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第5話「しどろもどろ」

「しどろもどろ」の回


****************


平安時代の始めの頃

古今和歌集が編纂され

春の日差しの下で

桜を愛でながら

和歌を詠む祭りが開催された


次々と歌が奏上され

初めて選ばれた若い歌人の番になった

そして

恋の歌を緊張しながら

立派にカッコよく詠んだ


上座から皇女がじっと見つめる

天皇の娘はこの歌人にホの字・・・・

歌人の方もずっと皇女が好きで

今日の歌は愛の告白だったのだ


やがてすべての歌が終わり

皇女がもう一度

あの歌が聞きたいと言った

そう、あの好きになった歌人の・・・


皇女の指名とあって

歌人の緊張は沸点に達し

一生忘れないはずの歌を

一瞬で忘れてしまったのだ

歌を書いた和紙は真っ白に見えた


口は鯉のようにパクパクするだけ・・・

だめだやっぱり田舎もんの

俺の出る幕ではなかった~

やっと小さな声で言ったのは

四戸呂村に戻って出直します・・・・


ざわつく会場で

皇女が優しく声をかけた

また来年の春に会いましょうね


この出来事から

言葉が出ない時の事を

「しとろ村」と言うようになり

あるいは

「しとろに戻る」とか言われ

いつしか 話が乱れて通じない事を

「しどろもどろ」というようになった




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