ルコサ達
《ステージ 血の池地獄》
濡れている岩の足場の所々に穴があり、その中には真っ赤な水がフツフツと沸騰しながら赤い煙をだしている。
「いや〜、この光景にこれはまた合わないでしょ」
「思いっきり誘ってんじゃねぇか、殺されてーみたいだな」
「元々、殺さないと出れない……」
そんな中、ルコサ、クロエ、オリバルの前には大きな“クリスタルの城”が建っていた。
「どうする?入る?」
城の入り口は開いている、外からは相手が確認できないがルコサ達はほぼ誰が相手か理解している。
「わざわざ招いてるんだろうが、入る必要はねぇよな」
「同意……」
「じゃぁ満場一致で入らないという事で!」
「どぅおおおい!?それはないのじゃ!」
3人の会話を聞いていたのか……入り口の見えないところから背中に「喧嘩上等!」と書かれた特攻服を着たルカが慌てて出てきた。
「あ、出てきた」
「出てきた、じゃないのじゃ!ここまでしておいてそれはないのじゃ!」
「え〜だって、中に入ったら罠とか色々あるんでしょ?」
「うぐ、それはそうなのじゃが……お主ら紛いなりにも冒険者なのじゃ!仲間と協力して苦難を乗り越えてようやく辿り着いたワシと対決するものなのじゃろ?」
「え、それどこの話よ」
「御伽噺とか読みすぎじゃねーの、馬鹿じゃねーの、死ぬか?」
「現実を見ろ……」
「なのじゃ!?」
ルカの必死の問いに冷たく接する3人……ルカは少し涙目になる。
「せっかく頑張って作ったのに……なのじゃ」
「ねぇクロエ、どうする?可哀想だし入ってあげる?」
「のじゃ!?」
「却下」
「即答なのじゃ!?」
「たりめーだろ、それにこんな見え見えのもん作ってたら裏にまわって壁に穴開けて入るとか、この建物ごとぶっ飛ばすかだろ」
「お、お主達は鬼か!女神か!?なのじゃ!」
「テメーが人間の世界でなんの漫画読んだか知らんがそれならそれでもっと中に強制的に入るように誘い込めや」
「そんな殺生なのじゃ……」
「あ〜……ちなみにだけどさ、その語尾って何?キャラ付け?」
「こ、これは勝手に口が動くのじゃ!生き返った時からずっとなのじゃ!」
「へぇ、女神のお遊びかな?」
「まったくなのじゃ……これが普通かと思ったら全然違ったのじゃ……」
「後さ」
「む?」
ルコサがそう言った瞬間ルカの四方八方にありとあらゆる魔法陣が形成され、さらにルコサ達の頭上から何千何種類と言う銃が出てきてルカを捉える。
「最後に言い残す事って何かある?」
「……結局、ワシの城は____」
「ばいばい」
ルカが言い切る前に攻撃は開始された。