第41話 仁、志を立てる!
いつも、読んでいただきありがとうございます。
ブックマークも増えており、一定のPVもいただき、感謝の極みです。
本当に励みになります。
誤字や、助詞の間違い等ありましたら、ドシドシお待ち申し上げております。
修正する事で、文が良くなるのです。私にとっては、一字千金の価値があります。
よろしくお願いします。
2016/10/13 サブタイトルの話数変更
結局昨夜は、仁を酔わせて、色々やっちゃおうという女子たちの意見により、ガンガン酒を注がれた。しかし、仁は酒精無効なので、酔わないのだが。
まぁ、酔ったふりをして
色々楽しんだけれども
もう朝か
「なんか重いな」
「重いなんて、失礼ですわ、ジン様」
「おわ!マデーレン殿下何を?」
「ふふふ。序列1位になりましたので、ご褒美の添い寝ですわ」
1位に?!
どうやって決めたの?!
てか、上に乗って寝るのは
添い寝じゃないんじゃ?
「ちなみに5位までがここにいますわ」
マーガレット殿下?!
ジュリア?!
リリシア?!
葵?!
まぢかー
サクヤがいねー
「あのー、俺の意見は?」
「そうですわね。でも、私がお嫌いですか?」
うわー!!
ネグリジェの下は?
下着は?!
「も、勿論嫌いじゃないですけど」
「なら、このまま、もうしばらく」
「あ、はい」
てか、何で俺裸?!
やべーよ
まぢで、やべーって
「あら、元気」
やめて!
握らないで
王女様でしょ!!
跨らないで!!!
「そこまでです」
あ、葵は助かった
「ん、もう!アオイ。もうちょっとだったのに」
「何がですか!さあ、殿下、気持ちは分かりますが、ガッツクと仁君に嫌われるかもですよ」
「それは困ります。婚約前に嫌われたら、嫌です。サクヤさんに聞きました。嫌ったらすぐぽいされるって、この前、この世の終わりを感じたって」
あー
サクヤまだ引きずってんのか
モフって慰めないと
みんなを起こし、みんなで、食堂に移動した。何人かは、すでに、食事を取っていた。出勤前のサクヤ、サッリ、テルヒッキ、シモナ、ノエミ、パウラ、リカルダも泊まっていたらしく食事をしていた。ちなみに、ナディヤとニコル母娘は昨夜、エルフらとともに仁に眠りの魔法をかけて、小一時間ほどして帰ったらしい。仁はその眠りの魔法ををあえて受けた。耐性や無効のスキルを強制キャンセルして。
仁が「今日の予定を話そうか」と声をかけると、葵が手を挙げる。「マデーレン殿下に聞きたい事」があるらしい。
「殿下」
「何?アオイさん」
「先ほど部屋で、婚約前に嫌われたく無いって言ってましたよね」
「はい」
「婚約って、本気なんですね」
「当たり前じゃない!無理なら、何番目でも・・・、うう、何番目でも良いから、結婚したいわ」
「・・・そこまで」
「マデーレン殿下。何番目でもと言われると、この国を出なければなりませんが」
「あ、ジン様。そ、そうですわね。それはお嫌ですか?」
「別に他国に行ったからと言って、生活に困ることはないでしょうが、マデーレン殿下はどうなのです?」
「国を出て、ジン様の妻となれるなら、どこへでも・・・」
今にも泣きそうだな
悲しませるつもりはなかったのだが
「しょんぼりしないでください。その顔もなかなか可愛いですが、あなたの涙は見たくないです。この国に残って欲しいのは、家族と別れたくないからですか?それとも他のことがありますか?」
「勿論、家族と離れたくない気持ちもありますが、結婚すれば、夫の領地にいるものです。勿論、現在はジン様は領地をお持ちではないので、このお屋敷にということになりますが、家族と会えなくなるのが基本ですし、新しい家族が出来ますから、それは、仕方ないことです」
「なら、別の何かが?」
「引かないで聞いてくれます?」
「聞きましょう?」
「ここにいる女性の皆様もジン様の妻になるなら、聞いてください。ただし、これから話す事は、王家関係者のみ知っている、秘事。何卒内密に」
マデーレンは皆がうなづいたのを確認し、ジンに話し出す。
「さて、ジン様。あの指輪の意味をご存知ですか?」
「ラジェスタから貰った指輪ですか?」
「そうですわ」
「友情の証でしょうか?」
「そうですわね。ラジェスタ王とオータム・リーブスとの友情の証ですわ。でも、それだけではないのです」
「え?特に変わった性能は付いてませんでしたよ?」
「そうですわね。何の変哲も無い指輪だと伝わってます。ただし、その指輪には、エウロパ王家の者にのみ伝わるラジェスタ王の遺言があります。遺言に曰く、『指輪を持ちし者、その威を示し、大地・天空を轟かす者ならば、エウロパ王家はかの者に臣従し、王家領土をその者に託すべし』と」
その場にいた全員が息を飲む。
「はぁ?ラジェスタめ!んな事一言も言わなかったくせに」
