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【更新停止】流星に当たって、異世界召喚  作者: 八凪 柳一
第1章 冒険者篇
20/92

最12話 龍人の里

第1章の最終話となります。

明日から新章スタートです。


いつも、読んでいただきありがとうございます。

ブックマークも増えており、一定のPVもいただき、感謝の極みです。

本当に励みになります。


誤字や、助詞の間違い等ありましたら、ドシドシお待ち申し上げております。

修正する事で、文が良くなるのです。私にとっては、一字千金の価値があります。

よろしくお願いします。


下記は、ネタバレを含む設定資料です。

いくつか項目があるので、ご注意を


http://ncode.syosetu.com/n0441dk/


2016/07/15 大幅修正

2016/07/30 誤字削除

2016/08/21 前書き修正

2016/10/13 サブタイトル変更

 仁たちとエルフ10人一行は、ドゥームゥ山脈の洞窟へ向かった。途中、熊の魔物モンスターリケメジヒと、何かが争っている。


冒険者か何かだろうか?


 仁は、同行者らに断って、見に行くことにした。仁は運動系スキル「疾走」と密偵系スキル「忍び足」「隠形おんぎょう」「潜伏」コンボで近寄っていく。


 なんと、リケメジヒと戦っていたのは、5人の龍人族であった。若者たちのようである。という事は、成人の儀式だろう。リケメジヒは3匹。普通、龍人族の成人の儀式は、2人一組で、自分たちより3倍以上体格の大きい魔物モンスターを1匹倒す事と、里の近くにある山脈を踏破すること。山脈の規模によって、踏破期限が変わる。ドゥームゥ山脈規模なら10日だろう。ドゥームゥ山脈は、東西に長く伸びている。普通の人なら30〜45日かかる規模だ。このドゥームゥ山脈は、英雄王ジンラード・アーサー・カエサルが、5日で踏破したという伝説があり、それを踏襲する形で、成人の儀式を行う。成功率は50%ほどだっだはずだ。成人の儀式を突破出来ないと、成人年齢に達していても、成人とは認められない過酷な儀式なのだ。


 それにしても、5人はヘトヘトだった。恐らく、山脈突破の最後くらいに、リケメジヒ3匹と遭遇したのだろう。普通は、よほど体力に自信がない限り、魔物モンスター退治は先に行う。彼らも、そうしたようだが、血抜きがきちんとできていなかったのか、アイテム袋が魔物モンスターの血で赤黒く固まっていた。恐らく道中、たくさんの魔物モンスターに襲われたのではないだろうか?魔物モンスターは、血の匂いに敏感だ。あのアイテム袋が魔物モンスター引き寄せ香の代わりになったに違いない。だが、それも実力。


成人の儀式かぁ、

見守るしかないのだろうが。

監視役が居るだろう?何やってる?


