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狐は幻想の英雄でして  作者: 榛乃チハヤ
第一章 願いの欠片でして
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大陸横断鉄道計画でして

 二人の願い。

 『鉄道』と『原子力発電所』、手っ取り早く二つの願いを叶えられる。


 「合体……?」


 「この世界でもスマホが使えることがわかった。」


 これが二つの決定的な命綱となるはずだ。

 オフライン範囲内であれば知識を集めることもでき、カメラで記録することができ、文章を書くこともできる。

 

 オフライン範囲内、つまりデータ通信は当然不可能。電波そのものは飛ぶはずだが世界が違う。

 もうひとつの問題は電池。充電器は旅行用に持ってきたが電源がない。

 

 「スマホを使ってオフライン対応の電子辞書から知識を掘り出した」


 「それで合体の方法が?」


 雪斗の願い、鉄道掌握。くれはの願い、原発制作。

 それを合わせたのが――


 「原子力機関車だッ!」


 よしきまった。知識人ではない俺がなんか凄いこと言った。もう満足だ。


 原子力機関車というのは現代でも未だ実現されず、また実現する動きもない。

 システムを簡単に言えば、機関車の動力が原子炉になったもので、原子炉で発電しながら走行するもの。

 雪斗は確信を持っていた。

 いくらヴィシーズ国王によって『願い』が重ね書きされていても、こちらの『願い』が消えたわけではない。

 つまり、この図書館には原発に関する資料もあるはずなのだ。

 そして、そのうちの原子炉を機関車に搭載して鉄道が発展しているウィシュノース帝国に走らせる。

 鉄道は全て国営なはずだ。ならば国の運輸部に持ちかける。

 大陸横断鉄道を完成させ、長さが仮に千キロもあるならば遠くに逃げられる。


 「くれは、今は逃げる、武力がないから逃げる、いいよな」


 「うん、逃げよう」


 逃亡しながら『願い』を叶え、さらに全速力で再び逃亡できる。


 完璧じゃねえか。

 そう、この計画は本当に完璧だった。

 実行する以外ない。二人は早速資料集めをする。


 「くれは、原子力に関する資料がどっかに現れてるはずだ」


 雪斗自身、電車の設計はやったことがある。           

 機関車も寸法は大体わかる。

 ならば原子力に関する資料があれば晴れて完成する。


 「あった、『原子力発電所設計の手引』」


 願いは嘘じゃなかった。こんなにも早く見つかった。


 二人は本を開き、『願い』を本格的に叶える戦いが始まった。


 「雪斗、まずは原子炉を調べればいいのよね」


 「そう、原発の本だけど使うのは原子炉だからね」


 原子炉が鍵で、それ以外は特にいらない。

 あとは冷却水の問題がある。それも解決しなければならない。

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