相討ち
『な……ぜ……」
強固な鎧を易々と貫き核を破壊されたルカは身体が崩壊して行く。
「説明するつもりはない、あの世でじっくり考えとけ」
『……」
バリンと高いところからガラスを落としたようにルカはこなごなになって消えていった……
「…………」
ルコサは近くで死んでいるクロエを見る。
「ごめん……クロ」
ここは【神の世界】ではなく『アオイの世界』……仲間が生き返ることはない……
次は先ほど真っ二つにされた仲間____【サキュバスの魔眼』を使ってルコサに変身していたオリバルの所へ行く。
「ごめん……オリバ」
彼は涙を流しながらオリバルに謝る。
「……」
無傷で済むとは思っていない、死ぬのでさえ【神の使徒】になる前、冒険者になった時から全員覚悟していた事のはずだ。
「………………」
涙を流す彼の身体が少しずつ灰になっていく……世界を越えて呼び寄せた【ドラゴンスレイヤー】を無理矢理自分専用の武器に変えた代償だ。
「…………あぁ、そうか……俺も死ぬんだ……」
自分の手を見るともう手首から上は灰になっている。
「ハハ……あの世でクロ達に謝ろう…………」
足も無くなりそのまま前に倒れる。
「……………神よ、最後に願いを聞いてくれるなら……アイツらを天国に____」
そこで彼の身体は全て灰になり消えていった………
『さぁ、これで全ての決着がついたわ……最後は……『私』ね』