第1話 隷属無効スキルが発動しました。
新章スタートです。
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下記は、ネタバレを含む設定資料です。
いくつか項目があるので、ご注意を
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2016/06/30 加筆・修正
2016/09/18 文章構成の一部修正
「おはよう仁君」
新稲葵駆け寄ってきた。幼稚園からの同級生だ。笑うとマーガレットの花が咲き乱れるように錯覚する。幼稚園の頃の話をすると、真っ赤になって、少しはにかむことがある。何かいい想い出があるようだ。
「ああ、おはよ」
「ねー、仁くん、読書感想文何で書いた?」
今度は、野村凛が声をかけてくる。小学校からの同級生で、読書仲間であり、年間読書数ナンバー2でもある。仁が勧める本を貸すと、まるで大切な物のをもらった時のように、胸に抱えて笑うことの多い印象だ。
「私は『南の島へいこうよ』を読みました。仁さんは?」
渡邉楓は、相変わらずさん付けで呼んでくる。小学校3年で転校してきて、転校初日の下校時に野犬からの助けたせいだろうか?やたら尊敬しているようだ。もっとも、身を呈して助けたのは、窓際の席で他の男子どもとゲラゲラ笑っている目白陽斗である。仁は横から色々言って、追いはらう方法を口にしただけだ。
「おはよう、凛。おはようございます、渡邉さん。俺は『ひとりだけのコンサート』にした」
「えー、あれ、面白くないよぉ」
「素敵です。あんなの私には難しくて、読書感想文にできなかったのに」
「何の話何の話?混ぜてよ〜〜」
「「「葵 (さん)は、『きんいろの木』だな (ですね)」」」
「読書感想文〜。嫌な事思い出させないでよぉ。苦手なのにぃ」
「「「まだ、読んでないの (ですか)?」」」
「う、うん。ヤバいよ〜〜、仁君助けて〜〜」
「夏休みの宿題は自分でやるもんだろ?」
「ううう・・・」
「ジーン!おっせーじゃねーか。先に出ちまったと聞いて、急いで来たら、いなくてよ。今頃到着かよ」
さっきちらっと、話に出たが、目白陽斗は幼馴染みである。家も隣同士で、幼稚園にはいるまえからの腐れ縁だ。どれくらい腐ってるかというと、20人一クラスしかなかった幼稚園は仕方ないとしても、幼稚園から12年間、別のクラスになった事がない。小学校が各学年3クラス2年に一度のクラス替えだから1/3の3乗。中学校が各学年6クラス毎年クラス替えだから1/6の3乗。つまり、1/5831の確率だ。世の中腐ってやがる。
「陽斗!言ったじゃねーか。自転車がこの前、壊れたって」
「そうだった。てこた、あれか?おりゃぁ、追い抜いちまったのか?」
「そうだろうな。歩行通学と自転車通学の道は違うんだ。気づかなくて当然だろ」
「そ、そっか。んん?なんか体格良くなってないか?前はもっとこう、プヨプヨだったろう」
「腹触るな。ヤローに触られても嬉しくね〜」
「お!堅った!!
ほほぉ、そんな事言っていいのか?葵、凛、渡邉さん、仁がお腹触って欲しいってよ」
(((陽斗 (さん)、ナイス (です)!)))
