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ストライキ!


 {では、検討を祈る}


 「ま、まって!話を!」


 返事はない。

 

 最後になんていった?


 ベルドリ?


 「__っ」


 意味を理解した……


 その瞬間、先程までなんとも思わなかった調理器具が途端に死刑執行の道具に見え始める。


 「ひっ……」


 俺が?ヒロスケを?


 「クォ」


 異常を察したヒロスケは優しく羽で俺を包んだ。


 「ヒロスケ……」


 ヒロスケの匂いに包まれながら俺は決心をした。


 「そ、そうだよ!何でも出来るって今さっき思ったばかりじゃないか!」


 そう、2人なら何でも出来るんだ!


 切り替えろ!俺!


 「ありがとうヒロスケ、もう良くなったよ、ちょっと待っててね」


 「クォ!」


 決めた。


 俺はこの場所から脱獄する。


 どんな事が起きるか解らない。

 もしかしたらこの部屋から出た瞬間に死ぬかもしれないが、ヒロスケを自分の手で殺すよりは一緒に死んだ方がマシだ。


 「さて、と」


 部屋からの脱出。


 まずは定番の《木の板》のアイテムからだね!なーんて……


 そうだよ、楽しめ、この状況を!

 焦る気持ちを抑えるんだ、そっちの方は考えるな!ポジティブに……より良い結果になる事だけを想像しろ!


 俺が異世界主人公と考えると脱出出来るのは確実なシナリオだ!


 「……」


 俺は部屋中を歩き回り探索する。


 何か隠し扉、隠しアイテムがあるかもしれない!


 脱出ゲームしてる時で例えるなら部屋の中のありとあらゆる所をA連打!

 左!右!A!B!


 スプーンで壁を突いてみたがとてもじゃないが壁は崩れない。

 他の部屋と違ってこの部屋だけ壁が綺麗で頑丈なのは俺と同じ様な考えのやつが居る事を想定してのことだろう。


 「何より、こんな事をしてるのに何も言ってこないところが腹立つ」


 絶対に脱出されない余裕の現れなのか、そもそも他の奴隷達を見てこちらのモニターを見ていないのか解らないが、スプーンで壁を突くなど見た瞬間に看守が飛んできそうな物だ。


 「もっとも、看守が入ってきた瞬間__」


 調理器具の包丁を見る。


 「……………」


 いや、それは本当に最後の手段として取っておこう。


 ____________



 ________



 ____



 ……あれから、3時間。


 

 「うん、無理だなコレ」


 何の成果も上げれませんでしたぁ!!!!!


 いや、普通に無理よ!最後の方なんてもう見られてもいいから思いっきり入ってきたドアを蹴ったり鍋投げてぶち当てたりしてたけどまっっっったく反応なし!




 どうすんの!これ!どうすんの!!おれ!!




 「こうなれば最後の手段だ!」



 上手くやれば数日分の食料もある。

 それに料理をすると言う事は食べる人がいると言う事、期限があるはずだ!


 流石にその日まで料理が来なかったらあっちから何かアクションがあるに違いない!



 俺はその日まで__



 「ストライキする!」


 「クォ!」


 

 何もしない。


 そう言う選択肢を取った。

 

 「まずは節約術だね」


 ここの節約と言うのはもちろん光熱費やガス代ではなく食料の節約。

 

 ナマケモノはハンバーガーのレタス一枚分で一日を生き延びれるのは動かないからだとテレビで聞いたことある。


 「何も考えず、寝よう」


 「クォ」


 ちょうどヒロスケもさっき食べて眠くなったのか俺の言葉に反応していつもの様に丸まって寝てくれている。


 そう、いつもヒロスケは俺が寝やすい様に真ん中を開けてくれてるんだよね……


 「……」


 俺がそこに寄りかかるとその美しい白い羽で包み込んでくれる。


 「あのさ、ヒロスケ……」


 「クォ」


 「こんな事になったけど、僕は君と会えて良かったよ」


 「クォー」


 「もちろん、他の奴隷仲間達も大切だよ?だけど正直、お前が1番だよ」


 「クォ」


 「ふぁ〜あ、何だかんだ山行ってからヒロスケ途中で居なくなっちゃったし、こんな感じで寝るの久しぶりだね」


 「......zzZ」


 「て、寝てるし!?」


 ま、まぁ無理もないか、何やかんや結構な時間俺たち寝てなかったし……



 「ふぁーぁ……僕も寝るかぁ、おやすみなさい」














 そういって『私』は睡魔に逆らわず身を任せた。
































『キャハッ♪おはようございま〜す♡』

























 



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