


 















 

 

 

 

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