第69話 作戦開始
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下記は、ネタバレを含む設定資料です。
いくつか項目があるので、ご注意を
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2016/10/14 サブタイトル話数変更
仁はツァハ伯爵邸に来ていた。2日前、ツァハ伯爵とスタヴを交えて語り合った作戦を決行するためだ。スタヴの情報によれば、中立派のみならず、反ミツルギ フィルッパ派の貴族7名が、先大戦の英雄として参加するそうだ。おそらくは、中立派の切り崩しの為の顔見せ程度の事だろう。フィルッパ派の貴族は、以下の通り。
ニエマイア・ツァルダ子爵
ラケル・アンドリーセク男爵
リーバイ・オプレタル男爵
ノーア・ガジ男爵
ナホム・フメリーク男爵
ラザロ・ポンパ男爵
ダシャ・ラッスカ男爵
爵位こそ高くないが、前述の合戦にて活躍した貴族ばかりだ。元々は、中立派のみの会合であったものに、とある貴族が招待したらしい。招待したのは、レヴィン・ドヴォジャーク伯爵。元反王派の貴族だ。おそらくは、フィルッパ公爵と繋がりがあり、いつかのために中立派に潜り込んだのではないだろうか。
第一軍師以外が揃い踏みか
フィルッパ公爵の本気度が見えるな
7名がどんな活躍をしたかというと、こんな感じだ。
ニエマイア・ツァルダ子爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で第二軍大将を務める。彼の参加から攻勢が始まったと言われるほど巧みな用兵であったという。ナホム卿と連携して、守勢からの反撃とその流れを逃さず、多くの兵団を敗走させた手腕は、名将と言われる所以であろう。通称、名将ニエマイア。
ラケル・アンドリーセク男爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で第三軍大将を務める。2軍師の指示を外さず、それでいて要所要所で、自身のアレンジを加えより良い用兵に変えていった。また、要所要所で、副将である猛将ラザロを切り込ませて敵軍に乱れを生じさせる手腕も賞賛に値する。通称、知将ラケル。
リーバイ・オプレタル男爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で第二軍師を務める。序盤の作戦立案から陣形の組み立て、場に応じた指示を巧みに熟した。爵位の問題で第二軍師に甘んじているが、本当の意味で、フィルッパ公爵の軍師は彼であったという見方が大半である。第一軍師であったアブラハーム侯爵も認めている事と言う。
ノーア・ガジ男爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で補給路を確保し、エウロパ貴族連合軍の勝利に貢献。王佐ありと謳われる。
ナホム・フメリーク男爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で第二軍副将を務める。序盤からフィルッパ公爵に従い、10倍に近い大軍を押さえる活躍を見せた。通称、剛将ナホム。
ラザロ・ポンパ男爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で第三軍副将を務める。ルカータ帝国軍に切り込み、皇族将軍を含む38もの首を討取る大活躍であった。通称、猛将ラザロ。
ダシャ・ラッスカ男爵
ザハリアーシュ・フィルッパを帥将とするエウロパ貴族連合軍で大量の物資を確保し、エウロパ貴族連合軍の勝利に貢献。第二の王佐とも言われる。
ふふふ
運がいい
『褒めて褒めて』
偉いぞモイライ
『えへへ〜』
今は少し忙しいから
また今度ゆっくりしたらな
『はーい』
ツァハ伯爵は、やや緊張した面持ちである。「歴史的瞬間に立ち会えるのではないか」などとつぶやいている。そこへ、ツァハ伯爵家執事長のルガンボが入ってきた。仁は会合に、まずはルガンボとして参加する。その後、ルガンボと交代して、ジン子爵として参加する。
この作戦の要は、密偵系特級スキル「変身」。変装看破をLv.10にすると派生する密偵系スキルの最上位スキルだ。他にも吸血鬼一族の固有スキルでもある。このスキルの優れているところは変装看破無効になるのだ。つまり、誰にも分からないほど精巧に変身する。
「ジン卿、お衣装はどうされますか?」
「ルガンボ必要ない。君が着ている物ごと変身した際には、再現される」
「素晴らしいスキルでございますね。我々でも出来るようになるのでしょうか?」
「ルガンボは、諜報もするの?」
「いいえ」
