第33話 剣聖マフレナとの遭遇
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☆登場するかもしれない国名・町村島の名前
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2016/10/13 サブタイトルの話数変更
仁は、冒険者ギルドに来ていた。Aランク昇格試験の際に一人で、オーガらを倒した為、Sランク昇格のポイントを満たして450 GP余る状態だ。なお、眷属が倒したGPもその者が、冒険者ギルドに登録していないと仁に入ってくるようで、リリシア以外の討伐等も仁のGPになっていた。昼に近い時間帯なだけあってかなり空いている。
ふむ。サッリが空いてるな
サッリのところに行くか
「やぁ、サッリ」
「あ!ジンさん、今日はお一人ですかにゃ?」
「うん。Sランク昇格試験についてはなんだけど」
「はい。用意出来てますにゃ。一次試験は、この国に、ジンさんより強い者がいにゃいので、免除ですから、すぐに受けられますが、どうしますかにゃ?」
「Sランク級の何かが発生しているのかい?」
「この前倒したオーガジェネラル級の目撃談が、マンノサリ村あたりの森にありましたにゃ」
「うを!遠い!7日後には、アニバルの街に知り合いに会いに行くから、後日受付とかも可能か?」
「ジンさんパパっと行けないんですかにゃ?」
「一人なら行けるが、試験官がつくだろう?SSランクの人とか」
「あー、そのことなんですが、今、手の空いているSSランクの人が一人しかいにゃくてですにゃ。その人が、ちょーっと、人付き合いの悪い人なんで、ギルマスも、なしで・・・」
「ちょーっと、待ったぁ!人付き合いが悪いとか、人聞きの悪いことを言うな!求婚を断っているだけで、そんなつもりはない!自分よりも剛き者と結婚したいと言っているだけだろうが!」
「いや、だって、貴方より強い人って、数名しかいませんし、既に既婚者ばかりですから、それ以外の人となると、心当たりはありますが、その人もきっと求婚はしませんから、生涯独身確定じゃないですかにゃ!」
「独身確定とかやめてよね。まだ、可能性あるでしょ?それに心当たりがあるなら、冒険者ってことだろうし、手当たり次第、対戦を求めれば、私に勝てる人に当たるだろうし、その人のところに押しかけて、子種だけ貰えばいいじゃない!」
「冒険者しか知り合いがいにゃいみたいに言うにゃ!それと押しかけて子種だけ貰うって、あにゃた女の子がそんにゃ事言うもんじゃにゃいにゃ!そんにゃ辻斬りみたいにゃ事をするから、孤高の人ににゃるのにゃ!」
「辻斬りって、まだやってないわよ!これからするかもだけど」
「だから、それを言ってるのにゃ!」
「だいたい、今スリギアには私しかSSランクがいないのよ!私に頼むしかないでしょーが」
「だから、頼みたくにゃいのにゃ!この人と対戦したら、あにゃた負けるだろうし、そしたら、あ!」
おー、
文脈の途中で話を切ると
「にゃ」にならないのかぁ
「え?この子が私より剛い?!なら、立ち合うしかないじゃない!!」
「やめてにゃのにゃ!」
「さぁ、君、獲物は何?私を倒して見なさい!魔法でもいいわよ!」
「結構です。求婚はしませんし、立会いません。サッリ、8日後・・・、うーん。位置的に受けた方がいいんだろうけど、この人嫌だしなぁ〜」
「ギルマスから、一人で行っても問題にゃいと許可は出てますにゃ。受理しますので、一人で行ってくれにゃいですかにゃ?」
「ちょーっと、待ってて!私がいるじゃない!」
「それでいいなら、サッリ行ってくるよ。じゃ」
「あなたも無視しないで!私と立ち会いなさいよ!このギルドから出られると?!あれ?どこ?どこに?あ、出口?なんで?待ちなさいって!」
「行ってらっしゃいませにゃ〜〜」
仁は冒険者ギルドを出るとすぐに、運動系スキル「跳躍」で、建物の上に飛び上り、密偵系スキル「潜伏」で、気殺した。冒険者ギルドから、先ほどの蛇人族が出てくる。視線は感じるようで、こちらを一瞬見るが、気配がつかめないらしく、首を捻り、左右を見回している。
