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『息抜きに水泳でもしよっと♪』

 一方、外でも不穏な動きがあった。


 「ーーー!?』


 「オオオ!?」


 顔に張り付いていたブルゼが一瞬硬直しそこを山亀が噛み付いた。


 『ーーー!』


 「イイイイ……」


 そのまま山亀は『自分の意思とは関係なく』ブルゼに噛み付いたまま海底深くに潜っていった……



 『ふんふふ〜ん♪』


 そんな巨体が戦っていた海の上でいつの間にか白いホルターネックビキニ姿の『アオイ』は呑気に大きな浮き輪の上で仰向けになり浮かんでいた。


 『これで半分は殺したかなぁ〜』


 太陽がアオイの白く綺麗な肌を照らす。


 『はぁ〜……どう足掻いても絶望って案外簡単に作れるよね』


 そんな事をため息混じりに言っていると海が盛り上がってくる。


 『お〜♪』


 浮き輪のまま波に乗っていき先程のアオイが居たところには山亀が出現した。

 かなり深くに潜ったのか圧力で所々凹んでいる。


 「ーーーー」


 『おめでとう♪亀ちゃん、アナタの勝ちよ』


 「ーーーー」


 『うん♪これでアナタのお仕事は終わり♪後は好きに生きて死になよ♪この世界が気に入ったならあげるけど?』


 その瞬間、山亀はアオイに向かって攻撃を開始した。


 『ふ〜ん?』


 だが攻撃はアオイに届く前に全て消えて行く。


 「ーーー!!!」


 『先輩に触発されたのね〜♪あんまり話してもないのに良くそこまで感情移入できたね!えらいえらい!人間らしいよ!でも、残念♪』


 「ーーー!?!?!?」


 山亀の巨体が『糸』により宙に浮き上がる!


 『相手は冷酷で残忍で可愛くて美しい……女神よ』


 「ーーーーーー!!!!!!!」


 そう言うと絡まった糸が食い込んでいき一瞬で山亀の巨体はバラバラのブロック状に切れて海に沈んでいく。


 『うわぁ♪見て見て!あんなに青かった海が綺麗な赤い血の海になっちゃった!』






 血の海の上で、独りではしゃぎながら泳ぐ『アオイ』は心底楽しそうだった……

 






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