ヒロユキ&ジュンパクvs不死鳥 勝負開始!
「――――ッ!!」
デスフェニックスは灼熱の羽を撒き散らしながら上空へと舞い上がり、久方ぶりの大空を我が物顔で旋回した。
その軌跡だけで周囲の樹々が燃え落ち、灼熱の空気が地上にまで押し寄せてくる。
「アニキ、あれが僕たちの敵ってことかな?」
「……だろうな」
「いや〜……二人で?」
「……だろうな」
「ふざけんな⭐︎」
――冗談めかしてはいるが、瞳の奥には緊張が走っている。
「はぁ……デスフェニックス。名前の通り“死を運ぶ鳥”……伝説じゃ、あいつが飛んだ後は焼け野原しか残らないって言われてたけど……正体はこれだったんだね」
「……あぁ」
「おまけに“不死鳥”って呼ばれるのは、羽一枚でも残っていれば死なないって伝承もある」
「……そうだな」
「アニキ、本当に聞いてる?」
「……聞いてる。つまり、羽一枚残さず始末すればいいんだろ?」
軽く言い放つヒロユキに、ジュンパクの口元がニヤリと吊り上がる。
「そういうこと♪ さっすがアニキ!ちなみに伝説じゃ勇者が封印したって言われてるけど……なにか思いつく?」
「……まずは斬ってからだ」
「そう言うことだね!アニキ!」
「……さっさと終わらせて、確認したいことがあるからな」
「うひゃぁ。伝説のモンスターを前に“さっさと終わらせる”なんて……本当にアニキはかっこいいんだから!」
そう言ってジュンパクは真っ白な鎖鎌を構え、ヒロユキは静かに黒刀を抜いた。
「敵は空を飛んでる……つまりアニキの出番だね!」
「……任せろ」
次の瞬間、ヒロユキの瞳に【リブラ】の魔眼が光を宿す。
その力に導かれるように、二人の身体はゆっくりと宙へ浮かび上がっていった。
まだ小さな影にすぎない二人の存在に、デスフェニックスは気づいていない。
その巨体は悠然と羽ばたき、灼熱の羽を散らしながら空を支配していた。
「とりあえず属性を試してみよう。ミーは雷を使うから、アニキは水をお願い」
「……分かった」
互いに魔皮紙を手に巻きつけ、戦闘の準備を完了する。
「……行くぞ、ジュンパク」
「うん! アニキ!」
二人は呼吸を合わせ伝説の不死鳥へと飛翔した!





