第3話 ユニークスキルを使ってみよう
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下記は、ネタバレを含む設定資料です。
いくつか項目があるので、ご注意を
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クラスメイトに向かって話しかける。
「みんな、気持ちは嬉しいが、王様が言うように無理な相談だ。きちんと、話すから、少し待ってくれないか」
身体の方向を変え、恭しく、王に話しかける。
《交渉スキル発動開始》
「王様、皆を説得します。全員を残す事はできないかもしれませんが、余人を交えず、この者らと話す時間をいただけませんか?」
「そちにできるというのか」
「なんだと!!」
暢長が、再度、威圧を発動させる。
《交渉スキルの対象が威圧スキルの影響下に陥り、交渉スキルが失敗しました》
「ナガ抑えろ、王に失礼だ」
「お前にはいいのかよ!!」
「いいから」
「な、なら話は聞く。皆いいよな。全員で、仁を引き止めるぞ!!」
「おう (うん)!!」×28
再度、王に言う。
「宜しいでしょうか?」
「よきにはからえ」
幾人かのメイドに先導してもらい、長い廊下を経て、食堂に到る。流石に、勇者たちだけにするわけにはいかないのか、近衛兵をはじめとする廷臣たちと王族・宰相・宮廷魔導師が、ついてきている。
余人を交えずと伝えたが、伝わらなかったか。
いや、勇者たちに何をされるか、怖いのだろうな。
仕方がない、久しぶりにアレを使うか。
最巧の魔導師、賢者マジク・ジンはLv.900で、ユニークスキル「魔法創造」を手に入れた。複合魔法や魔法陣を作り上げた彼であるが、その全てが伝わっているわけではない。勿論失伝した魔法も多いのだが、自ら封印した魔法も多い。
それは単一種族では不可能な魔法だったり、倫理観に基づき、行われてはならないと判断された魔法だったりする。今回使われた隷属召喚陣も彼の倫理観に基づき封印された魔法であった。
ただ、弟子が多かったせいで、どこに封印したかは大凡検討がついたのだろう。封印を抉じ開けたか、長き年月により、封印が綻びたかは分からない。判らないが、使われてしまった事は事実である。
賢者マジク・ジンの作り上げた魔法はどれもこれも一個人ではなし得ない魔力を消費する。ステータスにおける魔力=MPであるが、MPを使い切ると、生命力=体力=HPを消費する。
そのため、MPもHPも無くなると生命を維持できなくなり、死んでしまう。マジク・ジンの後継とか、再来とか言われる魔導師たちは、死と隣り合わせで、それを名乗らなければならない。
賢者マジク・ジンは、彼の倫理観に基づいて、様々な魔法を封印したのだが、膨大な魔力消費と体力消費をもたらす為、「(魔導師の)死をもたらす魔導師」という大変不名誉な渾名も伝わっている。
今日、賢者マジク・ジンの魔法は個人では利用できないものの、連結魔術という24人以上の魔導師または魔法遣いなどで魔力を共有し、魔法や魔法陣を発動させる事が可能になっていた。
また、賢者マジク・ジンの魔法陣は、きちんと魔法陣を読み解ければ、どれくらいの魔力が必要かが魔法陣の中に、魔法言語で組み込まれている。5000年以上もの長きに渡り、賢者マジク・ジンの魔法が廃れなかった由縁である。
さて今回、仁はマジク・ジンだった時に作った結界魔法を使おうとしていた。これも封印した魔法だか、倫理観からではない。生活魔法を除く、全属性で全て精霊級以上の適正が必要であった。
ちなみに、木属性はドライアドなどの樹木系の精霊が持つ属性、金属性は金属の精霊が持つ属性、毒属性は魔族の一部が持つ属性である。基本復元は不可能である。何故、封印したかというと、研究熱心な魔導師とか賢者とかが、精霊界をしっちゃかめっちゃかにする可能性を危惧したからに過ぎない。
普通、属性結界は、属性の色を持つ。地属性のなら茶色、水属性なら水色、火属性なら赤色という具合である。ところが、賢者マジク・ジンの15属性多重結界は無色透明なのだ。
何かあるが進めない。何故か迂回してしまう。中にいる者の声が聞こえないし、中にいる者の行動は薄ぼんやりしてよく分からないという効果があり、中からは攻撃できるが、外からの攻撃は一切受け付けない。
対抗手段はある。魔法感知と鑑定Ⅷ以上を使って把握した上で、対全属性無効をその結界が張られている範囲に使えばいい。結界の規模によっては、広域魔法拡大のⅠ〜Ⅴのいずれかが必要になるだろうが。
勿論、デメリットは存在する。結界が張ってある最中は、中から外には出られるが、外から中には入れない。再度中に入る為には、結界の分解と結界の再発動が必要になる。あとは、魔力を100万ほど消費して発動し、1時間維持するのにさらに100万ほど消費する。
まぁ、仁の場合は、ユニークスキル「消費MP減少EX」の効果で、全く消費しないのだが。
さすがに、仁でも、複合魔法は詠唱破棄では使えない。無詠唱で発動させる。
《ひふみよいむなや
こともちろらね
しきるゆいつは
ぬそをたはくめか
うおゑにさりへて
のますあせえほれけ
『15モーティポベアリア』》
ん。完璧!
