『リュウト君、ばいばい♪』
『
《神の島》
「ピリオド……」
『そっ♪人間も良く使うよね?あれと同じ意味だよ?もうこの世界は終わるの……私の手によって』
リュウトは空にうっすらと見える女性を見上げる。
「これが、お前の最終兵器か……ふざけた容姿にしやがって!」
その女性は裸のアオイの姿だった……否、リュウトにはそう見えている。
『ふざけた容姿?何言ってるのー?キャハッ☆あれは見る人によって違う人に見えるのよー?リュウト君のことだからアオイちゃんにでも見えてるんでしょ?うわぁ〜すけべぇ☆』
「……」
リュウトは抱きかかえているアオイを砂浜に置いてレイピアを構える。
『あら?やる気?』
そう言ってサクラ女王の姿をしたピリオドは魔法陣をリュウトに向けた。
その動作の瞬間リュウトは間合いに入りレイピアで____
「____っ!」
『あら?どうしたの?』
眉間ごと頭を貫こうとしたが数ミリの位置で止めた。
「なぜ避けない……」
『フフッ……』
「!?」
ピリオドは魔法陣を解いてリュウトを抱きしめる。
『ねぇリュウト君……この子、サクラ女王がどんな気持ちだったか考えた事ある?』
「は……?」
『最初こそ何も無いのに召喚してしまった罪悪感しか無かったけど、次第にリュウトの事を好きになってたのよ?』
「っ!?」
『気づかなかったでしょ?この子も解ってたから……リュウトの周りはみんなリュウトが好き、そしてリュウトは何よりもアオイが好き……』
「……」
『だからこの子は好きと言う恋愛感情を押し殺して生きてきた』
「それが!……今のお前と何の関係がある!」
『私のお婿さんにしてあげる』
「は?お前は何を言って__」
ピリオドは抵抗せずにリュウトを見つめる。
『サクラ女王を通してアナタを見ていく内にね……私もアナタに恋しちゃったみたいなの……』
「……あ、ぇ……」
『……私じゃ、ダメかな?』
「……」
リュウトの手からレイピアが消滅する。
その目からは先程の気力は無くなっていた……
『くくく……キャハハハハハ!なーーんて!』
ピリオドの顔は豹変し不気味に笑い高ぶる。
『ざ〜んねん、とうとう隙を見せてしまったね〜リュウトくん♪この子、サクラ女王に対しての罪悪感!ダメダメ〜そーんな感情を抱いちゃうと私の『魅了』にかかっちゃうよ〜?ってもう遅いか♪』
「……」
全身から力の抜けたリュウトは仰向けに倒れる。
『それにこの身体を殺した所でもう遅いのよ、私の魂はもうあの中……ってネタバラシして隙を作ろうとしたけど案外簡単な物ね〜?それともリュウト君に取って恋愛感情って言うのはそれほど重たいものだったのかな〜?ま、今となってはどっちでもいいか♪勇者の身体、ゲット〜』
そう言いながらピリオドはリュウトの身体をどこかへ“転送”した。
『さようなら♪勇者リュウト♪』