第1話 流星ボーリング
初投稿です。
よろしくお願いします。
2016/06/30 加筆・修正
2016/09/15 文章構成変更
2017/09/07 加筆・修正
「パンパカパーン大当たり〜〜」
気がつくと真っ白な空間にいた。前後左右も覚束ないほどの、真っさらで真っ白な空間に。
あれ?おかしいな
さっきまで
中学校の近くの月見台公園にいたはず
夜中に家を抜け出し、自転車をかっ飛ばして、2kmほど自宅から離れた、中学校近くの小山の頂きにある公園で、ペルセウス座流星群を見に来ていたはずだ。
昨年、母天体回帰に伴う大出現によりニュースを賑わせ、今年の予想でも同等の観測が見込めるとニュースで話題であった。まぁ、天体に興味のない中学生には通じない話題であるが。
美剣 仁は、いわゆるオタクであった。うまく隠すためとはいえ、あらゆる書物に手を出し、小学校・中学校で、追随を許さない読書量を誇っていた。天体観測も擬態する為の趣味の一つだったが、話題提供の為と、両親に断り、夜中に家を出たのである。
まぁ、途中でパトカーの巡回に補導され、家に連絡されてしまったが。両親の話で、仕方ないと解放されたのは、いい経験である。
さて、現状に話を戻そう。まさにド◯ゴンボ◯ルの精神となんとかの部屋みたいな空間。
そういえば、昨日の放送で
17号が飲み込まれてたっけ?
などと、回想していた。小学生の頃のクリスマスプレゼントに超神水を希望し叶わなかったのは、痛い思い出だと、苦笑いしていた。
今になって、あの世界に来てしまったのか!!
修行か!修行するんだな!!
オラ、ワクワクすっぞ!!
「くすくす、人間は本当に面白いね〜」
突然、美人な30前後のお姉さんが高校生と中学生と小学生くらいの3人の子どもを連れて現れた。
くすくすって、口で言ってるよ
「ちゃんと謝れよ」
30歳前後のお姉さんをバシバシ叩きながら、困ったように仁と同じ年くらいの男の子が言っている。
「すっごい幸運よ」
小学生くらいの女の子に言われる。
「当てたのは私だけど!!」
何の自慢で
何を当てたのだろう?
「はわわ〜ごめんなさい。ほら、ごめんなさいしないとダメよ」
高校生くらいのおねーちゃんが、小学生くらいの女の子に謝らせようとしている。
「えーっと、よくわからないのですが、そもそもここはどこですか?」
彼女らは神を名乗った。そして、4柱は自己紹介とともに、事情を説明してくれた。まず、30歳前後のお姉さんは創世神を名乗った。高校生くらいのおねーさんが智神、中学生くらいの男の子が武神、小学生くらいの女の子が運命神とのこと。
また、仁は、流星が激突した中心地におり、死亡。流星が激突した原因は創世神と三柱の子神がボーリングのように星を降らせていたところ、誤って当ててしまった為、星ごと吹っ飛んだと説明される。
「星流しをして遊・・・んん、観察してたらね、当たったの!!てへ」
てへ、じゃーねー!
「「かーさま、謝って」」
「強運よねー」
「「お前 (あなた)も謝れ妹よ」」
武神は笑いながら、創世神を叩いており、智神は涙を流しながら、運命神の頭を押さえて、謝罪してくる。
う〜ん、なんというか混沌な状況
「地球が壊れたんなら、もうどーしようもね〜んだろ?それとも、何か保証してくれんの?」
びっくりして仁を見つめる子神3柱。創世神は納得したように話を始める。
「わたしのぉ、責任でぇ、こぅなってしまったんでぇ」
イライラする話し方だったので、要約すると、今回の件で死亡した者たちを纏めて異世界に送り込むとの事。とりあえず、日本にいた人ならA、アメリカにいた人ならB、中国にいた人ならCという風に各々別の世界に転移・転生するという話だった。世界観はRPGのようにサーガヒロイックな世界。ドラ◯エや◯Fと言ったRPGは苦手だと注文をつけると、流星が大当たりした仁には、特別にチュートリアルを設け、チュートリアル期間中に獲得した能力は引き継ぐとの事。準備が必要とのことで、一旦チュートリアル後に、並行世界の地球から、転移してもらうとのことになった。
「でも、なんで、並行世界の地球じゃダメなんだ?」
「それはぁ〜、そこにもあなたたちの分身がいるからでぇ、あなたたちがいる間だけぇ、眠ってもらうのぉ」
あー、イライラする!!
