『許してあげる』
「______ハッ!?」
『どう?全部理解できた?』
真っ暗な洞窟の中、私の目は覚める。
「私は……一体……」
『それが、アナタの辿る未来よ、運命ってやつ?』
「お姉さん……」
私は疑う事はしなかった、心の底から今の夢は事実だと理解できた。
『今なら分かるでしょう、私、【アオイ】ちゃんがめちゃくちゃ怒ってた事』
「はい……ですぞ」
『その結果、アナタは終わらない時の牢獄に囚われた』
子供の頃、自分達を食べて力を手に入れ、成長すると過ちを犯し子供の自分に食べさせられる。
私はループを永遠に繰り返していたのだ。
「私は……どうすればいいのですぞ、お姉さん……」
『キャハッ♪大の大人が仮面から溢れるくらい泣いてる〜だっさ〜☆』
「うぐ……」
お姉さんはそう言いながらも、泣き崩れた私を撫でながら抱きしめてくれた。
『よしよし、お姉さんが助かる方法を教えてあげる』
「お姉……さん」
『もっと、私を愛しなさい愛して愛して愛して愛しなさい』
「愛する……ですぞ?」
『そう、愛が足りなかったのよ、本気の愛ならあんな事態にはならなかった』
「本気の愛……」
『アナタにかかってる『魅了』を今____解くわ』
自分にかかっていた魔法の呪縛から解放されていくのが解る。
「…………」
『気分はどう?』
「…………あぁ、私は……」
魔法から解放された私の心に最初に現れたのは____安堵感。
「正しかった、ですぞ、魔法が無くてもアナタは美しい」
『そ?当たり前だけど〜』
「我が君、アナタに救ってもらったこの命、アナタの為に使います」
『キャハハっ言わなくてもそのつもりよ〜?ちゃんと私の為に生きて私の為に……死んで逝ってね☆』
______そう、私は魅了など無くても、心からあの人に恋をしていた。
永遠のループの中の全ての私も好きになっていただろう。
だから____!
「ラクネ……」
「はい……」
「一緒に逝くですぞ」
「解りましたまし、主人様」
自分の中の魔力を暴走させる。
「!?、まさか!自爆するつもりか!」
「キール、我が君にどうしても貴様の存在は邪魔ですぞ、だから……私と一緒にあの世に行くですぞ!」
「くっ!あーたん!全力でここから離れるぞ!」
「うんー!」
「最後に見ていてくださいですぞ我が君、これが私の愛の大きさですぞ!!」
あぁ……我が愛は____