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朝食!

《8:00》


「ん~~~、もうちょっと寝てたい……」


アオイは布団の中でごろごろと丸まりながら、しばらく葛藤していたが、意を決して起き上がる。

目の前にはユキちゃんがスヤスヤと眠っている顔。


「……可愛い。」


思わず頬が緩みつつも、そっと布団を抜け出す。まだ眠りたいけれど、朝ごはんを作らなきゃいけないのだ!


部屋の外に出ると、霜が降りた山の冷たい朝。空気がひんやりしているが――


「あったかーい!」


アオイが両手を広げてひらひらとスカートを揺らす。支給された魔法の服は、寒さ知らず!

しかも、スカートで足が出ている部分もぬくぬく快適!これはポータブル暖房と呼んでも過言ではない。


「スカートなのに寒くないってすごいよね。最高!」


そんな調子で外の冷気を楽しんでいると、ちょうどおじいちゃんが出てきた。


「おはようございます、マスター!」


「お、起きたか。早いのぅ。」


「はい、朝はユキちゃんのために準備しなくちゃですから!」


「うむ。今日はワシが出かけるから、朝ごはんの支度はお前に任せるぞ。」


「任せてください!」


「あと、ユキの前では『おじいちゃん』と呼ぶんじゃぞ。」


そう言っておじいちゃんは出ていった。


「よーし、頑張るぞー!」


冷蔵庫を開けると――見たことのないカラフルな卵や不思議な食材がぎっしり。


「え、この卵……すごい毒々しい色してるけど大丈夫なのかな……」


少し味見をしながら、試行錯誤していく。


「でも……これが楽しいかも!」


《9:00》


「ふぁ~。」


「ユキちゃん、おはよう!」


ユキちゃんがパジャマ姿で目をこすりながら出てきた。


「おはよう!おかぁさん!」


「あ、顔洗ってきてね?」


「はぁい!」


トテトテと流し台に向かうユキちゃんの後ろ姿に、思わずにっこり。


「可愛いなぁ、ほんと……。」


今朝のメニューは「なんちゃってベーコンエッグトースト」。

不思議な食材で作ったけれど、なんとか形にはなった!


「これ、ユキちゃん気に入ってくれるかな……ドキドキする……。」


シャーッと水の音が聞こえてくる間に、お皿をテーブルに並べて準備完了。


「わぁ!何これー!」


気が付くとユキちゃんが戻ってきて、テーブルを見て目を輝かせていた。


「えっとね、ベーコンエッグトーストっていうんだ。食べてみる?」


「食べる!」


「ちょっと待って!まずは『いただきます』をしなきゃ。」


「いただきます?」


アオイは手を合わせて教えてあげる。


「こうしてね、このごはんや材料になった命に『ありがとう』って言うんだよ。」


「わかった!せーの――『いただきます!』」


ユキちゃんがトーストにフォークを刺して一口食べると……


「おいしい!!」


「よかったぁ!」


アオイは心底ほっとした顔で、ユキちゃんの口元についた黄身を布巾でそっと拭う。


「ありがとう!」


ユキちゃんが元気よくお礼を言ってくれるたびに、アオイの胸がほわっと温かくなる。


「ユキちゃん、いっぱい食べてね。」


「えへへ!おかぁさんのも食べていい?」


「じゃあ半分こしようか?」


黄身がかかったトーストを半分に分けて、二人で仲良く食べる。


「ありがとう、おかぁさん!」


「ふふっ、こちらこそ!」


ユキちゃんの笑顔が可愛くて、此方も自然とほころぶ。



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