第2話 ステータスオープン!!
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下記は、ネタバレを含む設定資料です。
いくつか項目があるので、ご注意を
http://ncode.syosetu.com/n0441dk/
2016/09/18 文章構成の修正
王はカリメイが連合国の盟主であると自負していた。魔族の国々から、民衆を守るため連合されたのは2500年ほど前。連合国は長い歴史を持つ。それまでは、魔族が氏族ごとに力を誇示するかのごとく、ハーフを含む人族や獣族を襲い、人族らは滅亡するのではと驚懼した。
人々は望んだ。4500年前、魔族以外の全生物を統治下においた、龍人族の英雄王ジンラード・アーサー・カエサルのような存在を。しかし、ジンラードのような存在は望むべくして生まれる事はそうそうない。魔族以外の王らは、集結して連合国家を打ち立てた。ところが、今では魔族からの侵攻が全くない。
2400年前、人族らへの侵攻について氏族同士の争いから、同族を壊滅に追いやられた吸血鬼の王子ジン・ブラド・レイが仲間を集め、最終的には魔族を統一した。
そこまでは良い。大魔王となったジンは、「争いがない魔族の国を」という思想を掲げた。その結果、魔族は他種族侵攻をしなくなり、独自の文化を育んでいる。世に言う「ブラドの思想」であり、歴史家は魔族思想革命と称賛する。当時の連合国の中には、連合を抜け、魔族と交流をしている国もある。
ジン・ブラド・レイが死去し、魔王の座は養子のシュテン・ラセツ・キドーに受け継がれたが、ラセツ氏族は「ブラドの思想」を至上のものと掲げ、代々守り抜いている。今は3代目のマリーン・ラセツ・キドーが魔王である。つまり、魔族が攻めてこなくなって2000年以上の月日が流れていた。
カリメイ王は魔族への侵攻による。国土拡大を画策していた。だが、他種族侵攻はしないものの魔族の本質は強さを求める。だから、決して弱体化しているわけではない。2年に一度、大々的に国中の猛者や他種族のSランク以上の冒険者などを招待して、武道大会を開催し、興行している。人種人族が優勝することはない。ほとんどが、人種虎人族や魔族が優勝する。そんな存在である。しかし、魔族領内にある人族を超えるテクノロジーや、豊富な鉱物資源など、魔族領への侵攻に対する魅力は尽きない。ただ戦力が大いに不足していた。
そこに戦力拡大のため、勇者召喚を提案してきた者らがいる。宮廷筆頭魔導師テオルグと宰相のモーノ・コナロオである。テオルグは人種に魔法を伝え、最巧の魔導師と呼ばれた賢者マジク・ジンの再来と言われでいる。また、モーノは隷属術式の生みの親にして、最凶の錬金術師と言われるジンビール・マグヌスの流れを組む元 錬金術師である。
最凶の錬金術師と言われるジンビールが作った隷属召喚陣に、最巧の魔導師マジク並みの魔力を注ぎ込む。すると、SSSランク冒険者クラスの勇者が30人も召喚出来る。さらに、隷属させている為、敵対するばすのない最強の兵士が誕生するはずだった。
ところが蓋を開けてみれば、隷属が無効化されたと言う。また、テオルグが連れてきたSランク魔導師たちは、テオルグを除き失神しており対抗手段もない。どうしてこうなった。しかも、未成人には見えない厳つい勇者の1人が話しかけただけなのにひどく怒っているように感じる。ひどくプレッシャーを感じてしまう。
「突然の召喚にお怒りだろうが、聞いてほしい。我ら人族の世界は、大陸の半分を魔族に占有さらている。世界を人族の手に戻す為、強力な戦力が必要となり、あなた方を召喚したのだ。どうか協力してほしい」
うまいこと言葉を選ぶな
人族が見放した荒れ果てた大地を
魔族が開拓したに過ぎないのに
暢長は困った表情で、クラスメイトを見ている。特に、ちらちらと仁に助けを求める視線を送っている。
仁は、特に腕力が強いわけではない一般生徒であった。ただ、なぜか、みんなに頼りにされることが多かった。普通は怖がられたり、一般生徒を避ける傾向にある不良たちからも仲良く接しられている。仁本人としては、少し雑学に長けているだけの存在のつもりなのだが。
「魔族を倒したら、私たちはどうなるの?」
神田川美奈子が質問をする。神田川は、仁の幼稚園からの数少ない友だちの1人だ。非常に快活で、スポーツマンシップに基づく行動理念を持っている。だだ、やや残念なのは、陸上部らしいアスリートな胸とドジっ娘なところだろうか。
「無論、全ての世界に平和をもたらせば、元の世界に戻す手段を講じよう。だだ、すぐには出来ない。魔王マリーンが所持すると言われている宝玉と多大な魔力が必要となる。申し訳ないが、魔王を倒してから、考えさせてくれないか?」
《詐術看破が発動しました》
大嘘らしい
王の言葉に、クラスメイトたちは、完全に言葉を窮してしまった。地球に戻れないことは薄々分かっている。だが、何も知らないはずの王は戻すという。何がどうなっているのか、何を言えばいいのか、混乱している様子だ。
赤木鐡心と篠田信晴がさらに、何かを問おうとする動きが見えた。
このままでは、あらぬ方向へ進みかねない
どうにか、ストーリーを進めないとな
仁は徐ろに、王に恭しく問いかける。
「陛下、我々はどうすればよろしいのでしょう?戦争の経験もなく、武器を手に取った事もないような若輩が、何ができると仰せなのでしょうか?」