準備が出来た。何から話そうか。
「ここからは日本語で話そうぜ」
「話してるよ」×29
「んー、ああ、そうか。ステータス板を出してくれ。その中のスキルに『異世界言語』をタップしてくれ。そしたら、OFFにして良いですか?と出てくるはずだから、YかYesを選んでくれ」
「え?」×29
「いいから、やってみて」
「ステータスオープン」×29
「異世界言語っと、わ!マジか」×29
「本当に選べる。Yesだよな (ね)」×29
「何で知ってんの?」×29
「言ったろ、きちんと話すって」
「何か知ってるって事だな」
《威圧無効を発動しました》
「ナガ、凄むな。お前、気づいてないだろうが、威圧スキルが発動してるからな。自然に出せて対象が選べるのは凄い才能だが、コントロールしないと迷惑だからな」
「え?あ、すまん。そんなつもりじゃ・・・。何で分かる?」
「俺は本当の力を隠してる」
「え?」×29
「あ、だから、日本語で話せるようにさせたのか」 (暢長)
「それもある」
「それにもって、他にもあるのか?」
「ああ、ある。今俺たちがいるテーブルは、特殊な結界が張ってある。この結界の中での声は、結界外には聞こえない。見てみろ、じじ共が慌ててやがる。んで、日本語にした理由だが、ある程度の魔法適性があれば、薄ぼんやりとは言え、俺たちの口元が見える。読唇スキル持ってる奴が、居たら厄介だからだ」
皆は王や廷臣たちを見ている。
「本当だ。でも、じじ共ってひどくない」×29
「そこ?!」
「いや、すまん。お前といると何でもありって、気がしてさ。何を聞かせてくれるんだ」
「最初に謝っておくが、全部は話せないからな。そーだな〜、まずは事のあらまし、隕石についてだろうな〜〜」
「あれは、本当なのか」
「やっぱ半信半疑か。あれは、説明に来た。神の御使が悪いな。俺のフォロー前提で、だいぶ、話を端折ってやがったからな」
「お前は何でも知ってるんな」
「そうだね〜〜、何でもってわけじゃないが、大概知ってるね〜」
「どんな内容なんだ?」
「元々は、8月13日の夜の事だ。あの日、流星が、地球に激突して、地球は崩壊した。」
「え?だってお前、あの流星雨は何だったんだ」
「ありゃ、ダミー映像だ。思い出してみろ、8月13日から登校日まで何か記憶があるか?何だったら、ドラ◯ン◯ールの話でもいいぞ。8月19日放送分の『明日はオメエを叩きのめす!!悟◯の挑戦状』の内容は?」
「ド○ゴンボ○ル全話見てるのに、8月12日放送の『17号を飲み込んだ…変身セ◯は超グルメ』は覚えてんのに、予告で見た、お前の言ってたタイトルまでしか思い出せね〜」
「つまりな、8月13日の夜、正確には8月14日の1時くらいだろうが、そこ辺りから、皆死んでんだ」
「でも、俺たち生きてるぜ?」
本当の事は言えないが
ある程度は話そう
「そこはな、神様と交渉したんだよ。俺、流星当たっちまったからな。直撃だったそうだよ」
「どういうことだ?」
「つまりな、俺たちの命をどうにか違う星でも、別の世界でもいいから、生き返らせて欲しいってな」
「え?」×29
「全員そのままってのは、無理だった。日本人の何人かはこの世界に転生していると思う。今の時代かもしれないし、過去の人物かもしれないが、記憶を残してるかどうかは知らん。」
「俺たちは?記憶あるし、地球にいた時の格好のままだぜ?」
「神々が、勇者召喚を行うことを事前にキャッチしてたんだ。人数は30人、だから、気心の知れたお前たちにしたんだよ。悪ぃな、巻き込んで」
「構わねーよ。どーせ、転移するなら、お前のいない異世界より、お前のいる世界がいい。な!皆そうだろ」
「そうだそうだ」×28
「ナガ、皆。ありがとう」
「よせよ。照れるじゃねーか」
「地球の事は分かってくれたか?」
「ああ」×29
「では、この国のことと、これからのことを話すぞ」
「その前に、ちょっと質問いいか?」
篠田信晴が岳田暢長の肩に手を置きながら、話しかけてきた。
「どうしたよ、シノ」
篠田信晴は小学校からの同級生だ。ガタイが良く、柔道・空手道・日本拳法などを修めている。聞いた話では、空道や躰道なんかも齧っているらしい。暢長曰く、「喧嘩はしたくねー」相手らしい。