「勿論、その発言をした時、オータム・リーブスは、スリギアを去った後。もしくはこの世を去った後だと思われます」
「まー、ラジェスタを手伝ったあと、あの時代から去ったからな」
「大公位を望めば、しばらくしてのち、王太子として、立太子されたと思われます」
「エンキドゥ王太子は?」
「廃太子ですね。でも、すぐに臣従すると思われますが」
「ぐぬぬ。それは、ちょっと困るな。それにしてもだ、兄の廃太子を望むのか?マデーレン殿下は?」
「兄の廃太子よりも、ジン様の王妃を望みます」
「それは、王位を望まなければ、嫌われるという事で良いか?」
「違います!!!そんな事はありません!!!!ジン様はジン様です。士爵のままで良いのであれば、士爵の妻になります!!!ううう」
やべ泣かしちまった
あ、葵たちが「鈍感」と怒っている
「試すような事を言って申し訳ありません。マデーレン殿下」
「ううう、なら、このお屋敷にいる時だけで良いので、私の事は、マデーレンと呼び捨てになって」
「悪かったよ。マデーレン」
「はい」
嘘泣きか?!
いや、涙は出たままだな
やべー、笑顔が眩しい
「ちょっと良いかしら、マデーレン殿下」
「何かしら?アオイさん」
「貴族の妻の体制って、正妻は貴族または王族。そして、親の官位で序列が決まる。貴族の以外の女は、側室なのよね?側室の順番は、側室になった順番か、同時なら夫が決めるで良かったわよね?」
「そ、そうだけど。昨夜の発言はもう忘れて?熱くなりすぎていたの。皆様のお気持ちに負けそうで、言ってしまった強がりなの。そんな事を言ったってジン様が妻にしないって、ううう、そんな事、ううう、言われたら、ううう」
「ごめんごめん泣かないで。それを蒸し返したいわけじゃ無いのです殿下。仁君が、官位を手に入れたという事は、上を目指している良い証拠なんです。冒険者稼業だって、Cランカーになれば、ダンジョンに入れます。みんなの生活だって、冒険者にならず、商人をすれば、ティッシュとかもあるんです、100人だって200人だって養えます。ううん、多分、仁君なら、何もしなくてもたくさんの人を養えるんじゃ無いかと思ってます。だから、本来、官位とか必要ないんです。でも、仁君は、貴族になった。それなら、貴族には貴族の妻の娶り方があるはずなんです。それを踏襲する必要があると言いたいのです」
女性全員のうなづきの音が静かな部屋に響く。葵が話を続ける。
「ならば、貴族の方が、正妻で、私たちは側室でいい」
「え?でも、そうなると私はギリギリで正妻の地位になっちゃいます」
「サクヤさんは、準士爵でしたね」
「はい。副ギルド長は準士爵。ギルド長は士爵です。勿論、元々爵位のあった方や、冒険者ギルドは、例外ですけれど」
何?!
サクヤって準士爵だったの?!
知らなかった
勝手にモフってたよ
あ、でも、これからはいいのか
「仁君、どうするの?」
「え?全員娶るって前提なのね」
「当たり前でしょ?この前みたいにヘタレな事は言わせないわ」
「分かった。なら、全員娶りましょう。すぐにでは無いけれど」
これはこれで、ヘタレな気がするけどね
「問題は、サクヤだけじゃ無いと思うんだよ」
「何が?」
「オーロラの存在。それと、奴隷だけれども、アングラリアンとケレブリンはエルフの里長の娘と孫娘だ。それに、マフレナも士爵家の孫娘だ」
「え?マフレナさんも?!」
「あー、はい。でも、うちは特殊ですから」
「でも、継げなかったら、王家が、士爵位を用意するって聞いたけど?」
「あー、そうですね〜。でも、奴隷が、正妻を望むのはどうかと?」
「「ご主人様!私たちも正妻は望みません」」
「なら、側室にする時に、奴隷解放するからね」
「「「あ!」」」
「拒まないように」
「「「はい」」」
「オーロラは、ギブソンの王妃だ。俺の前世の正妻だ。人種では無いけれど、それをどうするかだ」
「旦那様の妻になれるなら、側室でもいいですよ」
「ま、マヂで?!だそうだが、マデーレンどうしたい?」
「なぜ私なのです?」
「マデーレンは、俺の第一正室だ。正室が序列を決める事も有ろう?俺は、オーロラが側室でいいと言う以上、側室にするかもしれないだろ?」
「わ、私が、第一正室で良いのです?!」
「勿論だ。先ほどの話なら、王家の第一王女が第一でなかったら、何番目だと言うんだ」
「ううう、嬉しいです」
喜んでも泣くのね
「マデーレン?」
「ああ、すいません。今のところは、第二正室がオーロラ様。第三正室がサクヤ様でどうでしょう?」
「マーガレット殿下は?」
「あ、あ、あの!私もマーガレットと呼び捨てに」
「あ、ごめん。マーガレットは?」
「マーガレットは私の腰妻です。私が子を作れず、マーガレットが子を作れば・・・ううう」
腰妻とはまた古風な
古代中国にもあったな?