王はホッとした顔で仁を見つめた。クラスメイトたちも、仁を見つめる。何か打開してくれるのではないかという期待を込めて。
「うむ。まずは、自分たちの能力を確認してほしい。手を頭の上まで上げて、人差し指で何かをなぞるようにイメージしながら、『ステータスオープン』と唱えてみるがよい」
わざわざ人に見せるように
開かせなくてもいいのではないだろうか?
自分で、確認するだけなら、頭の中で、「ステータス」と思い浮かべるだけで良い。また、仁には宰相のじい様が、鑑定Ⅱを所持していることは分かっている。本物の勇者を宰相のじい様が判別するだけでいいはずだろうに。既に仁はクラスメイト全てのステータスを、確認済みだった。全員が一律勇者というわけではなさそうである。だいたい3組に分けられる。上位4人と中位10人前後と下位15人ほど。勿論、仁を除く。
仕方ない
付き合ってやるか
「ステータスオープン」×30
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テッシン・アカギ
【職種】賊人
【ユニークスキル】腕力強化Ⅲ
【魔法属性 (等級)】土属性 (帝級)、水属性 (勇者級)、雷属性 (英雄級)
【称号】盗賊王
【加護】太陽神の加護
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サチコ・イイダ
【職種】弓士
【ユニークスキル】必中
【魔法属性 (等級)】聖属性 (勇者級)
【称号】弓聖
【加護】なし
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キミコ・ウノ
【職種】狩人
【ユニークスキル】体力強化Ⅰ
【魔法属性 (等級)】風属性 (勇者級)、氷属性 (帝級)
【称号】弓聖
【加護】なし
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タダシ・エザキ
【職種】従獣士
【ユニークスキル】オールテイム
【魔法属性 (等級)】氷属性 (勇者級)、雷属性 (帝級)
【称号】なし
【加護】獣神の加護
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エカ・オオノ
【職種】槍遣
【ユニークスキル】体力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】土属性 (勇者級)
【称号】槍聖
【加護】なし
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ミナコ・カンダカワ
【職種】精霊使
【ユニークスキル】魔力強化Ⅲ
【魔法属性 (等級)】火属性 (勇者級)、風属性 (英雄級)、光属性 (帝級)
【称号】精霊に好まれる者
【加護】精霊神の加護
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ヨシタカ・キクチ
【職種】槍士
【ユニークスキル】腕力強化Ⅰ
【魔法属性 (等級)】土属性 (帝級)、水属性 (勇者級)
【称号】槍聖
【加護】なし
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ユウキ・キザキ
【職種】忍者
【ユニークスキル】体力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】闇属性 (勇者)
【称号】闇に潜みし者
【加護】なし
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ツヨシ・コマツ
【職種】盾士
【ユニークスキル】体力強化Ⅲ
【魔法属性 (等級)】光属性 (勇者級)
【称号】守護戦士
【加護】なし
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ノブシゲ・サワダ
【職種】剣闘士
【ユニークスキル】二刀流
【魔法属性 (等級)】土属性 (勇者級)、光属性 (帝級)
【称号】なし
【加護】闘神の加護
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ノブハル・シノダ
【職種】盾使
【ユニークスキル】体力強化Ⅰ
【魔法属性 (等級)】火属性 (勇者級)、氷属性 (帝級)、雷属性 (英雄級)
【称号】守護戦士
【加護】闘神の加護
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ミハル・ソウマ
【職種】付与術師
【ユニークスキル】消費MP減少Ⅰ
【魔法属性 (等級)】光属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】魔法神の加護
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ノブナガ・タケダ
【職種】魔法遣
【ユニークスキル】魔力強化Ⅲ
【魔法属性 (等級)】風属性 (帝級)、光属性 (勇者級)、聖属性 (英雄級)
【称号】大魔導師
【加護】魔法神の加護
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ケンタ・ツダ
【職種】魔法士
