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『エス』【リン】

 《リュウトvsエス 決着後》



 【俺の……勝ちだ」


 「……」


 間欠泉が吹き荒れる中、俺の目の前には胸から血を出して仰向けで倒れているエスが居た。


 【……」


 「……」


 もうコイツは虫の息だ、ほっといても死ぬだろう。


 俺は武器をしまいその場を立ち去ろうと背を向けた。


 「……どこへ、行く、まだトドメを刺してないぞ」


 「…………」


 振り向くと、風穴のあいた胸を抑えながら上半身だけ起こしたエスが真っ直ぐ此方を見ている。


 「お前の魔皮紙は全部破壊されてる、ほっといてもお前は死ぬだろう」


 「フッ……甘いな、お前がどこかに行った後、復活するかもしれないぞ?」


 「それが出来るならもうしてるだろう?」


 「…………」


 「俺の勝ちだ、アオイは任せろ」


 「あぁ……リュウト……お前の勝ちだ……」


 エスは小さな小袋を取り出して俺にそれを投げてくる____中には小さなガラス玉が入っていた。


 「これは?」


 「……それは、かつて伝説の勇者と呼ばれた者の片目が加工された魔道具だ……上手く使えば『あいつ』を封印できる」


 「お前……」


 「勘違い、するなよ……俺が惚れた……のは『あいつ』じゃなく【アオイ】……組織に入っていたのも『あいつ』をアオイから追い出す為……」


 「……」


 エスはそう言ってまた仰向けになる。

 死が近いのだろう、手の力も抜けて目の光が無くなり焦点が合わなくなってきている。


 「ぜっ……たい……に……アオイを……」


 「あぁ……助け出して見せる」


 「フッ……__」


  

 最後にエスは笑って、灰になり消えていった……



 それと同時に俺の足元に魔法陣が展開され周りが真っ白になっていく。






 「エス、お前の想いは受け取った……待っていろアオイ必ずお前を____救い出して見せる!」



 



 

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