あ!いた。

ハラハラしながら見ている


 仁は、監視役に、そおっと近寄り、話しかける。勿論、スキル異種族言語〈龍・龍人語〉を発動させて。


≪大丈夫そうですか?≫

≪む?何者?何?!人種だと?!ムグ≫

≪声が大きいです。成人の儀式の若者らに監視役が気づかれたら、意味がないでしょうに≫

≪ああ、すまぬ。取り乱した。それにしても、人種なのに、よく我らの事を知っているな≫

≪勿論、英雄種ですからね≫

≪ふぅ、ありがたい言葉だが、我らは所詮衰退種。英雄王がいらっしゃった頃とは違う。今は、生きていくことで、精一杯の絶滅種よ≫

≪寂しい事を仰いますな。あぁやって若者が成長しているではないですか≫

≪どうかのう。あやつらが、我が里最後の若者よ≫

≪英雄の故郷が滅びると?≫

≪そこまでご存知とは、そなた何者だ?≫

≪あ、動きがありますよ?≫

≪む、まずいな。あの子らには無理だったか。成人の儀式は来年に持ち越しだ≫

≪では、何かの縁です。助けて参りますね≫

≪え?≫


 仁は運動系スキル「縮地Lv.10」で、龍人族の若者たちの脇に立つ。オールヒールを使い、5人を回復させると、話しかけた。


≪誇り高き龍人族の若者たちよ。成人の儀式は失敗だ。だがその心意気、気に入った。次の成人の儀式には、今から、我が見せる技を使えるようになると良いな≫


 仁が取り出したるは、神槍・雷霆。リケメジヒを1匹一突きで倒す。ドォウと音を立てて、3匹が倒れた。


≪人種?!≫


 若者たちは、呆然と見つめてくる。そこに、監視役の女が寄ってきた。


≪いやはや、神業ですな≫

≪いえいえ、彼らに良いところを見せてやりたかっただけですよ≫


 その時である。ドゥームゥ山脈が大きく揺れた。山の一つと思われていた場所がから、深い碧色の大亀の顔がそそり立つ。


『懐かしや、我主。4500年ぶりか?』


 また、大気が震え、空から覇気のある声が降ってくる。そこには、金色の東洋龍が舞っていた。


『過去に9度ほど、気配は感じておりました。今回で10度目か。マイマスター』


≪神獣ゲンブと神龍テュポーンだと?!≫


 監視役の女が跪き、それに倣って、若者たちも、跪く。


「懐かしいね、2人とも。元気だったかい?」


 仁は何かを諦めたように話しかけた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 龍人族ジンラードは、今から4650年ほど前に生まれた。ドゥームゥ山脈の中ほどにある、小さな村だった。仁の認識は5歳から始まる。ひどく貧乏な家だったが、強い龍人になるようにと父は厳しく育ててくれた。母もいつも優しく育ててくれた。娯楽も何もない、村で、ジンラードは子供の頃から、このドゥームゥ山脈が庭場であった。山脈を駆け回り、魔物モンスターを狩り、山菜を採り、日々の糧とした。


 15歳の時、成人の儀式を経て、成人すると、村の秘宝であった槍を村長から賜り、槍士となる。村一番の槍士といつしか呼ばれるようになる。時は乱世。いつかは、天下をと、ジンラードは思っていた。しかし、辺境の村から、龍人族の王都までは遠く、たまにある戦役に、村の若者たちを率いて、出るくらいにしか、先を見る術がなかった。


 史書は語る。英雄王ジンラード・アーサー・カエサルには、3度の転機があると。1度目は、魔獣ゲンブを下し、ゲンブをジンラードの威光にて神獣に昇華させた戦い。龍人王ドニックス・アーサーらを救い、近衛兵となる。2度目は邪龍テュポーンを下し、ゲンブと同様に神龍に昇華させた戦い。恋仲だった第一王女と婚約し、将軍となる。最後が、反魔族連合の総大将として連合軍をまとめ、魔族を大陸の外側へと、追い詰めた戦い。反魔族殲滅戦と呼ばれた戦いの後、世界の全ての生物種の王たちにかしづかれ、皇帝を意味するカエサルを号し、世界最初の統一王となる。


 その後、100年ほど帝位を保ち、この世界を去り、神界に戻る。神獣ゲンブと神龍テュポーンは、ジンラードに龍人族の護り神となろうと約束し、どこかの山脈で、今も龍人族を見守っているという。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これが、龍人族に伝わる。ジンラード・アーサー・カエサルの伝説〈簡略版〉である。監視役の女はおののいていた。伝説の神獣と神龍が、目の前にいて、その近くにいる人種を主と呼んでいる。この者は何者なのかと。