【ユニークスキル】魔力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】火属性 (勇者級)、風属性 (帝級)
【称号】なし
【加護】魔法神の加護
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サクラ・テヅカ
【職種】弓遣
【ユニークスキル】腕力強化Ⅰ
【魔法属性 (等級)】氷属性 (勇者級)
【称号】弓聖
【加護】なし
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スミレ・トツカ
【職種】刀士
【ユニークスキル】腕力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】土属性 (勇者級)、火属性 (帝級)
【称号】なし
【加護】闘神の加護
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アオイ・ニイナ
【職種】治療神官
【ユニークスキル】完全耐性
【魔法属性 (等級)】聖属性(勇者級)
【称号】なし
【加護】生命神の加護
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リン・ノムラ
【職種】魔闘士
【ユニークスキル】スキル獲得率上昇
【魔法属性 (等級)】雷属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】智神の加護
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ユウマ・ババ
【職種】刀遣
【ユニークスキル】HP自動回復Ⅰ
【魔法属性 (等級)】水属性 (勇者級)
【称号】刀聖
【加護】なし
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アン・ヒラタ
【職種】召喚師
【ユニークスキル】消費MP減少Ⅰ
【魔法属性 (等級)】闇属性 (英雄級)
【称号】なし
【加護】魔神の加護
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レン・ホカマダ
【職種】妖術遣
【ユニークスキル】魔力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】闇属性 (英雄級)
【称号】なし
【加護】魔神の加護
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ユイ・マナベ
【職種】妖術士
【ユニークスキル】魔力強化Ⅰ
【魔法属性 (等級)】闇属性 (英雄級)
【称号】なし
【加護】魔神の加護
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ジン・ミツルギ
【偽装職種】村人
【偽装ユニークスキル】なし
【偽装魔法属性 (等級)】なし
【偽装称号】巻き込まれた異世界人
【偽装加護】なし
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ユズ・ムカイ
【職種】森呪遣
【ユニークスキル】MP自動回復Ⅰ
【魔法属性 (等級)】聖属性 (勇者級)、光属性 (帝級)
【称号】なし
【加護】精霊神の加護
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ハルト・メジロ
【職種】剣士
【ユニークスキル】アイテムボックス
【魔法属性 (等級)】火属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】武神の加護
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メイ・モモチ
【職種】戦闘神官
【ユニークスキル】無詠唱
【魔法属性 (等級)】光属性 (帝級)、聖属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】闘神の加護
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ヒロノブ・ヤシマ
【職種】斧士
【ユニークスキル】体力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】土属性 (勇者級)、火属性 (帝級)
【称号】斧聖
【加護】なし
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カノン・ユミオカ
【職種】従魔士
【ユニークスキル】オールテイム
【魔法属性 (等級)】闇属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】魔神の加護
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ヤマト・リキタケ
【職種】斧遣
【ユニークスキル】腕力強化Ⅱ
【魔法属性 (等級)】風属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】闘神の加護
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カエデ・ワタナベ
