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失われていた記憶

 

 「………」


 「思い出したさね?」


 「はい……」


 「フッ、どうやら私の口調とその時に求めてた物、神の使徒って事で私の正体も気づいた様さね」


 「……」


 「今頃敬語なんていいさね、お前はもう奴隷じゃない」


 「ですが」


 「あの時、私を裏切って一泡吹かせてやろうとしてた威勢はどこいったさね?それに__」


 「?」


 「アンタに敬語を使われると若返った気がしないさね」


 「……解りま……ふぅ……わかったわ、私も切り替えてルダって言う人物として接するわね」


 「それでいいさね」


 「最後に一つ」


 「む?」


 「アナタ……本当に若い頃その顔だったのね……」


 「ククッ、メイド達の間で昔の写真と違うって噂が流れてたさね?」


 「正直別人だからメイドの中ではお孫さんってことになってましたよ」


 「あ、敬語」


 「あ」


 「アンナ姉ちゃん敬語は嫌ですよ〜」


 「わかった、分かったから気をつけるわよ」


 お互いに変な形で再開したことを確認しながら本題に入った。


 「それで、アンナ……話の続きさね」


 「えぇ、まずはあの種、転移とかじゃなくて普通に出てきた、そしてユキナの周りに絡み付いていた水を吸って一瞬で木の根になって攻撃してきたわ」


 「ふむ、確かにさね」


 「そして、彼女はその時、魔法名の様に『芽生えろ』と言っていた、おそらくあれが彼女の能力」


 「ふむ」


 「仮に【緑の魔法】と名付けるわね、見ていた感じおそらく単純に考えて条件は水があること」


 「それだとこのステージは奴の十八番ってとこさね」


 「そうなのよね、オマケにあっちが追ってきてるのかすら不明、もしも追ってきているのならとりあえず陸地があるところまで逃げ回りながら作戦を考えるしか……」


 「いや、追ってきてはないさね」


 「分かるの?」


 「分かるさね、どうしてかって言うのは後で説明するさね」


 「そうね、追ってきてないなら十分に整理できるわ」


 「それで?」


 「最初に言ったみたいに一応ユキナに対して色々と試してみたのよ、拘束した時に電気を流してみたけど全くダメだったわね、感じてないくらいケロッとしてたわ、それから風魔法の魔皮紙を飛んでる時に使ってみたけど木の根の先は斬れてもどっしりとした太い部分には全くダメ、あの花の砲撃を防ぐのにグリード、ミクラル、アバレーの最上位防壁魔皮紙で対処してみたけどどれも一撃でダメになったわ、むしろ防げたのが御の字くらいね他には__」


 「……一体どれだけ試したさね?」


 「ザッと50個ほどよ」


 「……」


 ルダは想像以上の数に驚いた。


 「さっきの間によくそんなに試したさね……」


 「当たり前じゃない、私はアナタ達神の使徒でも、勇者でも特別な力も持ってないんだから、卑怯と言われようともこうしなきゃ勝てない」


 「(普通の人間でついてくる事がどれだけ大変か……私から見たらお前もよっぽど普通じゃないさね)」


 「効果があったのはどれだったさね?」


 「効果があったのは3つ、そしてまだ試せてないとっておきなのが一つあるわ」


 「それは?」


 「まず、不意打ちの水を操ったのは効いたわね、それと木を見た瞬間に使った【除草】の魔皮紙も少しながら効果があったわ……ウッドリーワンド様に濃度調整されてるけど高めればもっといけるかも、それに火の魔法よ、これは言わずもがな、ね、すぐ消されたけど、他の魔皮紙の対処とは比べ物にならないくらい早く消されたわ」


 「ふむ……」


 「それで、次はあなたよ、何が出来るの?……いや、何が能力なの?」


 ルダはニヤリと笑って応える。






 「私の能力、その全てを説明するからその普通の人間の頭を回して上手く使ってみせるさね、アンナ」








 

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