腰妾だったかな?
マデーレンが言うように、シトドラヴの王家や貴族には、腰妻の制度がある。その役割は、地球の古代中国の腰妾の制度と全く同じ。姉の輿入れについて行き、姉が輿入れして3年しても子どもを作れなかった場合、身代わりとして、子どもをつくる妻となる。身代わりとなって子どもを成せば、子どもを作れなかった姉と身分が入れ替わる。普通は側室や第二夫人がいるので、そのような役割はほとんど死に体な制度なのだが、本気でエウロパ王家は、ジンの血脈に、王家の血を入れたいらしい。
「マデーレン、泣くな。俺の子を産め」
「ううう、はい」
「それとな、マーガレット。そんな制度が嫌なら王家に戻って良いぞ」
「ダメ!!マーガレットさんも妻にして」
「葵?!」
「本当鈍感なんだから!ここにいる女はね!みんな仁君の妻になりたいの!ううん、昨夜帰ったニコルさんも、まだ、ここに来ていないすみれたちも!だから、全員妻に娶って」
人妻は入ってない
良かったよ!
「分かった。マデーレン、マーガレットは第三正室。サクヤが第四だ。良いか?」
「私が子どもを産めなくても?第一のままですか?」
「それは妾が保証する。旦那様とは子が成せなかった。その他の妻もだ。愛人には子を産ませたようだがの。龍族ではなかったから、王位は甥が継いだが。子を成せずとも、序列は変わらんよ。そなたはな。妾とサクヤ殿は、変わるやもしれんがな。妾が下がる場合は、マーガレット殿が上がると見てよい」
「「オーロラ様ぁ」」
マデーレンとマーガレットはオーロラに抱きついて泣いていた。他の女性たちも泣いている。
はぁ、マヂで大公位を目指さなきゃならないな
まったりこちらの生活をしたかったのに
そうなると、本音としては嫌だけど
一緒に召喚された男どもを部下にしないとな
隗より始めよか
「陽斗」
「何?仁」
「俺は大公位を目指す!もしかしたら、王位もだ。陽斗は、俺についてきてくれるか?」
「チッチッチ!言葉が違うな」
チッチッチって
指振る人初めて生で見た!!
「分かったよ。陽斗、俺の部下になれ」
「はっ、閣下」
陽斗は嬉しそうに片膝をつく。パウラとリカルダは、ギムレット商会に内々に伝えて良いか、マデーレンに確認を取っていた。ギムレット商会は、仁がエウロパを離れれば、エウロパから手を引くと王家に伝えていた。つまり、全面的に、仁のバックアップに回る腹積りのようだ。
商売はギムレット商会に任すか
冒険者稼業ををどうするかだよな
洞窟型はソロでなら
100層までは行けるだろう
過去の4回はそうだったのだし
問題は、増やした100層か
ま、何とかなるだろ
その後、マデーレンらはいそいそと王宮に帰って行った。昨日約束したアイテム作成よりも、マデーレンはアラン・アルヒンマキとの婚約破棄、マーガレットは予定されていたフィルッパ公爵家との婚約を白紙にすることの方が重要と言って。
余談だが、仁は、久しぶりにユニークスキルやステータスを確認して、絶望する。眠らされている間に何があったのかを知って、昨夜の添い寝の序列を決める方法の予想がついて。
絶望した内容は、ユニークスキル一覧の下の方の隠しスキルの所を見てください
☆主人公ユニークスキル一覧
主人公の現段階でのユニークスキルです。
スキル効果、下位スキル、下位レベルの説明。開眼している隠しスキルも公開してます。ご参照ください。
http://ncode.syosetu.com/n0441dk/1/
なお、腰妾については、腰は間違いないのですが、妾であっていたか自信がないです。