女子3人が肉食獣のような目をして、迫ってくる。
襲われる!!と思った瞬間、教室の扉がガラガラと開く。コスプレ女教師、リリシアが入ってきた。シーンと、静まり返る教室。
男子も女子も隣の友だちと「誰?」とか小声で話している。リリシアは仁に気づくと軽くウインクしてくる。葵と凛と渡邉が殺気だつ。
「皆様、大切なお話があります。もうすぐ、地球に隕石が落ちてきて、あなたたちは死んでしまいます」
「はぁ?」×29
「窓の外をご覧ください。流星雨が見えませんか?」
仁を除く29名が机を蹴飛ばす勢いで、窓に向かう。仁もゆっくりと歩き、窓に向かう。
窓の外には中庭があり、少し離れたところに、右側に第一グラウンド。左側に半分がさつまいも畑と化した第二グラウンドとその隅に武道場が見える。空を見上げれば、数多くの隕石が光や炎を上げながら、降っている。
「イヤーーー」
「ヤバイじゃん!!逃げないと!!」
「逃げるってどこに?無理だろこれ」
「死にたくない死にたくない。どうしたら良いの、ね、どうすればーー」
誰が叫んだ声が分からない。それほど色んな声が重なっている。パニック状態にある事は一目瞭然である。
その中にあって、リリシアの声が、落ち着きすぎている事が、さらに教室内の空気をおかしくしていた。
「皆様、落ち着いてください。先ほどあなたたちは死んでしまいますと申し上げましたが、実は助かるのです」
「はぁ?」×29
やべ、こら、フォロー必須だな。
「これから、とある異世界に召喚されます。ほら、床を見てください。光っているでしょう?それでは、皆様、行ってらっしゃいませ〜」
それだけか!!!下手くそが!!
仁たちは光に包まれ、そして消えた。一人残ったリリシアは、つぶやく。
「さて、前準備完了です。元の姿に戻るのは、500億年ぶりでしょうか?ナスターシャと合流して、主さまをお迎えしなければ」
パッリーーン
《隷属無効スキルが発動しました》
仁たちはが目を開けると、ベルサイユ宮殿のように煌びやかで広い体育館のような場所にいた。床には、イオラニ宮殿の謁見の間のような赤絨毯がひかれている。
奥の方に金ピカな椅子が複数並んでいる。その椅子に王と思しき、立派なヒゲを蓄えたじーさんが座っていた。仁から見てじーさんの右横に、「マリーアントワネットが相応に歳とったら、こんな感じになるとかな?」と思われるばーさんが座っていた。その外側に、壮年の夫婦がそれぞれ座っている。更にその外側に王子と王女と思しき中学生くらいの男女が座っている。
じーさんの近くを慌てた感じの、いかにも魔導師といった格好のじい様が右往左往している。さらに、唐代の書家を連想させるようなゆったりした格好のじい様も右往左往している。
鑑定と聞き耳スキルを使ってみるか
《鑑定スキルを発動させました》
《聞き耳スキルを発動させました》
やはり、椅子に座ったじい様は、王であった。魔導師の格好の方は宮廷魔導師でもう一人は宰相であった。
「王よ。どういう事か、隷属が無効化されました」
「う、うむ。何とか説得せねばな。ううむ」
ふふふ、困ってる困ってる
召喚された際に広がって消えた魔法陣からは、上位隷属召喚陣である事が、読み取れている。通常の耐性系スキル「隷属耐性Lv.1」くらいでは、どうにもならない上位魔法陣だ。そもそも、隷属耐性なんてスキルを使える者は少ないようで、無効化や耐性に対しての魔法言語が魔法陣に組み込まれていなかった。また、一括召喚にではなく、30人それぞれを召喚すれば、一人だけ無効化されるという事態になっていたのだろう。しかし、一つの魔法陣での召喚の為、個人の能力で全てを無効にしていた。神々の思惑通りの流れである。
さて、どうなる事やら
王が前に進みでると、第一夫人と王子夫婦、それから王孫たちが立ち上がった。
「ようこそ、お越しくださいました勇者様方」
「ここはどこなんだ!!」
岳田暢長が叫ぶ。中学に入ってからの友人だが、何事も最初に切り込む、特攻隊長のイメージがある。喧嘩っ早く、初対面からはかなり怖がられる容貌だ。しかし、あれでいて、仲間思いで面倒見がいい。内心は不安で仕方ないだろうに、周りに気を使いすぎだ。
《威圧スキルを感知しました》
常時発動スキルの【スキル感知】がいい仕事をしている。同じく常時発動スキルの【威圧無効】が発動しない時点で、こちらに向けてのもではない。自然に出てしまったのだろうが、相手を選べる時点で、暢長の能力の高さを物語る。
いよいよ、異世界にやってきました。
スマホでメモ帳にちまちま書いていますが、寝る間を惜しんで書いてしまいます。
一応、病気療養で、退職したばかりなので、時間は、24時間たっぷりあります。
昼夜逆転生活で悪化しちゃうかもですがw