【職種】槍騎士
【ユニークスキル】絶対守護
【魔法属性 (等級)】聖属性 (勇者級)
【称号】なし
【加護】運命神の加護
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王たちと、クラスメイトにそれぞれ異なる騒めきが起こった。王や王子ら、それから廷臣たちは驚き慄いていた。召喚した勇者たちのステータスに。
人族のほとんどが全てが魔法を扱える。10人に1人の割合で、魔力がない為、魔法が使えない者もいる。それらは村人として、労働力になるしかない。90%の人種は魔法を扱えるのだ。ただし、そのうち70%は生活魔法や無属性魔法と言われる、生きていくためのちょっとした魔法の類である。残りの13%は地水火風の下位属性が使え、6%が氷雷光の上位属性、3%が聖か闇の特殊属性という割合である。聖神なんて神や天使、神の御使にしか使えないと言われるレア度だ。
また、基本的に属性魔法は1つしか使えないのが普通。才能があり2つの属性魔法を使える者をダブル、3つの属性魔法を使える者をトリプルと言う。最巧の魔導師と呼ばれた、賢者マジク・ジンの再来と言われる宮廷魔導師テオルグもトリプルではあるものの、下位属性「土」「水」「風」のトリプルであり、等級はそれぞれ上級、王級、帝級である。
伝説では、最巧の魔導師と呼ばれたマジク・ジンは全属性を使えたと言われているが、人族に扱えない木属性や金属性や毒属性、神や天使、神の御使にしか使えない聖神属性などを使えるというのは、いかにも眉唾な話である。
魔法の等級は「下級」「中級」「上級」「王級」「帝級」「勇者級」「英雄級」「精霊級」「天使級」「神級」は後に書いたものほど高い。なお、賢者マジク・ジンは全て精霊級以上と言われ、眉唾度をさらに上げている。
勇者たちの魔法等級はトリプルやダブルの最低ラインが帝級、最高は英雄級。1つしか使えない者は勇者級と極めて高い。また、勇者特有のユニークスキルがあり、能力値を跳ねあげさせている。さらには、万人に1人と言われる称号持ちや、100年に1人と言われる神々の加護を持つ者がいる。さらに言えば、称号も加護も両方持つ者までいる。一人一人が大陸級以上の強さなのだ。ちなみに、大陸級とは、個人で大陸での争い事を鎮める事が可能なレベルのことを言う。その下に、戦略級や戦術級がある。
クラスメイトたちは、自分たちの能力の高さに喜び合っていた。魔法が使えることや、剣聖や弓聖、槍聖といった武器適性に加え、称号や加護といったファンタジックな能力に嬉しそうに話し合っている。この世界で生き残れることを喜ぶように。
実際、能力があっても
生き残れるかどうかは本人次第なんだけど
さて、ストーリーを進めるか
出来れば、早めにこの国を離れたいし
陽斗や葵らだけをどうやって連れ出そうかな?
仁は、徐ろに王に恭しく話しかけた。
「我々が騒いでいる状態を、ご静観頂いてられるところ、恐れ入ります」
「どうしたのかね?」
「皆は、確かに勇者のようですが、私は違うようです」
「何?」
突然、シーンと静まり返る。
「私は村人Lv.1スキルも魔法もないようです」
廷臣や王子たちの目に侮蔑の色が宿る。逆にクラスメイトたちは、何の冗談を言ってるんだと、ジト目で笑っている。
「ご確認下さい」
仁は両手を頭の上にあげて、両手の人差し指で、空をなぞる。2枚のステータス板が出てきた。
それぞれのステータス板に優しく手を添え、ゆっくりと押し出す。片方は王へと、片方はクラスメイトへと。
その所作に、王とテオルグとモーノは驚いた。確かにステータス板は、誰にでも出せる。ただし、誰かに見てもらうため送ったり、2枚出せることなど気がついたことはない。テオルグは、一度背を向けて試し、可能であることを知る。初めて訪れた場所で、初めて使うであろう能力の使い方に対する機転が、疑いを抱かせる。
テオルグはモーノに問う、この者の能力は本物かと、モーノは仁を見つめる。
《鑑定スキルを感知しました》
モーノは間違いないと伝える。テオルグは、他の勇者たちを盗み見る。仁の所作について驚いてる様子はない。ただ、ステータス板を見て、膝を崩す者や狼狽える様子を見てとって、仁がステータスに関係なく、他の勇者たちにとって大切な存在なのではないかと考えた。
王はガッカリしていた。話を進める手助けをしてくれたのは廷臣や王子たちではなく、仁だと思っている。また、長年ステータス板に慣れ親しんだ者たちが、気づかなかった使い方が出来る。つまり、発想にも優れていると考える。この程度のことは、他の勇者たちにもできるのかもしれない。しかし、他の勇者たちはそんな仕草は見せなかった。それなのに、ステータスはこの中の誰よりも低い。王子たちやテオルグやモーノ以外の廷臣たちは、仁の優れたる点に気づくことはないのだろう。
現に蔑みの目を向けている。モーノが、鑑定によりステータスに間違いはないと言っているのだ。今まで、間違った鑑定をしてこなかったことも一つの要因だろうが、それほど、この世界ではステータスが重要視されている。心情的にはここにいてほしい。だが、それを許さない雰囲気だった。テオルグを見ると彼も同様で「困った」と言っているようだ。
「王よ。お分かり頂けたと思います。私は、ここから去るべき人間です。このまま、退出してもよろしいでしょうか。」
「それは・・・」
「ちょっと、待って (よ)」×29
多いって!!
