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チャンスを与える

 

 「君は……この身体のオリジナルか一体どうやっ__」


 「うるせぇ!今すぐそこから退け!」


 怒りに任せてジュンパクは鎖鎌をツクヨミに飛ばし一撃で仕留めようとする。


 「ちっ!」


 だが、鎖鎌はツクヨミまで届かず途中で止まった。


 「うおおおおお!」


 魔法も使えないのを確認した後ジュンパクは走り出し直接殴ろうとしたが


 「落ち着きなよ、ただの人間」


 「くそっ!」


 ジュンパクの手足は漆黒の鎖に拘束された。


 「はぁ……これが興醒めとかヤる気なくなったとか言う感情なんだね」


 ツクヨミは服をゆっくりと着ながら浮いている武器を見る。


 「なるほど、以前から気になっては居たんだけど、これ、神の武器じゃん、しかも【神聖】が終わってない神の武器……君、この島に昔来たことあるね?」


 「何の事を言ってるのやら!ミーのその武器はたまたま落ちてたんだよ!」


 「たまたま?へぇ?【神聖】をしてない事でどうやらここに来れたみたいだね」


 「何言ってんだ、ミーがここに来れたのはそんな小手先の理由とかじゃねぇ」


 「ふーん?なんだい?」


 「愛の力だ!」


 「愛の力?なんだいそれ?」


 「愛の力は無限大!アニキを思う力がミーをここに呼び寄せた!」


 「そんな説明で僕が納得できるとでも?君がここに来れたのは、偶然に神聖を行っていない武器を持っていて、たまたま僕が勇者に干渉したからこその奇跡だ」


 ジュンパクはその説明を聞いてニヤリとする。


 「自分で言ってるじゃん、“偶然”、“たまたま”、って」


 「……」


 「それを呼び寄せたのが愛なんだよ」


 「君がその武器を持っていたのはヒロユキに会う前なのにかい?」


 「愛の力に時間なんて関係ない」


 ジュンパクは真っ直ぐと自分の身体を元にしたツクヨミの目を見る。


 「ふむ……」


 ツクヨミはジュンパクの鎖鎌を指でなぞりワザと指から血を出してそれを舐める。


 「気に入った」


 「は?」


 「この僕が気に入ったと言ったんだ」


 ツクヨミは拘束されているジュンパクにゆっくりと近付いていく。


 「そりゃぁ光栄ですね、じゃぁアニキと一緒にここから出してもらえるとありがたいんだけど?」


 「ははは、ここまで僕がしててそれは無い、だけど君にチャンスを与えよう」


 そして、ジュンパクの目の前まで来た。

 背丈もジュンパクより伸ばしているので自然とツクヨミの大きな胸がジュンパクの顔の前になる。


 「チャンス?」


 「そう」


 「むぐっ」


 ジュンパクを抱きしめ、目の前が柔らかい感覚で包まれ真っ暗になり、そのまま暗転する。


 {さぁ、目を開けて}


 先程とは違い、放送のように響くツクヨミの声を聞いて目を開けると


 「ここは……ミクラルのモンスターコロシアム?」


 ミクラルで有名な場所の真ん中に立っていた。


 {そう、ここは君たち人間が使ってるコロシアムだ}


 「それで、ありがたいアナタ様はミーになんのチャンスを?」


 {僕が今から召喚するモンスターを倒せれば君の武器にこの僕が【神聖】してあげて尚且つ、ヒロユキを返してあげる}


 「美味しい話には裏があるって言うけど?」


 {もちろん、君が倒すべきモンスターは知能以外は魔王級、人間1人で倒せる訳ないと思ってるよ、そして倒せなかった場合、君の身体は僕が頂く}


 「ふん……ミーの身体を使って何をするか分からないけど、いいよ、その賭け乗った」


 {では、君の相手を召喚しよう}


 ゴゴゴゴとジュンパクの前の大きな扉が開く。

 そこにはリュウト達の所にいたタナトスより3倍ほど大きく、尻尾が2つある個体がジュンパクと同じ鎖で拘束されていた。





 {名を《キングタナトス》……彼を見事倒せるかな?}


 



 ツクヨミが指を鳴らすと同時にジュンパクとキングタナトスの拘束が解かれた。







 

 

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