第61話 反ミツルギ派貴族
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下記は、ネタバレを含む設定資料です。
いくつか項目があるので、ご注意を
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2016/10/13 サブタイトルの話数変更
とうとう魔王来訪の当日となった。一昨日と昨日は、ギムレット商会からライムントとアヒムが同行して、算盤が注文あった。全世界にあるギムレット商会全従業員15万人分の注文とのことだ。期限は今年中。その為、「マピクキチの木と木材」と「ミジヤオポの木の木材」と「アタゲサボの木の木材」とが大量に運び込まれた。使わない分は、アイテムボックス入りとなった。ついでに、店舗数も聞いておき、据え置き型のものも作って昨日納入した際には、大変驚かれた。
現在、仁は王宮の第1談話室にいた。この談話室にいるのは、仁を含め貴族は6人。他にメイドや執事がいるので、割と大人数いるが、貴族密度は低い。仁は士爵だというのに、大貴族5人と一緒の部屋にされていた。今回、魔王接待大使という大役が魔王指名で任命された為だ。ちなみに、今回の出で立ちは、杏が作ってくれた礼装。杏の強運は本物だった。たった2日で、もう1着伝説級を縫い上げた。エルナの着ているドレスは王宮級だ。元々労働者ギルドに納入することになったあの服も、仁の魔王接待の為だったらしく、かなり頑張ったようだった。それでも、一人Bランクというのが嫌だったのか、納入してくれた。最初に仁が生産系スキル「裁縫」や同系統スキル「複製」などを使って、教えたのが嘘のようにしか思えてならない。
単純なレベルアップ型のユニークだからな〜
柚鈴と同じ方法で
レベルを上げてやるか
そうなると
創世級を作った時に彼女につく称号は
裁縫師だから裁縫王か?
世間的には、ジンヴィトニル・オルムールは、彼の死に際しては、弟子483名から、「鍛冶王」と諡され、称号は得ぬまま亡くなったことになっているが、実際は違う。初めて、創世級を作った際に手に入れている。誰にも言わぬまま、チュートリアルを終わっただけのことだ。この事はアウルヴァングル・オルムールを含む鍛冶師としての弟子には伝えており、「いつか自分も創世級を作る事が出来れば、鍛冶王になれるかもしれない」という希望を与えた。また、美奈子と花音がAランク鍛冶師になり、ギルド長になる前のアウルヴァングルに並んだ事により、ドワーフ以外の種族や性別を超えた、鍛冶師への転職や選職の流れが作れるかもしれないと、アウルヴァングルは喜んでいた。
話が少し逸れたが、現在の衣装について、同じく、談話室にいた一部貴族たちは興味深々だった。すでに、ギムレット商会を通して、王家には杏が伝説級の衣服を作った事と、労働者ギルドの裁縫師部門の規定に変更があるかもしれない事は伝えてある。この場にいる大公や四大貴族は知っているようだった。
「これが伝説級ですか、ジン卿。こちらのメイドドレスもですかな?」
「私の礼装は伝説級ですが、メイドドレスは王宮級でございますアルヒンマキ閣下」
「ほおほお、これでも王宮級なのか。凄い光沢ではないか。あ、すまぬ。つい触ってしまった。許してほしい」
「私はただのメイド、ご主人が、何も仰られないのでしたら、気にせずいてくださいエクスロース閣下」
「いやいや、イエレミアーシュ卿、もっときちんと謝らねば。ジン卿の目が先ほどから怖い」
「なんと!ジン卿、あまりに見事なもので触ってしまったが、他意はないのだ。しかし、不快な思いをさせてしまったのであれば、この通り、許してくれないか」
「エクスロース閣下、申し訳ございません。私の未熟さゆえ、顔に出てしまったのかもしれません。気になさらず。ただ、もしよろしければ、エルナは我が家の大切なメイド長なれば、お見知り置き頂ければと存じます。それと、ハーパサロア閣下、あまりエクスロース閣下を揶揄い遊ばさない方がよろしいのでは?」
「はっはっはっ、ばれたか。イエレミアーシュ卿、許してくれよ」
「ユーリウス卿?!この世の終わりかと思ったではないか」
このように楽しく、談笑していた。しかし、仁に話しかけてくる貴族は、仁と面識がある大公と親藩家の2貴族だけだ。仁はユニークスキル「親愛度・忠誠度上昇極大」をOFFにしていた。仁に将来的に敵対するかもしれない貴族がいたからだ。このまま、仁が大公位に登る際、恐らく最大の障害になるであろう親藩家以外の四大貴族のうちのフィルッパ公爵とヘイカスネン辺境伯。仁はその2人の敵対者を親愛をもつ者にするつもりはなかった。「障害のない何とかが楽しいわけがない」とか考えていたからである。
特にフィルッパ公爵との合戦を楽しみにしていた。実は、前述の合戦だが、帝国軍が奴隷兵を除き12万5千人いた。それに対し、フィルッパ公爵軍は、他貴族軍が集結するまで、奴隷兵を含めて2万5千人で凌ぎ切った。勿論、フィルッパ公爵だけの力ではない。側近くには諸葛亮や羌子牙クラスの軍師や荀彧や伊尹クラスの王佐と呼べる貴族と呂布や悪来クラスの猛将や、士会や李勣クラスの名将と呼べる貴族とを数多く抱えている結果だ。
