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異世界転生したら女になっていました!  作者: しぇいく
第九章

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『お邪魔しまーす♪』

 《ツクヨミの部屋》


 「はぁ……はぁ……」


 ネオンライトが光るバーのような空間。


 その床に腰を落とし、冷や汗を垂らすツクヨミの姿があった。

 神の威厳は影を潜め、ただ荒い呼吸だけが響いている。


 「……どうした?」


 心配そうに見守るヒロユキとジュンパク。


 「ら、らしくないじゃん……いつもの、ビッチみたいな余裕はどうしたの?」


 「フ……フフ……たしかに……僕がこうなるなんて……いつぶりだろうね」


 「……何があった」


 「…………不死鳥を僕の世界に飲み込んだ、その瞬間……声が聞こえたんだ」


 「声?」


 「うん……」


 「その声って……」


 ツクヨミは視線を落としたまま呟いた。


 「……彼女の声……女神の……」


 「何て言ってたの?」


 「…………『やっぱり私が行かないとダメかぁ』って」


 直後。


 ――バタンッ!


 鋭い音が部屋に轟いた。


 「「「!?」」」


 振り返ると、そこにはピンクハートで装飾された、場違いなほど可愛らしいドアが現れていた。


 「知らない! 僕はこんなドア知らない!」


 「……と言うことは」


 「女神……!?」


 3人の全神経が研ぎ澄まされる。


 そして――


 「「「!!!!」」」


 ドンドンドンドン! ドンドンドンドン!

 連打される扉の音が静寂を破り、部屋中におぞましい気配が流れ込んでくる。


 「ツクヨミ!」


 「分かってる! 今……抑えてる! くっ……何て力だ!」


 ツクヨミは必死にその扉を封じようとする。

 だがピンクの扉はカタカタと震え、少しずつ開いていく。

 隙間から溢れ出したのは、神ですら背筋を凍らせる濃密な殺気――。


 「……ジュンパク!」


 「うん!」


 すかさずヒロユキとジュンパクがドアに飛び込み、ツクヨミと共に必死で押さえ込む。


 「……」

 「……閉まった?」

 「……」


 三人の全力で、ようやくドアは閉じられた。

 殺気は遮断され、あの不気味な音も止む。

 重苦しい静寂が訪れる。


 ――だが。


 『キャハハハハハ♪ 必死すぎ★ こういうの、アオイちゃんの世界じゃ“必死すぎワロタ”って言うんでしょ?♪』


 「なっ!?」


 「……いつの間に……」


 『え? 最初からだよ? だって、みんな気づかなかったの?』


 楽しげな声が、耳元で囁くように響く。









 『ドアは一度開かないとバタンって音はしないよね?♡』















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