「さっきの王の話で、気になることがあってな」
「『全ての世界に平和をもたらせば、元の世界に戻す手段を講じよう』ってところか?ありゃ、大嘘だ。」
「全部、言わせろよ。これでも俺は道場とかでは、知的で通ってるんだぜ。ジンと話してると、自分は本当はバカじゃないのかと錯覚するよ」
「あ、すまんすまん。十分知的だと思うぜ。こんな状況じゃなきゃ、あの言葉の違和感に気づかねーよ」
「え?違和感なんてあったか?」
今度は赤木鐡心が、聞いてきた。赤木も、篠田と同じく、小学校からの同級生だ。おちゃらけた性格で、賑やかしが得意な、気のいい奴だ。
「テッちゃんには、分からなかったかぁ〜」
「美奈子、お前わかったか?」
「分かるわけないでしょ?それと、何度も言ってるけど、名前で呼ばないで!!私の事を呼び捨てにしていいのは、大切なダーリンだけなんだからね!!」
また、失恋したな
テッちゃん
どんまい
さて、意気消沈しているテッちゃんの事は無視しよう
ルーチン作業だし。
「さて、違和感があるのは、『魔王マリーンが所持すると言われている宝玉と多大な魔力が必要』ってところさ。どうやって知ったんだ?って話。本当に知ってんなら、宝玉の名前くらい教えてもいいだろう。多大な魔力って言い方も変だ。例えば、何人分とかな。俺らが、召喚された時、ぐったりしてるか寝てんじゃねーかっていう、映画に出てくるような魔法使い風の格好のした奴らがいたろ?あれは、俺たちを召喚する為に集められた、魔法使いだ。召喚陣に対する人数が分かってんのに、送還陣に対する人数が分からねーってのもおかしな話だ。つまりな、『返す方法は知らないけれど、探すふりくらいはしてやるよ』って言いたいだよ」
「「な?!詐欺じゃーねーか」」
「そうだな。詐欺だよ。んで、こっから先は、この国のことになるが、分かると思うが、騙して仲間にしようとしている国だ。相当ヤバい」
「そんなにか」
「だから、俺はこの国を出る。皆も出て欲しいが、全員いっぺんには無理だ。連れてけて4人だな。俺の護衛って名目で」
「なら、俺 (私)だな (よね)」×29
「鐡心、美奈子、信晴、暢長。お前らはダメだ」
「「「「なんで!」」」」
「お前らは、皆と一線を画す強さを持った。本物だよ。本物の勇者だ。Lv.1でそのステータスはありえねー。村人Lv.150相当だ。」
「150?」×29
「王は、99上限みたいな話をしていたが、それは違う。とんだ世間知らずだよ。まー、平和だったんだろうね。ここ2000年は魔族の侵攻もないはずだし」
「なんで知ってんの?」×29
「あ、8月13日からさ、召喚されるまでに、待ち時間が長かったんで、色々ロールプレイしてた」
「ずる!!」×29
「悪ぃ悪ぃ、お詫びに、なんかプレゼントしようかね。ちょっとステータス見るぞ。ステータスオープンはいらないから」
「なんで?」×29
「見れるから」
「嘘?!」
「本当。おわ!!高っけ!なんだ?親愛度まぁ、これなら大丈夫だな」
「何が?」×29
「なんでもねーよ。そうだ、連れてく奴、今から名前を呼ぶから。そうだな。、テッちゃんドラムロールよろしく」
「え?あ、ドゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥ・・・」
「なげーよ」×29
「え?あ、ジャン」
「はぁ、しまらねー。じゃ、発表する。陽斗、葵、凛、渡邉さんの4人だ」
「「「「やったー!!」」」」
「え〜〜」×25
「厳選なる抽選に基づくものだ。異論や質問は受け付けん
(親愛度100が4人って・・・、他の奴らもも軒並み75以上だし)」
「ブーー!ブーー!ブーー!」×25
「うっせ!じゃー、残る奴らには、役に立つスキルを3つずつやるから待ってろ」
「へ?」×29
《ユニークスキル【コピー&ペースト】を発動させます。対象を感知しました。ユニークスキル【経験値10倍】【必要経験値1/10】と常時発動スキル【隷属無効】を対象にペーストしますか?Y/N
Y
《ユニークスキル【スキルポイント譲渡】を発動させます。対象を感知しました。それぞれにスキルポイント1800を譲渡しますか?Y/N》
Y
「確認してみろ」
