第42話 メイド9人増加
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2016/10/13 サブタイトルの話数変更
王女らが帰った翌日、カリメイ使節団がスリギア入りする日まで、あと4日となった。その為、そろそろアニバルに向かおうかと仁たちは朝早くから、馬車の整備やら、食料作りやら、準備をしていた。今回は、アラウンド・ザ・ワールドメンバーのみでの外出となる。
話に出た、アラウンド・ザ・ワールドであるが、メンバーの変更があった。マフレナとスザナジュリアが加入した。過半数がAAAランクのままの為、パーティランクは変わらないが、スザナジュリアが、Cランクとやや低めだ。しかし、指導は仁とマフレナが行うので、全く問題にしてなかった。
しかし
ルボルも可哀想に
4人組のうち、
唯一の女性が抜けると寂しかろ
ま、俺のせいなんだけど
エルナが、仁の元にやってくる。
出立の時間だし
弁当の準備が出来たかな?
「ご主人様。お客様です」
「ん?誰?」
「アダルベルト・アルヒンマキ大公閣下とそのお嬢様。イエレミアーシュ・エスクロース公爵閣下とそのお嬢様。ユーリウス・ハーパサロア辺境伯閣下とそのお嬢様。ブラホスラフ・ズィーカ近衛大将閣下とそのお嬢様。バルトロ・ゾウハル伯爵様とそのお嬢様。フゴ・ヴィトラチル軍務大臣閣下とそのお嬢様。ヨゼフ・ウルバネチル筆頭宮廷魔導師閣下とそのお嬢様。クレメント・トゥピー歩兵大将閣下とそのお嬢様。クリトリアーン・ドゥーマ薬師長様とそのお嬢様でございます」
「え?うわ!」
仁が門の方向を見ると、各家の馬車が道に所狭しと並んでいる。
「エルナ、まずは、敷地内に、馬車ごと入ってもらえ。リリシア、ここは任せる。マフレナ、手が空いたら、ジュリアと陽斗の鍛錬を頼む」
「「「はい」」」
エルナが言った貴族のうち、イエレミアーシュ・エスクロース公爵とユーリウス・ハーパサロア辺境伯は会ったことがなかった。この2家はエウロパ王家の親藩家である。元々は公爵であった、ラジェスタ・アルヒンマキが1000年前の大乱を治めて王家を継いだ際に、アルヒンマキ家は大公家になる。ラジェスタの長男が王家を、次男が大公家を継ぎ、三男がエクロース公爵家を、四男がハーパサロア辺境伯家を興した。しかも、王家を含めたこの4家は、善政の歴史しかない。夭折による短期での世代交代はあるものの、佞臣を置いたことすらない。それほど優れた家柄である。
それを受け取るのは困難だけどなぁ
まだ、悪政を敷いていると言われる
他の貴族を取り潰すのが楽だよ
大義名分がないか
無ければ作るか
まぁ、おいおい考えるしかないな
仁は9家の方々を応接室で迎えた。代表して、アダルベルト卿が、来意などを伝えてくる。
「まずは、突然の来訪を快くお迎えいただき、感謝いたします。今回の来訪は、王家との繋がりを持たれるジン卿に、我らが9家の子女をお側にと存じまして参りました」
まぁ、そうじゃないかと思ったよ
娘を連れてくる理由はないしな
ここで断るのはいささか難しいが
「それは、ありがとうございます。ですが、私の妻になる者は、貴族、平民を合わせて40人おります。奴隷を解放して、その数を含めれば、47人でございます。これ以上は難しく存じますので、メイドとして雇うということになりますが、よろしいでしょうか?」
「47?!そ、それは多い。いやはや英雄色を好むと言われますが、そこまでの話は聞いたことがない。失礼を承知で申し上げますが、皆納得をされているのでしょうか?その序列など」
「納得自体は皆しております。というよりも、全員娶れと迫られた感じで、やや情けない限りですが。序列は、正室については納得してますよ。側室はこれから決まりますが」
「うぬぬ。もう、皆様と、その関係はなさったのですか?」
「聞きにくいことを仰る。全員ではないですね。まだ、スリギアについていない者もおりますが」
思い出したくないこと聞くなよ
一昨日の夜に魔法で眠らされている間に
36人と4回ずつしてたなんて
※時間的なズレはナスターシャが何かしたと思われます
心の傷でしかないのに
こいつら威圧して黙らせたい
思いの外、険しい顔をしていたようで、9人の娘たちはやや怯えているように見える。
そんなに恐いか?