あれが剣聖マフレナか
別名剣蛇のマフレナ
数少ない100連勝の剣聖である。まぁ、先ほどの「私よりも剛き者となら結婚しよう!」という言葉によって、襲いかかってきた求婚者らを蹴散らした結果、図らずも剣聖となってしまったという話もあるが。
とんだ戦闘狂だな
関わりたくない
くわばらくわばら
仁はオリジナルスキル「移動用転移」で、ティアンル村に移動した。このスキルは、ユニークスキル「スキル創造」を用い、魔法系スキル「空間把握」とオリジナルユニークスキル「広域鑑定」を合わせることで作ったスキルである。ただ、このスキルは、一度行ったことのある町しか行けない。行ったことのない場所にも、行きたくて、試行錯誤してみたが、作ることができなかった。何かが足りないのか。不可能なのかは分からないが。
ちなみに、他にもオリジナルスキルはある。まずは、「短距離転移」。ユニークスキル「スキル創造」を用いて、魔法系スキル「空間把握」と運動系スキル「疾走」で作った。50m範囲であれば、転移可能である。続いて「中距離転移」。ユニークスキル「スキル創造」を用いて、魔法系スキル「空間把握」とオリジナルスキル「短距離転移」で作った。500m範囲であれば、移動可能である。最後に、「瞬間移動」ユニークスキル「スキル創造」を用いて、魔法系スキル「空間把握」と運動系スキル「縮地」で作った。「縮地」より早く、視界の範囲であれば、移動可能である。先ほどのマフレナを煙に巻いたのはこのスキルである。剣聖なら、「縮地」くらい使えるだろうと、「縮地」より早いこちらを使ったのだ。
マンノサリ村は馬車で北に3日だっけか?
疾走で1日か
でも、マンノサリ村付近だから
手前って事もあるか
広域鑑定してみるか
ちょうど、馬車で1日半ほどの距離にオーガらはいた。数千人の甲冑を纏った連中を追いかけている。後方には、1500ほどの遺体があるようだ。
仁のオリジナルユニークスキル「広域鑑定」は、同じく仁のユニークスキル「ヘルプ」のMAP機能に連動させてある。MAP機能では、仲間が青色、友好な者が緑色、敵対者や魔物が赤色、関係が無いまたは無関心者が白色、遺体が灰色で表示される。また、自分で色を設定できるため、眷属は黄色、神は金色、召喚勇者女子は桃色、男子は水色などと設定してあった。
つまり、オーガらの前方に3500くらいの白色の点があり、オーガらの後方には1500くらいの灰色の点があるのだ。
お!やっぱ手前か
ん?戦ってるのか?
大人数の方は追われているだけか?
これは軍か?敗走っぽいな
あー、やっぱジェネラルだけってこたぁないか
オーガが100はいるなぁ
美味しいけど
軍事演習か何かで出くわしたんだろうな〜〜
あの人数で、討伐はないだろう
ヘイカスネン辺境伯軍か
よし、近くで見学すっか
仁は走り出した。運動系スキル「疾走」「悪路走破」「浮揚走行」を用いて苦もなく森を闊歩した。アッスントの婚約者に遭遇した時も、そうだったが、仁は別段、正義の味方ではない。身内なら助けるが、そうでなければ、見捨てる。今回のオーガジェネラルは、放置することによって、十束らに被害が出るのを恐れて、受けただけだ。よって、ヘイカスネン辺境伯軍を助けようとか思っていない。気が向いたら助けようかとかは思っているが、エウロパ入国時の噂でも、スリギアで土地を買った時の印象でも、ヘイカスネン辺境伯には、良い印象はなかった。だから、見学だけして全滅したら、それから動こうかと思っていたのである。
おそらく5000人規模の軍事演習だったのだろうが、たった101のオーガに兵は過半数以上を食われていた。元は綺麗な草原だったのだろうが、今は真っ赤に染まり、所々 腸が転がっている。
全滅したら焼くか
汚ぇし
仁は進行方向の東側に位置する森の木の上に移動して、見ていた。しばらく、見学していたが、残り100を切ったあたりで、あくびが出てくる。
もうちょいだな
あ、終わった
じゃ、やりますか
全力全開のファイアーウォールを草原一面に、ぶちかます。ジュワッと、たんぱく質の塊が、蒸発する音がした。ギルドカードを確認し、オーガ100体とオーガジェネラル1体が新しく増えていることを確認した。魔石も、アイテムボックスに自動的に収まったようだ。
