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狐は幻想の英雄でして  作者: 榛乃チハヤ
第一章 願いの欠片でして
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都合よく鉄道ゲットでして

 まず二人は車両の設計などをする前に、走行路線の手配を済ませる必要があったため国の運輸部へと向かった。この街は非常に大きい、なぜなら首都だから。つまり、運輸部も首都のこの街にあるはずだ。

 

 「地図で見ると運輸部はこっちだな」


 「この建物だよ、あまりにも大き過ぎる」


 二人が目にしたのは、完全なるビルだった。


 「おかしいなあ中世だよなぁそうだよなぁ絶対中世だよなぁ」


 推定20階程度はあるだろう。まだ中世らしい低い建物が並ぶ街のほうが雰囲気があったが、これではもう20世紀程度の都会である。

 まず雪斗が運輸部の受付の担当者に問いかける。


 「すいませんおたくの鉄道全部頂けますかね」


 「運輸部の大臣に問い合わせます、少々お待ちください」


 大臣。大臣ですって奥さん。この世界甘すぎないか。

 そっか、紅葉のおかげか。あと狐。


 「おまたせしました、総延長約三万キロの路線全譲渡が決定しました」


 「始めまして、くれはと申します。大臣に頭沸いてんのかって聞いてください」


 「少々お待ちください」


 雪斗はこの間に資料を確認する。


 『ウィシュノース国鉄』

 『標準軌、全線交流電化』

 『首都付近に限り複線。複線化率は全体の十%程度』

 『不採算路線多し、廃止が妥当な路線多し』


 「――すいませんおまたせしました、大臣の秘書曰く頭は沸いてないですがお風呂が沸いたそうです」


 「ありがとうございます、首吊るように言っておいてください」


 「くれは、話し終わったか」


 「ええ、鉄道の方はどんな感じ?」


 「なかなかいい感じ、ただ路線の状況が好ましくない」


 雪斗は鉄道路線をあっけなく入手し、特に興奮するほどの喜びは感じることがないまま受付近くのイスに座る。

 そして全鉄道掌握にむけて、そして原子力機関車製造について話し合いを始めた。


 「まず南北の路線網を獲得した、完璧だ。そして一つ思い浮かんだことがある」


 「資源かな?」


 「当たり。ただ、みんなが使い方を知らない資源を獲得する」


 「察した、これならまだ存在が確認されてても利用されるのは十九世紀頃からだもんね、いける」


 二人が狙う資源とは石油のことである。鉄道を獲得した今、沿線にある油田から石油を獲得し、タンカー列車で大量に運ぼうという魂胆である。

タンカー列車を牽引するのは当然原子力機関車。何をするにもまずは原子力機関車が必要だった。


 「原子力機関車の牽引能力はどのくらいなの?」


 「俺の勝手な推測だけど、定格出力で考えて石油満載のタンク車四十両を単体で余裕で引っ張れるはず」

 

 「まぁそこそこの出力ね」


 続いて二人は路線全てにおいてどのような経営をするかを議論した。

 まず旅客路線についてこのはが提案したのは、首都は電車を走らせそれ以外ではバス並に小型の車両を使うというもの。


 「レールバス、か」


 「まさにその通りのイメージ」


 「そのための燃料がなぁ」


 「蒸気機関を搭載したレールバスを作ればいい」


 レールバスというのは、鉄道車両の台車に町中を走るバスの車体を乗っけた安物の車両のことで、低コストで製造できる。そのうえ、乗る人が少ない路線にも投入できる。

 そのレールバスの動力を蒸気機関にしようというわけである。


 「それで決まりね、そして収益を旅に使う、完璧」


 「じゃ、原子力機関車の設計」


 「はじめましょ」

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