「分かった。どうすればいい?」
智神が前に進み出た。
「とー・・・、んん、私から説明しましょう」
何だろう?顔の作り以外は
創世神を名乗る女神と
全く似てない女神だが
安心できる気がする
もちろん、創世神が嫌いというわけではない
なぜか、懐かしい心地になる
突然、仁から見て右側に、ミニチュア凱旋門が現れた。
「この門を潜り抜けた先に、別の者が控えております。その者がチュートリアルについては、説明する事になっております。ですが、その前に能力等について説明いたします」
ステータスについては、チュートリアルでわかる為、割愛すると言われた上で、ユニークスキルと固有アイテムを渡された。ユニークスキルも固有アイテムも見たことがあるような無いような象形文字として、胸に吸い込まれた。
「これらは魂に刻まれるものです」
喪失しても、痛みが伴うことはないらしい。ヘルプ機能を利用して内容も確認して欲しいとの事だ。また、JOBレベル100を超えた後につくJOBユニーク能力は職種変更時や、チュートリアル終了後または転生後に追加されるユニークスキルらしい。
ユニークスキルとして、「チュートリアル10」「隠蔽偽装Ⅹ」「引き継ぎ」「ヘルプ」、固有アイテムとして、魂の宝玉というインテリジェンスアイテムを貰った。魂の宝玉からは「願いの玉って呼んでね」と言われ、胸の中に吸い込まれて行ったが、今は無視しておく。
ヘルプ機能を利用した、ユニークスキルの説明は、以下の通り。
・チュートリアル10
※10回限定。限界なし(寿命内であれば可、Lv.上限まで可、事故死や他殺等は諦めて)
途中で、チュートリアルを終了するには、ヘルプからが基本。ただし、ある職業では、一定条件を満たすと、選択アナウンスが流れる。
・隠蔽偽装Ⅹ
ステータスやスキルなどを隠蔽したり、違う能力等に見せかけるスキル。
Ⅹはレベル。神の鑑定レベルはⅦ〜Ⅸの為、逆に興味を持たれる可能性あり、特殊条件下でのみ、発動しないことがある。
・引き継ぎ
チュートリアル終了後、または次回転生時に、スキルやユニーク能力全て、スキルLv.を含めて引き継ぎます。引き継がないように設定も可能。
ただし、寿命以外での死亡時の残り寿命は引き継がれない。
・ヘルプ
生活世界での過ごし方やスキルの性能等を知ることが可能性。メモ帳機能、時計機能、Map機能あり。
・魂の宝玉
魂の寿命1000年分と引き換えに望みが叶う。ただし、願いによっては、業を負うこともある。業を回避することは可能。チュートリアルの場合、業は引き継がないが、魂の寿命はチュートリアル終了時のまま。転生の場合は、魂に業が刻まれる為、引き継がれる。神でもない限り、魂の寿命は5億年。
な!?
すっげ〜チートなんだけど?
「いいのか?」と聞こうと思ったが、女神たちとの面会制限があるようで、聞くことができなかった。
「では、あちらの門から、お進みください。」
仁はミニチュア凱旋門に進んで行った。
しばらく時間が経過し、徐ろに、智神が創世神を名乗る女神に話しかける。
「かーさま、本当のことを言わなくて良かったのですか?」
「言えるわけないでしょ?」
「それはそうですが、もしまた会えなければ、私たちもそうですが、数億年泣いて過ごす事になりませんか?」
「運命は巡り始めたのよ。また、会えるわ。それに、見つけられなかった、数百億年の間とは違うの。もう、見失うことはないわ」
突然、運命神が泣き出し、武神が宥める。
「とーさま!とーさま!もっとお話ししたかった!もっともっとぉ!!うぅ、わあぁぁん」
「大丈夫だよ。かーさまもああ仰っている、また、会えるさ」
「うぅ、ほんとぅ?」
「ああ、本当さ」
「なら、我慢する」
再び、智神が母神に話し出す。
「それにしても、『創世神』を名乗るなんて、それにあの話し方、とーさまも困ってらっしゃいましたよ。」
「初めてお会いした時は、あの話し方だったのよ」
「「「え?」」」
「『生命神たる者が、そんな事話し方でどーするよ』って矯正されたけど」
「「「あぁ」」」
「ふふ。また、お会いしましょう、あなた」
隠蔽偽装Ⅹのスキルがつく際には、本当は創世神と名乗る女神との会話があったのですが、初期設定の話し方とこの話での話し方に異なる点が大きく出てしまった為、削除しております。
また、ステータス設定はしておりますが、話の流れ上、書いておりません。チュートリアルが終わったら出します。ユニークスキルはチートですが、初期段階ではステータスに関しては、チートではありません。
ただ、最終的に、チートで最強な主人公にする予定なので、初期ステータスは敢えて、掲載しておりません。悪しからず。