「なら、可能性は無いかな」
「諜報部隊の者なら可能性があると?」
「限りなく0%に近い確率だけどね」
「ちなみにどのような方法か聞いても?」
「ルガンボ、ジン卿に対し失礼ではないか。スキルは、その方の力を示す。それ故機密性の高いものだ」
「申し訳御座いません、旦那様。ジン卿も失礼を申し上げました」
「構いませんよ。200以上あるスキルの2つ3つ示したところで、私の力を図れるものではないですから」
「「200以上?!」」
「はい。勿論、ユニークスキルも含めてですが」
「な、なら、伝説の称号もお持ちですか?」
「それは『全技能者』の事ですか?ホセア卿」
「はい」
「あれは、ユニークスキルを除くスキルを100獲得すれば、身につくものです。勿論、ありますよ」
「ほわぁあ、あ、失礼。ジン卿、ますます貴方に従って良かったと思います」
「ありがとうございますホセア卿。さぁ、そろそろ会合の時間です」
《密偵系スキル「変身」の発動準備完了。対象を確認。発動させます》
「おお!!」×6
「わぁお」×5
同室にいたツァハ伯爵の息子や娘並びに、執事やメイドを含めた全員が感嘆の声をあげる。
どーでもいいが
女の方々はアメリカンなんだけど
「さぁ旦那様、ご嫡男様、お嬢様。向かいましょう」
「う、うむ」
準備の為にいた部屋を出て、迷うことなく会合を行う大広間に向う。行き交うメイドや執事たちは、仁ルガンボの後に続くやや緊張した面々を不思議に思っているようだった。大広間の扉を開く前、仁ルガンボの後ろにいた面々は、深呼吸をしている様子だった。
さて、会合の式次第であるが、下記の通り。
1.開会の辞
2.中立派運営側挨拶
ジェデク伯爵挨拶
ツァハ伯爵挨拶
ドヴォジャーク伯爵挨拶
3.歓談
4.楽団演奏
5.来賓紹介及び英雄表彰
6.来賓挨拶
ツァルダ子爵代表挨拶
7.歓談
8.楽団演奏
9.特別来賓紹介及び英雄表彰
10.特別来賓挨拶
11.歓談
12.楽団演奏及びダンス
13.代表者挨拶
14.閉会の辞
ツァハ伯爵家の者たちだけが知っている事だが、仁が子爵として参加するのは9以降。それまでは、仁ルガンボとしての参加となる。仁ルガンボは、会合においてツァハ伯爵家の者として、出席者のすべてのところに回り、お酒を注いだり食事を装ったりと大忙しである。勿論、ユニークスキル「親愛度・忠誠度上昇極大」を発動させたまま行動する。このユニークスキルの良いところは、見た目に対しての親愛度や忠誠度を上昇させるわけではないという事だ。つまり、仁に対する親愛度が上がる。この会場にいる者の仁に対する気持ちは、親愛度50の者や0の者、反ミツルギ派の面々は-50〜-100といった具合だ。
会合の予定時間は、全体で6時間ととても長い。仁の子爵としての登場までに約4時間ある。全員が親愛度100になるには50分かかるので、余裕で靡くというものだ。勿論、ピンポイントでかかるようにはしない。建物全体で、効果があるように設定している。すでに、最大値まで上がっている者もいる。
ツァハ伯爵は、最初の挨拶で、特別来賓を追加した事を説明。誰が来るかは内緒にしたものの薄々気づかれている雰囲気になった。ドボルジャーク伯爵と反ミツルギ派の面々のやや慌てた感じが否めない。しかし、反ミツルギ派の面々の紹介は約2時間後。その頃には、落ちている。
仁はナスターシャに念話し、自身の声で、「8人もいるのだ。誰かがフィルッパ公爵の意向に沿うはず」と脳内に囁きかけるよう仕組んだ。8名全てが自身の考えと勘違いする。すると、実際には誰もが動かないという結果に帰結するのだ。仁の目論見は100%成功するのである。
2回目の楽団演奏が始まったタイミングで、仁ルガンボは一旦退室した。元いた部屋に戻ると、スキルを解除する。ルガンボとともに、楽団演奏終了間際まで待機となる。ここからの流れは簡単だ。まずは、ツァハ伯爵の紹介を受けて登壇。その後の挨拶で攻撃系スキル「覇王の威圧」を発動する。威圧スキルというのは面白いスキルで、相手を居竦まらせる威圧と相手を臣従させる威圧がある。臣従させる威圧は、「この者には敵わない」とか「この人についていきたい」という気持ちにさせる。分類としては物理攻撃系に入るが、心理攻撃系とも言い換えられると仁は思っている。勿論、種族に応じて使い分けている。仁が大魔王となった頃は「魔王の威圧」であった。今回は人種が対象なので、「覇王の威圧」という訳である。
さて楽団演奏も終わったようだ。そろそろ向かいますか。
7名の紹介はいらなかったかなぁ〜とか思いつつ。アップしました。
全員が設定資料を見てる訳じゃないですもんね。
設定資料の修正は、数日前だったりするので、ネタバレを含むとしてますから、ネタバレを嫌う人は見てないでしょからね〜