表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら女になっていました!  作者: しぇいく
第九章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

561/644

一点突破!

 「動き、変更?」


 あの魔物……ヒロユキから聞いた名は――ブルゼ。

 ミクラルを恐怖に陥れた悪夢の群れ。

 なぜここに現れたのかは分からない。だが今、確かに私の城を攻撃している。


 「正面突破?」


 ならば、兵を回して阻む――いや。


 「……」


 待て。ここで此方の陣形を崩せば――


 「違う。陽動」


 分かりやすい。だが、あまりにも露骨だ。


 「あと少し」


 胸のバッジから魔力を吸い上げ続ける。

 まだ足りない。

 普通の人間のアンナはともかく――あの神の使徒。


 「全力でなければ危険」


 本来なら、突破されるまで何日も稼げるはずだった。


 ――だが。


 「異様、突破力」


 急いで植物兵を通して戦況を確認する。


 「黄金……?」


 そこには――黄金に輝くブルゼの姿があった。


__________


 《アンナ視点》


 「……」


 右を見ても左を見ても――ブルゼ。

 アンナは自分の姿を悟られないよう、兵の群れのど真ん中に紛れていた。


 「いくら見ても……この姿、慣れないわね」


 味方だとしても、おぞましいものはおぞましい。


 「オオオオオオオオ!」


 その群れの先頭で、黄金に輝くブルゼが吠えながら突き進んでいく。


 「アアアアアアアア!」


 「声まで気持ち悪い……」


 だが、その戦闘力は桁外れだった。要塞の防衛を次々と突破し、道を切り開いていく。


 「……この勢いなら、三日もあればユキナに辿り着く。でも……」


 ここは要塞の中。休む暇などない。

 命を削り合う、本物の戦場。


 「……まさか、こんな場所に来るなんてね」


 ふっと笑いながら、取り戻した記憶が蘇る。

 呪いによって“考えないようにされていた”過去。


 「あの頃からすれば、随分変わったものよね」


 普通の女として生きていた。

 だが、ある日――奴隷になった。


 「……よくよく考えたら、本当にバカなことで奴隷になったのよね。でも、それが……私の人生の分岐点だった」


 「イイイイイイイイイイ!!」


 ブルゼたちの叫びが響く中、アンナは深く息を吐き、走り続ける。


 「……少なくとも、昔の私なら――こんな場所にいるなんて、絶対に考えもしなかった」


 アンナは思い出す、リュウト達、アオイ達に会って変わっていった自分を__


 「……柄じゃないけど、気合入れてやってやろうじゃない!」


 アンナは前を睨む。


 「待ってなさい、ユキナ……! 裏切ったこと、必ず後悔させてやるから!!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー 小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