「お前ら名前、何だったっけ?忘れちまったから、このままでいいんじゃね?」

『『それはないでしょ。我主 (マイマスター)!今度こそ、連れてって!』』

「でけーし、連れてけねーよ」

『『う、うむ。なら』』


 ゲンブは河川族に、テュポーンは龍人族の姿になる。河川族とは、日本で言うところの河童である。グロテスクな容姿ではない。町おこしに使われそうな和む河童だった。


「ついくるのか?」

「勿論です!!」

「まー、あん時も置いてったしな」

「「いつの間にか、居なくなってて、泣きました」」


≪少しいいか?≫

「龍人語じゃねーとダメか?」

「あ、いや、すまぬ。先ほどまでの癖で。あなたが、英雄王の生まれ変わりだというのは、神獣と神龍が従っている事で間違いないだろう。しかし、英雄王はお亡くなりになったのでは無いのか?置いてったとは?」

「死んだのは間違いねーだろーな。じゃなきゃ、生まれ変れねーし。多分、伝説では、失踪って、できねーから、神界に帰っただとか、この世を去ったとかになってるって聞いてる」

「失踪?!」×6

「うん。だが、実際は、帝位を息子に譲って、嫁さんたちにも別れを告げて、ふらっと旅に立たんだよ。んで、最高レベルに達した後、どっかの洞窟で、死んだんじゃなかったかな?」

「では、あの、伝承にある神獣様や神龍様と約束して、護り神になってもらったという話は?」

「そんな話したっけ?」

「「知らんな」」


orz×6


「わり〜が、お前ら村へ戻れ。俺の事は話してもいいが、どうせ誰も信じん。それに俺らは旅の途中だ。昔みたいなヤンチャはしねーよ。この成人の儀式だって、俺の無茶振りから始まったんだからな」

「へ?どんな?」×6

「山脈を走れだの、自分らよりつえぇ奴と戦えだの、俺が将軍だった時の軍事訓練だった内容だ。俺の頃の成人の儀式は、誕生日に、龍神に祈って終わりだったんだから」


orz ×6


 6人は、村に来て欲しいだの色々理由をつけて、歓待しようとした。仕方ねーなと、眷属に念話。陽斗やエルフら20人を呼び寄せる。神獣や神龍に驚いていた為、彼女らは、この場所で待機させた。また置いていかれると泣き顔だったが、戻ってくるからと宥める。


 仁たちは、英雄王とか神獣・神龍の件を隠し、成人の儀式で、若者らを助けた者として、龍人族の村を訪問、大変感謝される。子どもが少ない事について、生命神に、相談しようと話し、生命神やシトドラヴの二柱ふたりに了承を得て、召喚した。生命神に相談し、シトドラヴの二柱ふたりにも相談して、龍人族の出生率を100年ほど、高めにしてもらった。


神々も忙しいからね


 神を召喚した事で、里長や長老たちは、すぐにジンラードであると気づき、臣下の礼を取ろうとしたので、今は人種だからと宥める。どうしてもついて行きたいと言い張る若者らから、1人を連れて行くことになった。ついて来る者を決める為、ジャンケンを教えたところ、龍人族らの娯楽に成ってしまったのは、また別の話。しかし、決まった1人が成人の儀式未完了の女の子だった為、監視員の龍人も同行する事になった。監視員だったアナスタシアとヤロスラーヴァが従者となる。1時間ほどで、神獣・神龍に待機を命じたの位置に戻った。神獣と神龍は泣いて喜んだ。


「さて、お前らを連れて行くかどうかだが」

「「ごくん」」

「仕方ねーな。連れてくよ」

「「ありがとうございます」」

「ゲンブ、お前はベルデと名乗れ!」

「はい!我主」

「テュポーン、お前はラシシーフローラと名乗れ!」

「はい、マイマスター」


 彼女らに似合いそうな服や武具防具を出してやった。身につけると、眷属化した。その後、旅を再開する。しばらくして、洞窟に入っていった。洞窟の中で、越境受理書を受け取った。村や街のギルドで国籍を変えるまでは、何かあった場合に、ギルド発行の身分証と合わせて、見せるようにと教えられる。また、受付男性は、ギルド職員のようで、元ギルド勤務の三つ子エルフとの別れを惜しみ泣いていた。

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