教練2
午前6時
起床ラッパが鳴り響く
「全員起床!」
彼等は飛び起きると布団をたたみ運動服に着替える。
向かった場所は校庭だ。朝になると集合し点呼を行う。
点呼を終えると3㎞マラソンが始まり走り終わった者から順に部屋に戻ることが許される。
そして午前7時
~食堂~
「なぁ今日って確か射撃訓練だったよな。何時からだっけ?」
今日の朝飯はイチゴジャムを塗ったトーストにモーニングコーヒー。それとドレッシングをかけたサラダだ。軍隊の食事にしてはなんだか彩りがあり華やかである気もする
「アレン、昨日の今日だろ。もう忘れたのか」
「アレンのば~かば~か♪」
「うるせぇただのド忘れだ」
「じゃっ教えてあ~げないっ」
エリカお前はぶりっ子じゃないだろ
「マジで頼むから教えてくれ」
「じゃあ...教えてくださいエリカ様って言ってくれたら教えてあげよっかな」
「オシエテクダサイエリカサマ」
「んん~聞こえないよ?」
「・・・教えてくださいエリカ様」
「よくできました☆14時だよ!」
「いや、13時だぞ」
とアンディがすかさず訂正
「エリカー!?」
「もう、五月蝿いわね!もうちょっと静かに食事できないの!」
いきなりの怒声にびっくりした俺達はその声の主は誰かと辺りを見回すと
「私よヒルダ・フロームよ!!」
「あぁヒルダかおはようそしてお前も五月蝿い」
アンディが朝の挨拶もそこそこに言い争いを始めた。
「五月蝿いのはあ・ん・た・よ」
「お前も大概だろ、人が楽しく喋ってるのに割って入ってきてさ」
ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ
そんなどーでもいい口喧嘩をただただ見つめるだけの俺達にイザークが声をかけてきた。
「おはよ...この二人てよく喧嘩してるけど仲いいのか?」
「喧嘩するほど...とはよく言うけどこればかりはなぁ」
「とりあえず食べ終わったし部屋に戻ろ。触らぬ神に祟りなし、よ」
~13時~
俺達1ーEの生徒は多目的室に集合していた。
「これより射撃訓練を始める。まず手始めにこの映像を観ながら射撃時のフォームを勉強してもらう。皆しっかり観るように」
そう言うとベリオン教官は映像を再生させた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30分程度の教材映像が終わると俺達は射撃場に移動、学校の射撃場は軽く300人程度が入れる広さだ。横に10人ずつ並び最前列の人のみ前に出て教官の指示を待つ。
「ではいよいよ実弾射撃だ。まずは教材で観たとおりの手順で弾を込めろ」
そう言うとワルター自身も銃を手に取り弾を込め始めそれに続いて生徒達も弾込め作業を始める。
やがて全員が装填を終わらせると
「全員装填終わったな。では銃を構えろ!」
皆、銃を構えようとはするものの慣れてないためかどこかぎこちない。
「・・・よし皆銃を下ろせ。俺が見本を見せてやる」
そう言い終わるやいなやスチャッと構えると引き金を引いた。
ズドンッッ
さすがと言うべきか弾は正確に的の中心を射ていた。
「別に難しくはないぞ。的に狙いを定め静かに引き金を引く、それだけだ...1列目構え」
改めて射撃用意の指示が出る。
1列目は銃を構え号令を待つ。
「...撃てっっ!!」
号令と同時に銃口から火が噴き出す
当たったのは10発中3発のみ
「ふんっ最初はこんなものか、次!」
2列目の俺も撃つ...
一応当たった、かなり端っこだが。
3列目にはデューンとデールそれにイザークがいた
4列目はエリカ、ヒルダ、ルクス、へルマンの4名が参加。へルマンが俺より良いとこに当てた、ギリギリ的の円内だ。
最後の5列目にはレンとアンディだ
二人とも目がマジだ、慎重に弾を込め狙いを定める。
「撃てっ!」
・・・え?
二人の弾は中心より若干逸れてはいるものの的を射抜いていた。
おぉー
周りからどよめきが起こる。そりゃそうだろう。なにせ始めてのハズなのだから。
「お前達、射撃の経験があるのか?」
ベリオン教官が信じられないという面持ちで二人に聞く。
「いえ、自分はありません」
とアンディまあそりゃそうだろう。
「自分は経験あるのであります。【レジェンドオブソルジャー】というゲームで」
「貴様ふざけてるのか!!」
「じじ自分はふっふふふざけてはないのであります!」誤爆してしまい焦るレン。見ると顔が真っツァオだ。
「・・・もういい訓練を継続する。次!」
~その日の夜~
校長室
「とするとその者は【F計画】の候補者の一人だった者か」
「はい。調べてみると上位ランカーでした。選抜過程で不適当と判断されたのでしょう。」
「1ーEの3班...面白くなりそうだ。監視は怠るなよワルター君」
「はっ」