暢長ほどじゃないだろう?
だが、この状況使えるか?
「お嬢様方もお嫌そうな顔をされている。もしかしたらお手つきみたいな状況は考えられないと、嫌そうに見える」
「そんなことはありません」×9
使えないかぁ〜
突然、バルトロ卿の娘アデーレが話し出す。
「私は、この街に住んでおりますので、どの方とどういう関係なのかは、ここにいる8名の方々よりも、ずっと存じております。まだ、そのような関係にまで及んでいることを掴んでいなかったので、数日で全員となら、私耐えられるかなと、強張ってしまっただけです」
おっと?
その方向でのアピール?
やや失敗感が否めないが
「それなら私だって」
「いえ、私の方こそ」
「ここにいる方々には負けません」
ほら、口火を切って、失敗したパティーンw
もとい、失敗したパターン
「失礼。お嬢様方。お気持ちはよく分かりました。ひとまず、皆様をメイドとして受け入れましょう」
「ありがとうございます。今日から配下として扱ってください」×9
さて、お嬢様方の事は終わった
だが、アニバル行きの予定を狂わした
当事者達には灸を据えねば、収まりがつかん
「さて、皆様には、聞きたいことがございます」
≪覇王の威圧Lv.10を発動準備。対象者「アダルベルト・アルヒンマキ」「イエレミアーシュ・エスクロース」「ユーリウス・ハーパサロア」「ブラホスラフ・ズィーカ」「バルトロ・ゾウハル」「フゴ・ヴィトラチル」「ヨゼフ・ウルバネチル」「クレメント・トゥピー」「クリトリアーン・ドゥーマ」セット完了。当スキルを発動します≫
突然の圧力に、9人の貴族たちは、臣従のポーズをとった。娘たちは何が何だか分からない状態で慌てている。背後にいるエルナは、状況を咄嗟に判断したのか、澄ましている。
「こ、これは?なぜ、ジン卿に対して、くっ顔を上げられぬ。かっ、ジン卿に直言できぬ。ジン卿、このままお伺い致したい」
「何でしょう?イエレミアーシュ卿」
「何か、ジン卿の怒りを買うような事をしましたかな?身に覚えがありませぬ」
「なるほど、イエレミアーシュ卿とユーリウス卿は、昨日今日スリギアに来られたとすれば、知らぬが道理。失礼。御二人は解除しましょう」
≪対象者「イエレミアーシュ・エスクロース」「ユーリウス・ハーパサロア」の威圧解除完了≫
「「かはっ、はーはーはー、これは、本当に我らだけ?」」
「御座りください」
「「なぜこのような事を!!背信行為ですぞ」」
「背信行為?王命を邪魔したのはどちらか?」
「「え?王命を邪魔した?我らが?そのような話は、知らぬが・・・、誠か?」」
「お二人はご存知ないようですので、当事者に聞きましょう。バルトロ卿?本日がどのような日なのか、ご存知の上で、お越しになったのですか?」
「ぐぬぬ、どの、ような日とは?」
「内密な依頼ですから、この場では言えないと?」
「くふっ、あ!え?も、もう?」
「まずは、アニバルで迎えると、王宮には使いを出しましたが、ご存知ないですか?」
「くっ、申し訳ない。把握していなかった。それで、出立の準備を」
「左様です。出立の時間に来られましたから。それとも単身で向かうと思われていたのですか?」
「あや、いや、その、本当に申し訳ない」
「す、すまぬ。これは、ちときつい。お怒りなのは分かるが、腑に落ちん。ジン卿、何の話だろうか?」
「アダルベルト卿もご存知ないと?バルトロ卿を除く皆々様は?」
バルトロ卿は真っ青な顔をしている。他の全員が首を振り、知らぬ事をアピール。
「では、威圧は、バルトロ卿のみとしましょう」
≪対象者「アダルベルト・アルヒンマキ」「ブラホスラフ・ズィーカ」「フゴ・ヴィトラチル」「ヨゼフ・ウルバネチル」「クレメント・トゥピー」「クリトリアーン・ドゥーマ」威圧解除完了≫
「はーっ、はーっ、はー。やはり威圧であったか。我らだけにとは、達人も真っ青な芸当よ」
仁はゾウハル伯爵に、話して良い了承を得て、アルヒンマキ大公に話し出す。
「アダルベルト卿、カリメイ使節団がもう直ぐ到着する事は、ご存知ですね?」
「ああ、存じているとも。背信行為が発覚し、受け入れぬと決まった。どこかに逗留して頂く間に、カリメイからの返答を待つことになると、先日の会議で決まった。イエレミアーシュ卿とユーリウス卿と娘たちを除く、ここにいる全員が会議の出席者だ」