「すげー、ユニークスキル2つと、隷属無効ってスキルがついてる。このユニークスキルヤバくね?今までのユニークスキルがゴミのようだ」
「もう一つ教えといたる。スキルの横にレベルが書いてあるだろ?それをタップすると、必要な数が出てくる。その横にテンキーが出てくるから、テンキーに出てきた数字をいれな、スキルのレベルが上がるから」
「本当だ〜」×25
「ハルトたちは、後で色々教えたりするから、また後でな今、スキルポイント45000譲渡したから、枯渇してんだ」
「え?良かったの?」×25
「いいのいいの。それぞれに与えた1800を使って隷属無効をLv.10にしな」
「あ、うん!」×25
「うん。全員なったな。ユニークスキルについては、各自後で確認しな。ユニークスキルは特殊条件下でないとレベルが上げられないから注意な。他のレベルについては、今の要領でやれば、スキルレベルアップが、可能だからな。スキルポイントは、職業レベルが上がる時に増えるから、レベルが上がったら、確認しなよ。それと宰相のモーノって奴は、鑑定Ⅱってユニークスキル持ってるから、俺らが出て行くまで見られないようにな。出て行く時に、俺がなんとかするから、出てったあとは、気にしなくていいから。ここまでで質問は?」
「RPGにあるようなジョブチェンジとかクラスチェンジみたいのはある?」
「あるよ。ジョブチェンジは、太陽神の神殿か月光神の神殿かどちらかで可能。クラスチェンジは、特殊な環境下で起こる。スキル発動時みたいに、《◯◯にクラスチェンジが可能です。クラスチェンジしますか?Yes/No》みたいな感じで出る。保留出来ないし、Noを選んだ後、二度と出てこない可能性もあるから、気をつけな」
「スキルの覚え方は?」
「例えば剣術でいうと、スキルを持ってない状態なら、適性が高ければ、素振りをしただけでも、スキルを身につけられる中程度なら、敵と戦っている間に身につくことがある。全くないと何十年修行しても身につかない」
「判断材料になるものはある?」
「○聖を称号に持っているなら、それが、判断材料かな?○聖はそ適性があるスキルのスキルレベルを5底上げしてくれる。しかも、上限を上げてくれるから、通常のスキルレベルMaxが10の所を、15にしてくれるよ。ちなみに、◯聖って称号だけど、もう一段上の称号があるからな。○聖とかがない場合は、ごめん。ユニークスキルの鑑定をMaxにしている俺でも分からない。何か他に鑑定可能なスキルがあるのかもしれないし、ないのかもしれない。他には?」
「ない・・・かな?」×25
「じゃ、次な。隷属無効をつけた理由だが、召喚される時、隷属化が組み込まれてた。勿論、俺が無効にしたが、アイテムとかで、隷属化を図ってくるかもしれん。その用心の為だ。ただし、犯罪を犯したり、借金が返せないなどの正当な理由がある時は、発動しないから、気をつけるように。ここまでで質問は?」
「ないよ」×25
「んじゃ、次。ステータス板だが、頭の中で、「ステータス」と思い浮かべれば見えるし、レベルを上げたいスキルに集中とさっきみたいにテンキーが見えるから、数字を思い浮かべれば、加算されるから。あとは、そうだな。名前をタップすると簡単な編集が出来る。人族で苗字を持つ者は、貴族だから、苗字を非表示にしときな。」
「うん」×29
「ここで、美奈子に残念なお知らせだ」
「え?何?」
「さっきの苗字の件な、テッちゃんに名前呼びにされることになるからな」
「そうだった!!」
orzな美奈子と至上のひと時に浸っている鐡心は放っておこう。
「さて、最後に今後のことだ。なるだけバラバラに、この国を出て欲しい。しばらくは、幾つかの訓練があるだろう。簡単な冒険とかも出来ると思う。それを利用して、失踪なりなんなりしな。鐡心、美奈子、信晴、暢長は恐らく監視とか同行者が付く。簡単には無理だろうから、何年後になるか分からないが、魔族領に入ってから、行動しな。
それと、俺たちは、ここから、北東にあるエウロパ王国の首都スリギアを目指す。3年くらいは滞在するつもりだから、合流するなら、よろしく」
「もしいなくなってたら?」×25
「冒険者ギルドに依頼しな。少し依頼料はかかるし、何ヶ月か依頼を保持すると、さらに追加料金がかかるはずだから、金は貯めとけよ」
「分かった」×25