第16話 魔法士ギルド以外はコンプリート
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下記は、ネタバレを含む設定資料です。
いくつか項目があるので、ご注意を
http://ncode.syosetu.com/n0441dk/
2016/08/21 前書き修正
2016/10/13 サブタイトル変更
仁は昼食後、冒険者ギルドに向かう事にした。メンバーは、仁、陽斗、葵、凛、楓、リリシア。ポケットにナスターシャ。他眷属たちは、召喚待ちで待機とする。葵以外は全員前衛という非常にバランスを欠いたメンバーだが、仁はオールラウダーの為、特に気にしていない。エルナ、ケレブリン、イアヴァスリル、イドリアル、エアルウェン、エゼルミアらメイドは、部屋割りから掃除まで、家事全般を任す。アナスタシアとヤロスラーヴァは、リフォームで作った、鍛冶工房横の倉庫に、鍛冶素材の運び込み、要は雑用だった。
家を出て、冒険者ギルドに向かう。冒険者ギルドは、王城から西に伸びる大通りと、王城の西面に広がる街の南北をつなぐ大通りの交差点にある。ちなみに、交わりの4点の王城側の北側に冒険者ギルド、王城側の南側に商人ギルド。冒険者ギルドの対面に魔法士ギルド、商人ギルドの対面に労働者ギルドがある。その為、別名ギルド大通りと言われている。スリギアは第一街区と第二街区とがあり、第一街区が王城側、第二街区が塔型ダンジョン側となる。また、それぞれの街区が、16番区に分かれている。楕円形であるものの、それぞれの街区を田という字に喩えると、中心点に接する形で、4つの田がある状態である。仁が購入した土地は、商人ギルド・労働者ギルドの南に位置する。
流石は、20万都市の第一街区なだけあって、人が多い。商人ギルドの前で、ライムントと、錬金術師風の三尾の多尾狐族と、ドワーフが話し込んでいる。中で話せば良いものを、エウロパ王国商人ギルド本部長が、通り沿いに出てたら、注目の的だろうに。仁は目礼をして通り過ぎようとしたが、声をかけられた。
「ジン殿、今から冒険者登録か?ダーヴィット氏にいずれは商売を始めるかもしれないと聞いた。どうだろう?商人ギルドに登録だけでもしてみては?」
「いずれの事です。登録税もありましょうし、今はいいかと」
「それにしても、すごいものを作られたとか?ダーヴィット氏が絶賛しておった。見せていただく事はできまいか?」
「ギムレット商会ほどの大手商会に商品を見せては、私が困りませんか?」
「いやいや、ジン殿と敵対するなど、怖くて出来かねる。見るだけでいいので、ちょっとでいいから」
「それに、このお二人は良いのですか?お客様のようですし」
「ああ、こちらは労働者ギルドのギルド長のアウルヴァングル・オルムール氏と労働者ギルドの副ギルド長のサクヤフフーリエ・マグヌス女史だ。労働者ギルドと商人ギルドは深い縁があるからな。午後に冒険者ギルドにジン殿が向かうと聞いて、待ち伏せていたのだよ」
迷惑な!!
そんな大物3人が
冒険者初登録の未成人を待ち伏せるな!
「くぅっ、仕方ないですね。お3方にお見せしますが、往来でというわけには参りません。うちの屋敷か、ギルド内でお願い致します」
「もちろん、ギルド内でお願いする。すぐにでも見たい」
ライムントは顔を近づけ、小声で言う。
(アイテムボックス持ちだそうですね。すぐに出せるでしょう?)
?!
どこで仕入れた、その情報!!
流石は鼠人族という事か
魔法道具袋を偽装の為に使ってたのに(;_;)
(そう警戒しないで下さいよ。大丈夫、内密にしますから)
仁は渋々、商人ギルド内の面談室に入る、パーティメンバーも一緒に。
それにしてもですよ?
アウルヴァングル・オルムール
サクヤフフーリエ・マグヌス
この両名の家名が気になる
もしかしなくても、
チュートリアル中のキャラの末裔か?!
最近多いな〜〜
チュートリアル中の関係者とかに出会うの
「さて、労働者ギルドの方々もいるという事は、作り方が予想できているという事でいいのでしょうか?」
三尾の多尾狐族、サクヤフフーリエ・マグヌスが答える。
「付与師のJOBユニーク、アイテム作成を使っているのではないかと考えている」
オッ、フォ!!
タマモの声だ!!
やべ〜〜
狂いそうだ!!