仁はクラスメイトの全員が引き止めるとは思っていなかった。4人かな?とか思っていたのであるが、全員が退出する事を拒んでいる。
「どした?」
面倒そうに、軽く流そうとする仁。当たり前過ぎて、何時もと何も変わらない反応に、落ち着く面々と激昂する面々と2種類に分かれる。
「何で、一人で決めちまう!!もっと俺らを頼れよ。もっと俺に頼らせてくれ。ずっと一緒にいようぜ。お前がいないと困るんだ。なぁ、親友だろうが!!!」
支離滅裂に叫ぶ陽斗。熱烈な告白にやや引いているクラスメイト。
「うわぁ。ごめん。俺、女の子が好きなんだ、良ければ、他の子探してくれない?」
長い付き合いだ、テンパると激アツで、変な言い回しになるのは、よーく知っている。しかし、時と場合を考えて喋ってほしい。
「仁君、茶化しちゃダメだよ。長い付き合いなんだから。言いたい事は分かってるんでしょう?私たちは離れたくないんだよ。ずっと一緒だって昔言ってくれたじゃない。あれは、嘘だったの」
「嘘は言ってないよ。 (二重の意味で)」
「なら、一緒についてく!!ハルも凛もかえも私も」
「抜け駆けすんなよ (しないで)」×25
だから、多いって!
全員は連れてけねーよ。
外に既に4人いる
連れてけて、4〜5人だ。
王たちは、クラスメイトの反応に大いに慌てた。せっかく召喚したのに、全員いなくなっては意味がない。出来れば、仁だけを追い出して他の勇者たちには残ってほしい。
「勇者たちよ、それは出来ない相談だ」
言葉選べよ
そっちのフォローはしたくないんだが
「彼は、能力も才能もない。君たちの足手まといにならないように配慮しているのだよ。ハルトと言ったか、少年。君のステータスに追いつくには、Lv.40にならないと無理だろう。また、そこの少年、テッシンと言ったか?君の能力に追いつく事は不可能だ。レベルの上限は99なのだから。1/3にしかなれない」
おいおい
普通に生活している冒険者以外の
人種で物事を見んなよ
まぁ、村人として普通に生活してたら
せいぜい、60歳まで生きてても
Lv.30に手が届くか届かないかだろうが
「そ、そんなぁ〜」×29
「全員がいけなくても、4人くらいならいいんじゃないですか?王様」
「アオイと言ったか?彼を守る為、他の仲間が死ぬかもしれない。もしかしたら、死ぬのは君かもしれない。それでもいいのかね?」
「「「「構いません」」」」
王は意外な回答に絶句してしまったのか、黙ってしまう。すかさず、モーノが話しかける。
「勇者殿たちには、世界を救って貰わねばならん。足手まといを連れて、世界は救えん。ならば、情は隠してでも切り捨てる必要があろう」
「そんな世界なら滅びればいい」×29
仲間を捨てて世界を救うとか、ありえないとは思うがこのままでは平行線。下手したら、カリメイVS勇者たちという戦争になりかねん。
武器の使い方も戦術も戦略も分からんクラスメイトたちでは、能力的に敗北はなかろうが、悲惨な結果になるだろう。恨みも買う。この先、この世界に骨を埋めなきゃならんのに、それでは困る。既に召喚され、賽は投げられている。神々やリリシアのフォローも必要だ。
《全生物感知を発動させました。
ルルルエサバドには冒険者2031名、兵19500名、平民奴隷を含め市民79982名が生活してします。なお、従魔等は含まれません》
29人を守りながら殲滅させるのはわけなないが、合流前の4人もとなるとやや面倒だ。眷族の為、どこにいるかは既に把握している。しかし、「それでも面倒だな」と仁は思った。
はぁ〜、なんとかせにゃならんか
チュートリアル中の仁にも一応、名前をつけてます。ジンが、そのまま使われていたり、名前の中に、「ジ」と「ン」が入っていたり、ジンベースのカクテル名だったりと、ネーミングセンスのかけらもありません。
そのうち、後書きに載せるかもしれません。
必要であれば、◯◯と名乗っていた時の〜〜という風に本編に出てくると思います。
クラスメイトの大雑把なステータスです。
称号・加護両方持ちが
力 300
L体力 100
L腕力 100
L魔力 100
智 300
L政治 100
L戦略 100
L魔法 100
運 900
L健康運 100
L安全運 100
L対種族運 100
L学習運 100
L金運 100
L成功運 100
L仕事運 100
L勝負運 100
L人気運 100
称号・加護片方持ちが
力 120
L体力 40
L腕力 40
L魔力 40
智 120
L政治 40
L戦略 40
L魔法 40
運 360
L健康運 40
L安全運 40
L対種族運 40
L学習運 40
L金運 40
L成功運 40
L仕事運 40
L勝負運 40
L人気運 40