先述の通り、仁はRPGゲームはあまり得意ではないと自覚しているが、シミュレーションゲームは違う。とあるゲームは、ファ○コンやス○パ○ファミ○ンが焼き切れるのではないかというほどやり込んだ、友だちの家で。序盤は徹底的な国造り、中盤以降は戦争と国土を広げる為、謀略の嵐で人民や武将の忠誠を根こそぎ低くし奪った。人も財も兵も、そして、国を奪う際は、完全包囲してからの降伏勧告。特に得意とした戦法は、拠点に智将を固め、疑心暗鬼で忠誠度を75〜85%にしてからの、血縁を含め所属武将全員に内応約束を取り付けて、同月中に隣接する猛将・名将軍団に攻める戦法。うまくいけば、20数万vs1万という構図が出来る。血縁が表返る事が多いので、毎回成功するわけではないが。
ま、ゲームじゃないんだ
そんな戦法不可能だろうよ
だが、作敵ができなくても
調略くらいはしたいね〜
クックックッ
楽しみだ
さて、今回の魔王来訪に際して、王宮に集まった貴族は、仁や大公、四大貴族だけではない。それこそ、全貴族が集まっていた。エウロパには、一代限りの準貴族を含まず、65家の貴族家がある。それは、大公1家、公爵2家、辺境伯2家、侯爵4家、伯爵8家、子爵16家、男爵32家。仁のようにガンガン爵位を上げているような者がいるのだから、もっと多いと想像されるかもしれないが、そうではない理由は、そこそこ戦乱や災厄級の魔物に領地ごと消滅する貴族がいる事を意味した。それこそ内乱もだいたい1000年ごとに起きていた。王家の直系が全滅したのは、ラジェスタ・アルヒンマキが王位に就いた、1000年前だけだが、王が内乱に巻き込まれる事が、多かったのだ。本来大乱と呼ばれるべき内乱を、大乱に含まないのは、直系全滅かそうでないかの違いのようであった。
そろそろ魔王到着の時間かと思われる時間に、セバスが現れた。仁は久しぶりにセバスの顔を見た気がする。近くにいる頻度は、それこそジャバルド並みに多いのだが、セバスとジャバルドは互いに知り合いなのかそうでないのかよく分からない関係だ。何せ、互いに隠形の状態でいるのだから。
第1談話室を出ると、他の談話室にいた貴族たちも移動のようだ。仁の礼装は目立つようで、何かと注目を集めてしまう。友好的な者は、話すきっかけを得たと喜色を浮かべ、敵対者は、側にいる別の敵対者と何かひそひそ声で話している。ジャバルドの話では、貴族内に、親ミツルギ派と反ミツルギ派と中立派が出来上がっているらしい。
まぁ、それはそれで楽しみだ
謁見の間に続く曲がり角で、仁たちは謁見の間の方向に曲がらず、門の方向に進む。侯爵以下の貴族たちは、謁見の間に進むようだ。途中、ラドカーン王子が合流し、門前に着いた。初めは「普通は逆じゃないのか」と思ったが、王子が合流した時点で、その考えをやめた。
さて、魔王を迎えようか?
本文中の「前述」と「先述」の使い分けですが、
「前述」は10話(もしかしたら20話)以内に書いた事。
「先述」は11話(もしかしたら21話)以前で書いた事。
の違いがあります。
敢えての使い分けです。
途中に出てくる武将名ですが
頭に浮かんだ2名を書いただけで
他にもいるよ!
この武将の方が良いよ!
という異見は重々承知しております。
ちなみに、このうち2つは過去と現在のゲーム等のハンドルネームだったりします。
参考までに武将の時代と所属国家があれば載せます
※本文の順です。時代がバラバラで申し訳ございません。
諸葛亮
・・・中国後漢末期から三国時代の蜀漢。
羌子牙
・・・紀元前11世紀ごろの古代中国・周。後に斉の始祖。
荀彧
・・・中国後漢末期。曹操麾下。
伊尹
・・・夏末期から商初期の商。
呂布
・・・中国後漢末期。
悪来
・・・商末期の商。
士会
・・・中国春秋時代の晋。
李勣
・・・隋末期から唐初期。元の名を徐世勣。国姓を与えられ、君主李世民の「世」を避ける為、李勣とする。
エウロパ王国貴族(男爵家以上)家名一覧
大公家
アルヒンマキ
公爵家
エクロース
フィルッパ
辺境伯家
ハーパサロ
ヘイカスネン
侯爵家
アブラハーム
ズィーカ
チャダ
ババーク
伯爵家
アダモヴィチュ
ヴィトラチル
エリアーシュ
ジェデク
ゾウハル
ツァハ
ドヴォジャーク
バビツキー
子爵家
アンドルリーク
ウルバネチル
オルドルジャーレク
ガーボル
カバルカ
ジェディチュ
ツァルダ
ネチャス
バケシュ
ハドラヴァ
バラツキー
ファルタ
マフ
ヤンスキー
ラーツ
ラコミー
男爵家
アンドリーセク
アダーシェク
イエバヴィー
オフロスキー
オプレタル
ガジ
キンツル
クリカ
グロセク
ジェホンシュ
チェカル
トゥピー
ドゥーマ
ドラジェル
ニェメツ
ネコラ
バリーク
ハロウスカ
ピョニス
フメリーク
フィシェル
フリドリフ
ベーム
ヘルザーン
ポンパ
マーラ
ムレール
ヤニスキー
ラッスカ
ロウソク
リィシー
ロスチャーク