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神の使徒で1番弱い奴


 「『クリスタルニードル』!」


 ワシは近接攻撃をしてくる2人を要注意しながら方翼を思いっきり開き大量の羽を飛ばす。


 「鬱陶しいのじゃ!」


 狙い通り、何百何千と言う神の使徒の武器に当たって爆発する。


 「くっ!」


 何発か弾が当たって血が流れる。

 身体を治しながらも近くに来るなら串刺しにしてやるのじゃ!


 「……」


 だが、奴らは来ない。


 「流石神の使徒なだけな事はあるのじゃ」


 先ほどからワシは攻撃を止めていないが今度また近くに来たら確実に殺す算段はついている。


 それをこいつらは気付いている……本能か?


 「だが!このまま行けば其方は攻撃できまい!なのじゃ!」


 尚もワシから距離を取りながら下から出てくるクリスタルを避けていく2人、このままでは範囲を越えてしまうのじゃ。


 「逃げれると思うななのじゃ!」


 再生した翼を広げてその場から踏み込み飛ぶ。


 「ぬわっはっはっ!なのじゃ!」


 ワシの速さに周りの岩盤が削れ舞い上がっていく。


 「クロ!」


 「頼むぜ!ルコさん!」


 奴らは転移魔法に頼り出した!どうじゃワシの速さは!

 1人の男が金髪のチビ女の手を掴んで複雑に転移していくがワシはスピードを維持しつつも直角に曲がり追っていく。


 「ぬわっはっはっは!もう先程の様にはいかんぞ!なのじゃ!貴様達はワシが殺してコレクションに____」


 っ!?!?


 飛行体勢がくずれた!?

 

 「なん____」


 そのまま勢いを殺せず岩盤の上をゴロゴロと転がり何があったか理解できないまま、ボロボロになった身体を起こして立ち上がると背中が妙に軽かった。


 ……まさか!


 急いで後ろを振り向くと__


 「ワシの翼が!?」


 根本が折れたワシの翼が2本、岩盤に突き刺さっていた。


 「い、一体どこから!?なのじゃ!?……あ!」


 しまった!今の隙に追っていた2人を見失ったのじゃ!


 「くっ!」


 急いで翼と身体を再生させて周りを警戒するがまったく気配もない……


 おかしい……今の隙を見逃す様な相手ではないのじゃ。


 「それにワシの翼を折った攻撃……」


 1度目、あのルコサとか言う神父の攻撃は紛れもなく勇者の一撃に匹敵した、あれを何発も撃ってこられたら人たまりもなかったが、早々連発出来るものでもないのだろう。


 だが、今回折られた翼は1番細い所を的確に撃ち抜かれている様な……!!


 「あやつか!なのじゃ!」


 早々に戦線離脱して行ったもう1人の神の使徒、確かオリバルとか言っておったかのじゃ。

 

 「1番威力が弱い奴と思って後でゆっくりいたぶろうと思っていたのじゃがこんな隠し球を持っているとはなのじゃ」


 ワシの中の順位が狂う。


 「警戒するのはルコサ、オリバル……なら1番弱いのは____」


 その瞬間、1つの穴からバシャーーーンと赤い水を巻き上げながら誰かが出てきた。


 「てめー……黙って聞いてりゃ言いたい放題言いやがって……ルコさんやオリバより俺がよぇーだと?」


 「貴様、そんな所に隠れておったのかのじゃ」


 そいつは自分の身体と同じくらいある黒い大きな鎌をもって歩きながら此方へ寄ってくる……ほう、小さい身体に見合わず、中々の殺気なのじゃ。






 「んなこたぁどうでもいいんだよ……それより、さっきの言葉、訂正してもらうぞゴラァ!」


 




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