「逗留して頂く場所は、この屋敷です。今朝のうちにこちらを立って、明後日合流し、それから、屋敷に来て頂く予定でした」
「はっ!我らは、王命を妨害したことになる!!だが、ジン卿、単身ではダメだったのか?」
「アラウンド・ザ・ワールドメンバーのうち、4名は、あちらの護衛である召喚勇者12名の旧知です。心情としては、一緒に行くでしょう?」
「そうではあるが」
「故に、王宮には、本日早朝に立つとお知らせをしておいたのです」
「そこに、我らが来てしまったと」
「左様でございます。ギリギリまで予定を遅らせて、本日が出立の期限でした。その時間を見計らうように来られては、怒りもします」
まぁ、昨日準備が完了してても
出立の時間に来られたら
同じだったんだけどね
「あ、出立の時間ちょうどに来たと」
「左様でございます。強行突破しようにも、門前には馬車が並んでおりましたから、出来ず、街ごと焼き払おうかとも思いましたよw」
仁はパフォーマンスの為、特殊攻撃系スキル「属性拳〈火〉」を発動させる。スキルだから、当然、詠唱はないのだが、相手は魔法だと思うだろう。自身の手を焼き尽くさんばかりの焔に、エルナを除く全員が青い顔をした。エルナは、こういう時の仁がパフォーマンスで、見せかけているという事をもう知っている。出来たメイドだ。
「や、やめてくだされ。お怒りはごもっともなれど、抑えてくだされ」
「分かりました。今回の事は貸しとしましょう。次あれば、マデーレンとマーガレットを攫って、この国を出ます」
「「「そ、それは困る!!ジン卿は、我らのお・・・」」」
「それ以上は」
アルヒンマキ大公とエクロース公爵とハーパサロア辺境伯は仁のピンポイント「魔王の威圧Lv.10」で気絶させた。
「エルナ。アダルベルト卿とイエレミアーシュ卿とユーリウス卿は、お疲れのようだ。客間でお休み頂くように、お嬢様方は、エルナに今後の事を。エルナは、私のメイド長であり、秘書長でもある。エルナの指導が受け入れられぬなら、ここでの仕事は諦めて頂きたい。さて、バルトロ卿たちは、これからどうされます?私はすぐにでも出たいのですよ。少しでも遅れを取り戻さないと」
「そうですな。では、我々は、これで失礼致します」×6
脅しが過ぎたか
まぁ、いい
反感を持つならそれでも
出立の予定時間から2時間ほど遅れて、仁たちは、スリギアを出た。
今回加入のメイドを
設定資料『登場人物一覧①〜主人公の周辺〜』から抜粋
アポレナ・アルヒンマキ
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。アダルベルト・アルヒンマキ大公の次女。アランやイーフォの妹。17歳。
イトカ・エスクロース
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。イエレミアーシュ・エスクロース公爵の三女。16歳。
イルジナ・ハーパサロア
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。ユーリウス・ハーパサロア辺境伯の三女。18歳。
エステル・ズィーカ
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。ブラホスラフ・ズィーカ侯爵の三女。カシュパルの妹。17歳。
アデーレ・ゾウハル
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。バルトロ・ゾウハル伯爵の次女。16歳。
ヘドウィカ・ヴィトラチル
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。フゴ・ヴィトラチル伯爵の三女。コンラートの妹。18歳。
レオナ・ウルバネチル
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。ヨゼフ・ウルバネチル子爵の三女。ゾルターンの妹。17歳。
マルティナ・トゥピー
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。クレメント・トゥピー男爵の三女。ヴラディミールの妹。16歳。
オーフェリア・ドゥーマ
第3章 第14話からメイドとして、従者に加入。クリトリアーン・ドゥーマの三女。ミクラーシュの妹。18歳。