「アイテム作成をするにしても、素材集めが大変でしょう。どうやって集めましょうか?」
ドワーフのアウルヴァングル・オルムールが答える。
「鍛冶師のJOBユニーク、鉱物精製も利用している可能性が高い。また、素材採集系のスキルも利用しているのではないかと考察する」
ダーヴィットに物を見せただけだ
それを伝え聞いただけで、
2人とも正解に辿り着くとは
ギルド長クラスってスゲ〜な
「流石は労働者ギルドのトップですね。4品の作り方は、アイテム作成。そのうち1つが鉱物が使われております。量は非常に少なくて済みますが、それでも、鉱物を使う物は、全世界に流通させ、最低でも1家に1つ。最終目標は1人に掌サイズを1つずつ売り出したいと思っておりますので、量自体はたくさん必要でしょうね」
「「「ほぉ!それは規模が大きい」」」
「では、お見せしましょう。比率は教えられませんが、物を見たところで、素材も想像がつかないものもあるかと思われます」
鏡、インディア紙、ちり紙、ティッシュペーパーの順にアイテムを見せた。大好評だった。全て今から販売したいと言う。それは断った。ようやく、冒険者ギルドに行けそうだ。
仁たちは、西部劇の酒場のような扉を開いて、冒険者ギルドに入った。裏にある酒場に繋がっているようで、ギルド内は割と空いているが、ガランとしているわけでもない。品のない笑い声が聞こえる。ギラギラさせた目つき虎人族の兄ちゃんやアマゾネスみたいな姐ちゃんが、ギルド内に設置されたソファー気怠げに横たわっている。
ガラ悪ぃ〜な
他の村ではこんな感じだったっけ?
出国手続きくらいでしか見てないからな
気づかなかっただけかもな
仁を先頭に、受付カウンターに向かう。向かう途中に先ほどのソファーがあり、ガラの悪い虎人族の兄ちゃんが、ひっ転んでしまえという風に、足を投げ出してきた。
はぁ、面倒な
仁は徐ろに、その足を掴み、持ち上げた。
「おわたたたたたたた」
「はっはっはっ」
足を持ち上げられた虎人族の兄ちゃんは奇声を上げ、周りにいる冒険者たちに笑われる。顔を真っ赤にして、仁にガンを飛ばしてきた。
威圧も使えないのか
たいした事ないな
「何ですか?」
「生意気なガキだな。ここは冒険者ギルドだぜ!ガキが遊びに来るところじゃね〜んだよ」
「そうですね。あなたのような子どもはお帰りになった方がいいでしょうね」
「なぁにぃ〜〜?クソガキが、ぶっ殺すぞ!表に出ろや、ゴゥラ!」
だから、威圧くらい飛ばせや
挑発も飛ばせないならよ
ふと、カウンターを見ると、脇にあるギルド職員事務室から、ダーヴィットと蜥蜴人族の男性がニヤニヤして見ていた。ダーヴィットは、口をパクパクさせながら、「やっちまえよ」と言っている。新人弄りは、登竜門と言ったところか。
仁は外にまた出るのが、面倒だったので、手をさっと翳して、氷の箱で閉じ込めた。虎人族の兄ちゃんは、厚さ40cmの箱の中で、氷壁を殴りながら、何か喚いていたが、音は通らなかった。まるで、パントマイムの叫ぶ人のように。
さっと抜いた偃月刀を構えながら、やや青ざめた他の冒険者たちに問う。
「次は誰です?そこでニヤニヤしているダーヴィットさんみたいに、気絶したい方は、前に進み出て下さい」
「おま!そんな事言うんじゃねーよ。あん時は、木刀だったろうが、そんなんで相手されたら死ぬぜ」
「え?」×30ほど
ダーヴィットの横にいた蜥蜴人族の男が、笑いながら、寄ってくる。
「はっはっはっ、いや〜〜凄いね。ダーヴィットには聞いてたけど、君強すぎでしょ?僕でも勝てないかな?」
「ギルマス!?まぢか。お前さんなら勝てねーか?」
「無理だよ。彼本気じゃないのに、魔法感知できないし、あの刀いつ抜いたの、見えた?僕には見えなかったよ?手を振って、他方を向いたら、刀抜いてるなんて、正真正銘の化け物かな?僕にもなれなかったUSSになれるんじゃないかな?もしくは、スリギアの2つのダンジョンを踏破するとかね。洞窟型ダンジョンは、盗賊王オータム・リーブス、大魔導師ギブソン・ネグローニ・ルシアン、創世の鍛冶師ジンヴィトニル・オルムール、大魔王ジン・ブラド・レイに続き、史上5番目の踏破者になりそうだよ」
全部俺じゃねーか
あ、あの時のダンジョンってここか!
街に見覚えがねーよ
どんだけ発展したんだここ!
てか
称号が厨二だなぁ
自分で名乗ったわけじゃねーのに
恥ずかしい
「加えて、塔型ダンジョンは、史上初の踏破者になるんじゃないのかな?」
あ、やっぱり?
見覚えがねーわけだ
「さて、召喚されし、真の勇者ジン・ミツルギ君?ようこそ、冒険者ギルドへ!君の初めての冒険譚を始めようか!」
こいつ日本人からの転生者だろ
厨二だ
アイナノアに通じる何かだ
仁は、冒険者をやめたくなった。
宮廷魔導師新人のナディヤが前任の魔法士ギルド長という裏設定があります。
実は、スリギアギルドはコンプリート済みなのですw