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狐は幻想の英雄でして  作者: 榛乃チハヤ
第一章 願いの欠片でして
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初の採掘作業でして

鉱山に行ってみたいから鉱山の文を書く人間のクズ。

 二人はどんなものが採掘できるのかを話したり、鉱石名でしりとりをしたり、ダイナマイト使うのかなと物騒な話をしたりで。

 

 「ようこそ、イースタンマインへ」


 「こんにちは、今市雪斗です」

 

 「夕凪くれはです、宜しくお願いします」


 「今日一日よろしくね、ご案内します、まずは事務所へ」


 二人は担当の人間に連れられ、採掘道具や採掘方法など、説明を受けた。


 「ギルドの広告には書きませんでしたが、採掘量に応じてボーナスがあります」


 「よし勝った」


 当然、貴重なものほど値打ちがある。


 「で、この鉱山なんですが、近くに火山がある関係で硫化鉱物が多く確認されています」


 硫化鉱物、すなわち閃亜鉛鉱や方鉛鉱、輝銅鉱などが産出される、というわけだ。

 

 「ウラン! ウランはありますか!」


 「ウラニウム、ですか? 見たことがありません」


 担当者は一瞬驚いた表情をしたように見えたが気にせず三人で坑口へ向かう。


 「トロッコに乗ってください」


 木造のトロッコに乗り深くへ潜る。


 「ではここでひとまず3時間採掘作業の方をお願いします」


 「了解です」


 担当者が離れて十秒経って。


 「私ウラン探すから雪斗はその硫化鉱物探して! あとマニュアルに載ってない分からない鉱石あったら言って、ある程度知識あるから」


 二人はピッケルを使用して鉱石を掘り始める。

 大量の埋蔵量があるそうで、次から次へと鉱石が出てくる。


 「これは……輝銀鉱か、銀の硫化鉱物ならそこそこかな」


 「ウランウランウラン……キャッ!」


 「どうしたくれは」

 

 「銀色の液体……まさか水銀?」


 「この鉱山ほんと何もかも自由だな」


 「まさか水銀があるとはね……赤い石、硫化鉱物、これは確実に辰砂ね」


 硫化鉱物ならなんでもあんのかよ。ただ、いろんな鉱石があって面白い。


 「水銀があるならなんかいろいろありそうだな、面白い――?」


 「どうしたの雪斗」


 「なんか黄色いのがある」


 「硫化だけに硫黄かな、見せてみ――」


 そこにあったのは輝銀鉱や辰砂などではなく、そもそも硫化鉱物ではなく。


 「ウラウララララウランウラン! ウランじゃない! やっぱあった!」


 なぜこうもあっさり見つかる?

 開始十分も経ってないぞ。

 まぁ少量だから有り得るが、都合が良すぎないか?


 「黄色いウラン、燐灰ウランね、持ち帰ろ」


 誰かが仕込んだ? 誰かが埋めたのか?

 いや、流石に疑いすぎか。


 「雪斗、濃縮の道具揃えましょ!」


 「金集まってからな、あっ輝銅鉱」


 疑心暗鬼な雪斗、くれは。温度差が激しいまま残り二時間と五十分採掘を続けた。

 その中で再びウランが見つかることはなかった。

 


つかれた二度寝

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