ん?Lv.178になったか
いい経験値だったな
さて帰るか
仁は再び、オリジナルスキル「移動用転移」を使い、スリギアの冒険者ギルド前に到着。マフレナの気配はないようだ。「ほっ」とため息を漏らし、ギルド内に入る。時間は夜半1時を回っている。誰も受付にはいないようだ。酒場のおかみさんと目があう。
「どうしたい坊や。こんな時間に」
「はい。Sランク昇格試験の結果報告です」
「へえ?あんたが、『アラウンド・ザ・ワールド』のジンさんかい?調査の受付は、今日の昼だったろう?あ、いや、もう昨日になってるのか。でも、あれだよな。確かマンノサリ村あたりだよな?もう?」
「はい。マンノサリの手前で、ティアンルに向かっている最中のオーガジェネラル率いる101匹を討滅しました」
「え?討滅?!討伐じゃなくて?討ち漏らすことなく?!まぁ、討伐も依頼内容より上位なのに、滅ぼしてしまうとはね〜。まぁいいや、カードを通しな」
ギルド内に設置された、ギルドカードリーダーを示す。言われた通りに、仁はカードを通した。
「おや、本当だったね〜。Sランク昇格おめでとう。後日、王宮から、準士爵叙勲の連絡があるから、今日はもう帰りな」
「分かりました。ありがとうございます」
「あ、そうだ。SSランクに昇格可能だけど、どうするね?また明日来てもらうけど」
「そうですね。そうしてください。まぁ、すぐすぐには依頼が無いでしょうけど」
「残念ながら、割とあるんだよ。国外に出てたり、洞窟型ダンジョンに長期潜ってて連絡のつかない上位ランカーが多くてね。そう、それと討滅の際、何か問題は起こらなかったかい?」
「自分にはないですね。ただ、ヘイカスネン辺境伯軍か何かが、襲われてまして、血みどろな遺体ばかりで、数が正確ではないのですが、5000ほどが全滅してましたね」
「そうかい。運が悪かったんだろうね。他にはないかい?」
「ないですね」
「じゃー、おやすみよ」
「はい、おやすみなさい」
屋敷に帰り着くと、メイドらが門の中で、心配そうに待っていた。
しまった連絡してない!
おや?眷属たちはいないな
おろ?葵たちもか
「心配しました!大丈夫ですか?」×10
「すまない。連絡してなかったな。Sランク昇級試験、合格してきた」
「冒険者ギルドに行ってくるというだけだったので、すぐに戻られるかと思いまして。他の皆様は、『心配ないから』と先にお休みです。勝手にすいません」×10
「ごめん。今度からは、待ってなくていいからね」
「そんなわけには参りません。交代で待ちます!」
「そう?大変じゃない?」
「主さまを待つ事の何が大変でしょう!楽しくて仕方ないです」
「月単位で帰らなかったら大変でしょう。冒険者ギルドに行ったら、そのまま数日、依頼で出る可能性があるんだから、今回は単独だったから、馬車で19日かかる道のりを行って帰ってこれたけどさ。誰かと一緒なら一月半は帰ってこなかったんだよ?」
「ホワッ?!片道19日?!それを行って帰ってきたんですか?」×10
「そうだよ。俺だけだから可能だったけど、他の人は無理だからね。行った事がないところだったら、そのままの日数必要だし。今度からは、出来るだけ、連絡するけど、待たなくていいからね」
「いえ、待ちます!何年でも」
「あ、ああ、そう。ところで、俺が出た後、変わったことは?」
しゅうんとしたメイド達の中から、エルナが進み出る。
「はい。剣聖マフレナ様がお訪ねになりました」
「ふあ?!陽斗とか挑んでないよね?」
「ちょうど、皆様素材集めに出ておられまして、誰もいませんでしたので、丁重にお断りして、お帰りいただきました。明日また来るそうです」
「来ても通すな」
「ええ?どうしてですか?」
仁はサッリとマフレナの会話を掻い摘んで説明した。メイド達は分かってくれたようで、明日、眷属や葵らにも相談して阻止すると息巻いていた。
素材集めがあるんだが・・・
まぁ、いっか
商人ギルドや労働者ギルドにも
行こうと思ってたし
明日の予定をメイド達に伝え、床に就いた。




